【YBCルヴァンカップ グループステージ2節 ガンバ大阪vs松本山雅】予行練習の成果やいかに?

2020年11月1日

まさかのガチスタメン

主力を温存し、サブメンバー中心のスタメンで磐田に相対した先週のミッドウィーク。

この試合も、週末の等々力でのリーグ戦に備え、
サブメンバー中心のスタメンで松本に挑むのかなと思いきや、
先日の名古屋戦のスタメンから代わったのはオ・ジェソクと今野のみ。

「宮本監督は、この試合で確実に勝ち点3を取りに来た」と考えるのが普通かなと思うのだけど、
リーグ戦3試合で8失点している現状を踏まえ、
川崎戦に向けての予行練習の意味合いもあったのかなと思う。

サイドバックのビルドアップ

グアルディオラがバイエルンの監督時代に採用し、
今や欧州サッカーの一つのトレンドとなった偽サイドバックのシステムに象徴されるように、
昨今のサッカーではサイドバックにもMF然としたビルドアップ能力が求められる。

しかし、言わずもがな、そんな潮流に逆らうかのように、
ガンバの両サイドバックはビルドアップ能力が乏しいため、
今季のガンバの対戦相手はここに対して激しくプレスをかけてきている。

オ・ジェソクが前線からのプレスを剥がせずに、
ボールロストしたところから失点した名古屋戦の試合開始直後がその最たる例だと思う。

また、サイドバックのところでビルドアップを乱されることで、
名古屋戦後に今野が語っていたように、
チーム全体としてのビルドアップも上手くいかないという状況になっている。

この試合で菅沼をCBに起用し、三浦を右SBにスライドさせたのは、
そのサイドバックのビルドアップ能力の問題に対する解と見たのだけど、
残念ながら問題解消とまではいかなかった。

そもそも、三浦はロングレンジのフィード力には目を瞠るものがあるけど、
短い距離でのパス交換はそこまで上手い方ではないからね。

この試合の松本は、ガンバのビルドアップのミスを
得点に繋げられるほどの攻撃力は無かったので、
大事には至らなかったけど、今週末に対戦する川崎相手にはそうはいかない。

この試合の4バックで等々力に乗り込むのか、それともオ・ジェソクを戻すのか、
宮本監督の悩みは尽きなさそうだね。

フリーマン・ヤット大先生

ここまでDFラインの話ばかりしてきたけど、
少し前の方に目を向けてみると、この試合の中盤は遠藤、高、倉田、小野瀬の4人。

この面子だと、遠藤と高のダブルボランチに、
右が小野瀬、左に倉田という並びを想像するのが自然だと思う。

ところが、蓋を開けてみると、倉田と高のダブルボランチで、
遠藤はフリーマンとしてポジションに縛られずに自由に動いていた。

遠藤のフリーマンって、長谷川健太時代の末期にも何度も目にしたけど、
攻撃がどうにもこうにもいかなくなった時に苦肉の策として採用する戦術という印象なので、
どうも良いイメージが無い。

実際、この試合で遠藤のフリーマン戦術が機能していたのは、
ガンバの出方がわからずに松本の選手たちが戸惑っていた試合開始5分ぐらいまでで、
その後はきっちりと対策されてしまったように思う。
(皮肉にも、その遠藤が簡単なシュートを外して流れを途切れさせてしまった)

結果的にこの試合ではチームとして2得点を挙げることが出来たけど、
これは遠藤のフリーマンが機能したと言うより、
今季、キレキレの状態がずっと続いているアデミウソンの活躍によるところだしね。

また、フリーマン戦術は、攻から守に切り替わる際に、
守備のポジションに素早く戻れないという欠点もある。

松本相手だとある程度ボールを握ることが出来るので、
採用を検討する余地はある戦術だと思うけど、
川崎相手にガンバがポゼッション出来るとはどうしても考えにくいので、
今週末は、素直に遠藤をボランチで起用した方が良いと思う。

等々力から勝ち点を持ち帰れるか

主力中心のガンバに対し、サブメンバー中心の松本相手に、
3点目、4点目を奪うチャンスがありながらそれを決められず、
1点差での勝利というのは、やや物足りない印象を受ける。

ただ、磐田戦、名古屋戦と公式戦は連敗で来ていたので、
この負の流れを断ち切って次の試合に臨めるのはポジティブな要素だと思う。

主力組の疲労度が気になるところだけど、
それは同じ時間帯にACLのシドニーFC戦を戦っていた川崎も同じ条件。

厳しい相手ではあるけど、等々力から勝ち点を持ち帰れるように、
日曜日はアウェイゴール裏から精一杯応援しましょう!

ガンバ大阪21松本山雅
’6 宮阪政樹
’31 小野瀬康介
’34 ファン・ウィジョ