【AFCアジアカップ グループF1節 日本vsトルクメニスタン】これがアジアの難しさ

2019年1月25日

求められるダブルスタンダード

昨夏のロシアワールドカップでアジア勢唯一のベスト16に進出した我らが日本代表。

今月5日から始まったアジアカップで彼らに求められるのは、
当然、2011年大会以来5度目のアジアチャンピオンである。

しかし、アジアカップでの戦いはワールドカップのようにはいかない。

ワールドカップでの日本は弱者という立場で戦うため、
相手にボールを持たれる時間が長くても粘り強く守り、
少ないチャンスで効率的に得点を挙げることが求められる。

反対にアジアカップでの日本は強者という立場で戦うため、
自陣に引いて守備を固める相手を崩すという作業を行いながら、
攻めている時のリスクマネジメントにも気を配らなければならない。

この2つの標準に合わせてチームを作らなければいけないというのが、
日本代表監督の難しい仕事である。

昨夏のワールドカップ以降、親善試合で4勝1分けという好成績を残し、
ここまでチーム作りは順調に見られていた日本だけど、
親善試合ということもあってか、日本に対し守備を固めてくる対戦相手はいなかったため、
後者の標準に合わせたチーム作りは進んでいなかったように思う。

アジアでの戦いはいつだって難しい

日本が所属するグループFで最初に戦う相手はトルクメニスタン。

情報が溢れる現代社会においても、どんなサッカーをしてくるのか、
どんな選手がいるのかという情報を得られず、得体の知れない相手という印象である。

そんな得体の知れない相手に負けるはずが無いだろうと思う日本人が大半だろうし、
実際、僕もその一人だったわけだけど、現実は一筋縄ではいかなかった。

トルクメニスタンは、5-4-1の布陣で日本の攻撃を自陣で待ち受け、
ボールを奪ったら7番、8番、9番の3人で攻撃を完結させるという、
弱者が強者に立ち向かう常套手段というやり方で日本に挑んできたため、
当然、前半から日本がボールを持つ展開になった。

しかし、敵陣にスペースが無い状況で、
不用意なボールロストやパスミスを犯す日本に対し、
トルクメニスタンは狙い通りのカウンターの形で何度か決定機を作り出し、
ついには7番の強烈なミドルシュートで先制点を奪ってしまう。

コースはそれほど厳しくなかったように見受けられたが、
この日の日本のゴールマウスを守った権田から見て、
太陽を真っ正面から受ける角度でシュートが飛んできたため、
眩しくて見辛かったのかもしれない。

また、シュートを打った7番に対するマークの甘さも気になるところではあったけど、
なんにせよ、日本がアジアでの戦いで苦戦する
ステレオタイプのような試合だったなという印象の前半だった。

流れを変えたサイドチェンジ

1点ビハインドの状況で後半を迎えた日本は、メンバーを変えずに戦い方を変えた。

その象徴的なものが、前半はほとんど見られなかった、逆サイドへの対角線の長いボール。

前半は、日本の横方向へのボール回しに対する
トルクメニスタンのスライドの早さに手を焼いたけど、
後半はそのスライドの早さを逆手に取った大きな左右への揺さぶりで、
徐々にトルクメニスタンの運動量を奪うことに成功。

大迫の2ゴールがいずれも左右への揺さぶりから生まれたことと、
逆転されたにもかかわらず疲弊しきった様子でゆっくり歩いてベンチに下がっていった
トルクメニスタンの7番の表情が、日本の後半の戦い方の功奏ぶりを象徴していた。

その後、堂安が追加点を挙げ、
結果的に3得点を奪っての逆転勝利という形にはなったものの、
PKで1点差に迫られるなど、苦戦したという印象は拭えない。

ただ、今大会は韓国がフィリピン相手によもやの苦戦を強いられたり、
オーストラリアがヨルダンに敗れるなど、
これまで強豪とされていた国々が順当に勝利を挙げることが難しくなってきている。

トルクメニスタン相手に苦戦したことは不本意ではあるけど、
勝ち点3を挙げたことについては素直に喜び、
内容に関してはこれから向上していくことを期待しましょう。

ここから徐々に対戦相手は強くなる

最終組のグループFというだけでも日程的に不利なのに、
試合をこなすごとに相手が強くなっていくという組み合わせや、
UAEに入ってからケガ人やコンディション不良者が続出するという状況は、
もはや日本はアジアカップを戦うにあたりハンデを課せられているようにも思える。

また、前回のアジアカップでは、八百長関与の疑惑の目を向けられていたアギーレが、
グループステージの1節からベストメンバーで戦い続けるという余裕の無い采配をして、
ベスト16でUAEに敗れたという苦い思い出がある。

それを教訓として今大会では、次節のオマーン戦で決勝トーナメント進出を決め、
最後のウズベキスタン戦では、
メンバーを落とすことができるという状況に持っていきたいですな。

日本32トルクメニスタン
’27 アルスラン アマノフ
’56 大迫勇也
’60 大迫勇也
’71 堂安律
’79 アフメト アタエフ