【明治安田生命J1リーグ14節 ガンバ大阪vs鹿島アントラーズ】鹿島の吹田での無敗記録はまだ続くのか

2020年11月1日

鹿行の鹿は北摂の庭がお好き?

順位こそ16位に沈んでいるものの、前々節の大阪ダービーで勝利して以降、
2試合連続のクリーンシートで勝ち点4を挙げるなど、
復調の兆しが見られる我らがガンバ大阪。

今節相対する相手は、我らがホームの吹田スタジアムで、
5勝1分けと圧倒的な戦績を誇る鹿島アントラーズ。

鹿島は前節、後半アディショナルタイムに失点を喫し、
鳥栖に敗れるというらしくない試合をしているだけに、
気を引き締め直してこの試合に臨んでくることは想像に難くない。

ただ、これ以上、自分たちの庭で好き勝手に暴れられるのも癪に障るので、
厳しい相手ではあるけど、そろそろ勝ち点3を獲得して、
自分たちにとって都合の悪い記録に終止符を打っておきたいね。

ついに聖域にメスを入れた宮本恒靖

ガンバの2トップと言えば、
ファンウィジョとアデミウソンというのが鉄板のコンビだけど、
3月31日のホームの神戸戦以来、2ヶ月以上ゴールから遠ざかっている2人を、
盲目的に起用するのは如何なものかとブログに書いたのは、前節の札幌戦後の話。

さすがに宮本監督も同じことを思っていたようで、
この試合ではファンウィジョに代えて食野をスタメンで起用してきた。

するとこの采配が的中。

試合前の監督インタビューで敵将の大岩監督が、
この試合の勝負の分かれ目を「先制点」と言っていたけど、
その先制点を挙げたのが食野だった。

シュートコースは塞がれていたと思うけど、インフロントで鋭いカーブをかけ、
DFを避けるようにゴール右隅を撃ち抜いたシュートは見事だった。

シュートの見事さもさることながら、ゴールを決めた後に、
宮本監督のところに一目散に駆けていく姿には胸を熱くさせられたね。

決めるところで決めておかないと往々にして…

幸先良く先制したガンバは、その後もバランスを崩すことなくコンパクトな陣形を維持し、
運動量をベースにした執拗なプレッシングを仕掛けて高い位置でボールを奪い、
ショートカウンターで効率良く鹿島のゴールに迫るという、狙い通りの試合を展開。

圧倒的なキープ力で中盤に時間を作るレオシルバ欠場の影響もあったのだろうけど、
鹿島に決定機らしい決定機を作らせない、素晴らしい試合をしていたと思う。

ただ、惜しむらくは、良い流れで試合を進めていた前半に追加点を奪えなかったこと。

小野瀬がロングボールの処理を誤り安西に入れ替わられるという、
チームとして前半で唯一のミスを犯すと、
安西のパスから土居に同点ゴールを許してしまった。

結果的にこの前半終了間際の失点が、
後半、鹿島を目覚めさせるきっかけになってしまったので、
もったいないプレーだったなと思うのだけど、
矢島のマークを外した土居のファーストタッチは敵ながら見事だったね。

案の定、後半に失速。

後半に入り、試合の主導権を握ったのは鹿島。

まあ、大岩監督になってからの鹿島は、前半は相手の様子を見すぎて苦戦し、
後半からギアを入れ替えて反撃に出るというような試合が多い印象があるので、
こういう展開になるのはある意味予想通り。

ガンバとしては、上手くカウンターを繰り出したいところだったけど、
解説の福田正博が指摘していたように、
前半、飛ばしすぎだったガンバに反撃に出る余力は残っておらず、
時間が経つにつれて防戦一方になっていった。

また、鹿島が、山本を町田と交代させて左SBに配し、
安西のポジションを右サイドに変更して、
同じく途中出場の安部とのユニットで右サイドを活性化させる一方で、
ガンバはアデミウソンに代えてファンウィジョを投入するも、
メンバー表の名前を書き換える以上の効果は発揮せず。

さらには、小野瀬の負傷で田中達也を投入するという、
意図しない交代枠の使用も強いられることになり、
選手交代で試合にアクセントをつけることは出来なかったね。

それでも、たまに訪れるセットプレーのチャンスをモノに出来れば良かったのだけど、
矢島のプレースキックの精度はもうちょっとなんとかならないんだろうか。

流れの中でのプレーは、遠藤の不在を感じさせないぐらい良くなってきているけど、
コーナーフラッグの側に立つ矢島の姿を見ても期待感が湧かないのが残念なんだよな。

インターナショナルマッチウイーク明けが正念場

来週はインターナショナルマッチウイークなので、Jリーグは一旦中断。

2週間後から、磐田、湘南、松本と、比較的順位の近いチームとの対戦が続くので、
残留争いから抜け出すためにもここで勝ち点を稼ぎたいところ。

中村敬斗や高宇洋がユース年代の日本代表の大会に参戦している一方で、
キリンチャレンジカップとコパアメリカという、A代表の試合には、
幸か不幸かガンバの選手は誰も招集されていないので、
順位を一つでも上げるべく良い準備をしたいところやね。

ただ、夏に向けての懸念事項として、
今のガンバが志向しているサッカーは体力の消耗が激しいので、
高温多湿の日本の夏には不向きであるということ。

試合の流れの中で相手を動かしながら戦うことも必要になってくると思うので、
リーグ杯のプレーオフステージの長崎戦なども利用して、
プランBの用意も進めたいところやね。

まあ、そういう戦い方を志向するにあたり、チームの中心となってくるのは、
リーグ戦で2試合続けて出番が無かった7番だと思うのだけど、
宮本監督は、今後彼をどのように起用していくつもりなんでしょうかね。

ガンバ大阪11鹿島アントラーズ
’13 食野亮太郎
’43 土居聖真