【明治安田生命J1リーグ19節 ガンバ大阪vs清水エスパルス】矢島から青黒の虎への餞

去り行く仲間たち

オ・ジェソク、田中達也、
そしてこのブログを書いている時点では正式発表されていないけどファンウィジョ。

前節のFC東京戦の敗北後、相次いだガンバからの退団情報に、
心穏やかじゃない1週間を過ごしていた人も多いだろう。

オ・ジェソクに関しては、3バックへの布陣変更後、適性ポジションを失い、
助っ人外国人という立場にも関わらずベンチにも入れずにいたし、
左サイドに流れてボールを受けて、ドリブルでカットインしてシュートという、
得意なプレーエリアが丸被りしている宇佐美が復帰した時点で、
ファンウィジョの退団は既定路線だったと思うので、個人的にこの2人の退団は想定内。

加入から半年が経ち、ようやくチームにフィットしてきて、
後半戦反攻のキーマンだと思っていた田中達也が、
あろうことか同じJ1の大分に移籍してしまったのが唯一の誤算だったかな。

それにしても、オ・ジェソクと田中達也の退団に加え、
故障から復帰したばかりの藤春も再び戦線離脱してしまい、
飽和状態だったはずのサイドが、一転、人員不足になっているのに、
米倉はなぜベンチにも入れないのだろうか。

このままだと今夏の退団選手リストに、
もう1人名前が増えそうな気がしているのは僕だけですかね。

宮本監督の寵愛を受ける小野瀬康介

スタメンの顔ぶれを見た時は、福田のインサイドハーフに、
小野瀬の右WBかと思ったのだけど、試合が始まってから確認したところ逆だった。

小野瀬の適性ポジションって、フラットな4枚の中盤のサイドハーフか、
3トップのウイングだと思うので、先日退団したばかりのオ・ジェソクと同様に、
今の布陣だとしっくりくるポジションが無いと思うのだけど、
それでも、WBやインサイドハーフで起用し続けるあたり、
宮本監督の小野瀬に対する信頼って相当厚いんだなと思わされた。

その信頼を裏付けるかのように、この試合のガンバの攻撃は、
右サイドで組み立てられることが多かったけど、清水の選手をガンバの右サイドへ寄せ、
薄くなった左サイドへ展開する際のパスの精度が低く、
逆サイドでフリーになっている中村になかなか良い形でボールが入らなかった。

対する清水は、ガンバのビルドアップのミスに付け込んで効率良くカウンターを繰り出し、
“ガンバキラー”のドウグラスを中心に何度も東口の守るゴールマウスを脅かしてきた。

前半の戦いぶりは、ポゼッションとシュート数こそガンバが上回っていたものの、
清水の方が優位に試合を進めていたという印象は、
この試合を見ていた人なら一致すると思う。

青黒のユニフォームが似合うようになってきた矢島慎也

選手交代なしで後半が開始されたものの、
前半と試合展開が変わらないと見るや、宮本監督は小野瀬に代えて遠藤を投入し、
矢島のポジションをアンカーからインサイドハーフに上げてきた。

さらに食野に代えてアデミウソンを投入し、攻勢を強めるも、
中村のシュートが西部のファインセーブで防がれたり、
ファンウィジョのシュートがゴールポストを叩いたりと、
ゴールネットを揺らすまでには至らなかった。

これはスコアレスドローかなと思っていたら、
福田が右サイドから上げたグラウンダーのクロスを
蹴り出そうとしたヘナトアウグストが、
雨でスリッピーになったピッチで足を滑らせクリアミス。

このクリアミスを矢島がダイレクトで蹴り込んで、
後半43分についに均衡が破れることになった。

昨季、浦和の下部組織出身という経歴を持ちながら、
その浦和とタイトルが懸かった試合で何度も鎬を削ってきた
ガンバへ移籍してきた心意気は認めていたのだけど、
球際を戦わず、どこか淡白に見えるプレースタイルに、
なかなか矢島慎也という選手を受け入れられずにいた。

しかしながら、大阪ダービーでアンカーというポジションに抜擢されて以降、
自分の居場所を見つけたかのように、
試合毎にパフォーマンスが良くなっていく矢島の姿は目を瞠るものがあるね。

ただ、これで満足してもらっては困る。

加地や井手口も背負った21番は、
もっと多くの勝利をガンバにもたらすことが出来るはずだ。

そして来る人

試合後、ホームゴール裏の前で記念撮影をしたり、胴上げをされている姿を見る限り、
ファンウィジョの移籍はもう決定なんだろうな。

今季は、プレースタイルが研究されたことに加え、クラブと代表の掛け持ちで疲弊し、
満足のいく結果を残せずにいたけど、昨季のファンウィジョの活躍が無ければ、
今頃ガンバはJ2で試合をしていたかもしれないので、
この韓国人ストライカーには感謝してもしきれない。

ただでさえもまとまったオフを取れていないのに、
開幕の早いリーグアンに参戦するのはコンディション面で大変そうに思うけど、
ゴールを貪欲に狙い続けるストライカーらしいストライカーは、
ガンバのサポーターに歓喜をもたらしてくれたように、
ボルドーのファンにも歓喜をもたらすだろう。

そして、次節の豊田スタジアムでの名古屋戦。

16番が去った後のガンバに歓喜をもたらすのは、33番であることを強く願う。

ガンバ大阪10清水エスパルス
’88 矢島慎也