【全国高校サッカー選手権大会 1回戦 桐光学園vs大津】満員の三ッ沢を黙らせた九州の公立の雄

1回戦屈指の好カード

選手権は基本的に前回大会で好成績を収めた地区の高校がシードされているので、
有力校は2回戦から登場することが多い。

なので、1回戦はどこの試合を見に行こうか毎年迷うのだけど、
今年は桐光学園と大津高校という有力校が1回戦から対戦することが決まったため、
迷わずに試合会場である三ッ沢に足を運んだ。

地力では、今季プリンスリーグ関東で9位の桐光学園に対し、
プリンスリーグ九州を2位という好成績で終え、
来季からプレミアリーグWESTで戦うことが決まっている
大津に分があると考えるのが普通だけど、
いかんせん大津はこれまでも下馬評を悪い意味で覆してきた負の歴史がある。

ましてや試合会場は桐光学園のホームと言ってもいい三ッ沢球技場ということで、
大津にとっては戦いにくい試合になるのではと踏んでいたのだけど、
そんな僕の予想は見事に外れてしまうことになる。

何も出来なかった年代別日本代表のエース

桐光学園の10番、2年生の西川潤は、
今大会の注目選手としてメディアに取り上げられてきた。

年齢で言えばU-16の選手ながら飛び級でU-18の日本代表にも召集され、
マリノスのジュニアユースからユースに昇格していれば、
既にトップチームデビューを飾っていたのではと囁かれる逸材だけに、
その注目の高さも当然のように思われる。

ところが、この試合の西川はボールを触ることすらままならず、
ほとんどの時間帯で試合から消えていた。

大津が終始試合を支配していたというのもあるのだけど、
オンザボールの時は流石というボールタッチを見せる反面、
オフザボールの時は基本的にピッチの中央を歩いているだけで、
ボールを引き出す動きと言うものをほとんどしないからだ。

対照的に大津の9番の大崎は、
何度もサイドの裏のスペースへ流れてパスを引き出し、
桐光学園のCBをサイドへ吊り出して中のスペースを空け、
2列目や3列目の選手の攻撃参加を促していた。

その成果が2列目の選手である大竹のハットトリックだったように思う。

昨今、高校サッカー選手権の憧れからか、
中学までJリーグのチームの下部組織にいた選手が、
高校サッカーを選ぶケースが増えている。

それが功奏してさらなる成長を遂げるケースももちろんあるのだけど、
西川の場合、高校サッカーに身を置いているのが果たして彼のためなのか疑問符が付く。

何やらセレッソが西川にオファーを出しているなんて話を聞くけど、
この試合での彼の動きが監督の指示によるものだとしたら、
来季も桐光学園で戦う理由は無いように思う。

年が明けたら2回戦

2回戦からは前回優勝校の前橋育英や準優勝校の流通経済大柏、
前々回優勝校の青森山田など有力校が続々と登場。

いよいよここから選手権が本格的に始まるなと書いたところで、
年内最後のブログとさせていただきます。

それでは皆さん、よいお年をお迎えください。

桐光学園05大津
‘5 大崎舜
’10 大竹悠聖
’53 大竹悠聖
’59 大竹悠聖
’80宮原愛輝