【ちばぎんカップ 柏レイソルvsジェフユナイテッド千葉】2019年のJ2リーグの行方を占う世界三大カップ戦

2020年11月1日

世界三大カップ戦?

ワールドカップ、UEFAチャンピオンズリーグと並び、
ちばぎんカップは世界三大カップ戦の一つとされている…らしい。

まあ、実際に本気でそんな風に思っている人はいないと思うけど、
個人的にこの手のノリは意外と好きだったりする。

ただ、ここ数年は、J1でタイトルを獲得するなど上位争いを続ける柏と、
J2の泥沼にどっぷりと浸かったまま抜け出せずにいる千葉の対戦という、
両チームのコントラストが明白になりつつあった。

さらに、柏がACLのプレーオフに参戦する関係でちばぎんカップが開催されない年もあり、
大会スポンサーの千葉銀行内でもこのカップ戦の開催意義が問われていたらしい。

ところが幸か不幸か、昨季、柏がJ2に降格したことで、
2019年は両チームとも同じカテゴリーに属することになり、
かつて開催意義が問われていたちばぎんカップは、
2019年のJ2リーグを占う重要な一戦として位置付けで開催されることになった。

J1昇格候補最右翼の現在地

柏レイソルが今季のJ1昇格候補最右翼であることに異論を唱える人はいないだろう。

昨季のJ1で17位に低迷したとは言え、
選手の顔ぶれだけ見れば優勝争いをしていてもおかしくないメンバーだったし、
実際、獲得した勝ち点39は、J1リーグの歴史に於いてJ2に降格したクラブでは最多。

2018年のJ1リーグの最終節で、
その底力をガンバサポーターに見せつけた選手たちのほとんどがチームに残り、
さらに柏の黄金期を築いたネルシーニョが監督に復帰するとなれば、
柏のJ1昇格は確実とする声が多くなるのも致し方ないと思う。

ところが、この試合での柏のパフォーマンスは、そんな期待値とは裏腹に低調なものだった。

前半は4-1-4-1というあまり柏には馴染みの無い布陣で試合をしていたけど、
攻撃はクリスティアーノと新外国人のガブリエルの仕掛けから獲得するFKぐらいで、
流れの中から連動して崩すような場面は皆無だった。

守備に於いても、アンカーに入った新外国人のヒシャルジソンの脇のスペースを使われ、
千葉に何度もチャンスを作られるなど機能していたとは言い難かった。

後半に入って小泉に代えてオルンガを投入し、前線の起点を2つにしたけど、
今度は中盤の構成力が下がり、オルンガが低い位置まで下りてこないと、
ボールが回せないというような状態になっていた。

千葉のミスや運にも助けられて2点取ることは出来たけど、
もともとの柏に対する期待値が高かった分、残念な出来だったと言わざるを得ないね。

まあ、幸い、まだ開幕前なのでそこまで悲観することでもないし、
10試合もすればJ2の戦いにも慣れて連勝街道を突っ走るだろうと見ているけども。

良い試合をしても勝てない千葉らしさ

すっかりJ2の構成員として定着した千葉。

J2に降格した当初は1年毎に監督をとっかえひっかえしていた印象だけど、
ここ数年の千葉はアルゼンチン人のエスナイデル監督に継続してチームを任せている。

同じ監督が長期にわたり同じチームを指揮していることで、
選手の顔ぶれは柏には劣るものの、
戦術の浸透度は柏よりも二、三歩はリードしているなという印象だった。

もはや千葉の代名詞となったハイラインハイプレスだけでなく、
SBが中へオーバーラップしてくる”偽インテリオール”も織り交ぜた攻撃は、
非常に見応えがあって興味深いものだった。

千葉の左SBは元ガンバの下平が務めていたのだけど、
SBの選手ながら足元の技術やパスセンスは確かな選手なので、
この特異な戦術にも難なく対応していたのは誇らしかったね。

また、守備面では背番号4のエベルトというCBの選手がとても良かった。

CKから貴重な先制点を奪っただけでなく自陣でも常に制空権を取り続け、
ヘディングだけでなく的確なカバーリングも光ったね。

大柄な割にはスピードもあるようだし、千葉は良い選手を獲得したんじゃないだろうか。

ただ、これだけ良い試合をしていても、
瀬川のシュートが増嶋に当たりコースが変わってゴールに入ったり、
GKのファンブルを押し込まれて失点しているあたり、
この手の詰めの甘さがなかなかJ2を脱出できない要因なんだろうなとも思ったけども。

ちばぎんカップを制したのは千葉

試合は2-2で終了し、PK戦の結果、千葉が勝利し、
ちばぎんカップは千葉の手に渡ることになりました。

個人的にも、今年、日立台に来るのは最初で最後だろうし、
ピッチとスタンドの距離が近い臨場感のあるスタジアムで、
サッカー観戦をエンジョイできたのでとてもリフレッシュできた。

来週からいよいよJ1リーグが開幕。

今季は昨年みたく残留争いに胃をキリキリさせられるような思いはせずに、
この日のように純粋にサッカーを楽しめる試合をたくさん見られればいいなと思います。

柏レイソル22ジェフユナイテッド千葉
   PK(
’16 瀬川祐輔
’19 エベルト
’55 アラン・ピニェイロ
’87 クリスティアーノ