【明治安田生命J1リーグ1節 ガンバ大阪vs横浜Fマリノス】GAMBAISMを体現したマリノス

2020年11月1日

Jのある日常が戻って来た

新シーズンが始まるこの時期の胸の高鳴りは、何度経験しても良いものだけど、
我々ガンバサポの場合、開幕戦というものは、
試合後の落胆までがセットで付いてくるコースメニューである。

ただ、今季に関して言えば、開幕戦に期待しているところはあった。

オフシーズンの補強こそ最低限にとどまった感はあるものの、
昨季後半に見せた怒涛のリーグ戦9連勝時のメンバーがほとんど残留し、
宮本監督になって無敗のホーム・吹田スタジアムで新シーズンの開幕を迎えるとなれば、
ネガティブになる要素はほとんど無かったと思う。

ところが、蓋を開けてみると、試合後に項垂れる青と黒の戦士たち。

まだシーズンは始まったばかりなので、必要以上に悲観することも無いのかなと思うけど、
やはり開幕戦に敗れるのは出鼻を挫かれた感じがする。

これで開幕戦で勝てなかったのは8年連続らしいけど、
こればっかりは何度経験しても良い気分はしないものだね。

GAMBAISMって何ぞや?

今季のガンバ大阪のスローガンはGAMBAISMとのこと。

まあ、あの山内社長が考えたものなので、特に深い考えは無いのだろうけど、
氏曰く、「ボールを圧倒的に支配し攻撃し続けるサッカー」のことらしい。

しかし、イヤーブックに掲載されていた選手や監督のインタビューを読んでいると、
このGAMBAISMの定義が人によってバラバラな感じがしてならない。

おそらく、山内社長が言っているGAMBAISMは、西野朗前日本代表監督が率い、
リーグやアジアを制した時のガンバ大阪のサッカーを指しているのだろうけど、
今なおベタ引きカウンターサッカーを志向していた
長谷川健太時代から所属している選手が多い今のチームで、
当時のサッカーを再現するのは不可能だと思う。

それに、あのサッカー自体、去る2004年にFWのマグロンが負傷し、
前線のターゲットマンが不在になった事で、
仕方無く始めたパスサッカーがハマって生まれた偶然の産物なので、
今、西野朗をガンバに連れて来たとしても同じサッカーが出来ると思わないし。

個人的には、明確なチームのスタイルなんて無くていいから、
相手の出方に合わせて柔軟に戦い方を変えて試合に勝つ事ができる、
強いチームを目指して欲しいと思っているのだけどね。

マリノスに感じたGAMBAISM

新加入のキムヨングォンと三浦の両CBの拙い連携や、
今野のコンディション不良を受けて先発に抜擢された高の低調なパフォーマンスなど、
この試合のガンバは決して良いとは言えない出来だったけど、
それ以上にマリノスの良さが目についた試合だった。

前身の日産自動車サッカー部時代から堅守速攻をウリにしているマリノスに、
ハイラインのポゼッションサッカーを持ち込んだポステコグルー体制は今季で2年目。

昨季はドラスティックに変貌した戦術に選手が戸惑い、シーズン序盤は苦しんでいた印象だけど、
今季は新加入選手も含め、スムーズに特殊な戦術に馴染んでいるように見受けられた。

ハーフウェイラインのすぐ後ろに設定されたDFライン、
選手同士の距離が近く、ショートパスの交換でいとも簡単に敵陣に進入していく攻撃陣、
圧倒的に試合を支配しながらもミス絡みで2失点し、
相手にも花を持たせるエンターテイナーぶり。

皮肉にもこの試合で山内社長が言うGAMBAISMを体現していたのは、
対戦相手のマリノスだったんじゃないだろうか。

流れをつかみ損ねないためにも次は勝とう

惜しくも開幕戦を落としてしまった我らがガンバ大阪。

まだシーズンは始まったばかりだと前向きに考えることも出来るけど、
次の試合も落とすような事があれば、流れをつかみ損なって、
また悪夢のような昨季の序盤戦の二の舞なんて事になりかねない。

次節の対戦相手は清水エスパルス。

日本平では昨季も勝利を収めているし、悪いイメージのない相手ではあるけど、
油断大敵、気を引き締めて試合に臨みたいね。

個人的には、昨季、静岡の2チーム(清水・磐田)相手に、
6試合で9ゴールを挙げているファン・ウィジョのゴールゲットに期待したいところやね。

ガンバ大阪23横浜Fマリノス
’1 小野瀬康介
’3 仲川輝人
’34 三好康児
’38 エジガル・ジュニオ
’88 藤春廣輝