【明治安田生命J1リーグ20節 名古屋グランパスvsガンバ大阪】至宝が導いた勝ちに等しい引き分け

前進するための痛み

先日、職場の同僚から「ガンバ大丈夫なの?」と声をかけられることがあった。

確かに、連日、ガンバから選手の退団のニュースが報じられているので、
ハタから見れば「ガンバやばいんじゃないの?」と思うのも致し方無い。

しかしながら、大阪ダービー以降、4勝3分1敗という成績が示す通り、
個人的に今のガンバのチーム状態は悪いとは思っていない。

退団した選手には多かれ少なかれ思い入れがあるので、感傷的になる部分はあるものの、
チームが成長していく上で必要な新陳代謝が行われているだけだと思っている。

むしろ、これらのニュースを取り扱っているメディアが、
必要以上に「ガンバの危機」と煽っている感があるので、
それらのメディアに対して不信感を感じているところは少なからずあるけども。

そんな中で迎えたアウェイの名古屋戦。

雑音を振り払うべく、この試合で勝利し、
退団した選手がいなくてもガンバは問題無いということを証明しなければならない。

至宝の帰還

この試合に於ける最大のトピックスと言えば、
ドイツのアウクスブルクから3年ぶりにガンバに復帰した宇佐美が、
スタメンに名前を連ねたこと。

我が愛するクラブの至宝の帰還はもちろん喜ばしいことだけど、
3年という月日が宇佐美貴史をどう変化させたのか、
退団したファンウィジョの代わりが果たして務まるのかと、
懐疑的になっていたことも事実だった。

しかし、矢のようなサイドチェンジと、
ランゲラックにセーブされた強烈なシュートを見る限り、
3年ぶりにガンバのユニフォームを纏った宇佐美貴史は、
僕らが知っている宇佐美貴史と見て問題無さそうだ。

風間サッカーに対するミスキャスト

名古屋のサッカーと言えば、風間監督の代名詞と言うべきポゼッションスタイル。

当然、ボールを持たれる時間が長くなるのは想像に難く無いけど、
どういうわけか宮本監督は、ここ最近後半からの起用が多かった遠藤を、
スタメンで起用してきた。

アデミウソンの同点ゴールの起点となったパスは遠藤ならではのものだったので、
スタメンに抜擢した価値はあったのかなと思うけど、
やはり遠藤起用の弊害か、中盤の守備の強度は著しく低かった。

ただ、これに関しては遠藤のアンカー起用が悪手だったと言うよりは、
右のインサイドハーフに入った矢島のボールホルダーへの寄せの甘さが招いているように見えた。

実際、前半に喫した2失点をはじめ、
この試合の前半はガンバの右サイドを崩される場面が多く目についた。
(まあ、1点目は右サイド云々よりも菅沼のパスミスが痛恨だったけども)

遠藤をアンカーで起用するのであれば、右のインサイドハーフには、
ボールを狩りに行ける高江か高を起用した方が良かったんじゃないかと思うのだけど、
どうもスタメンのミスキャスト感が否めない前半だったね。

インサイドハーフ小野瀬が呼び込んだ千両役者の一撃

後半、宮本監督は中村に代えて小野瀬を投入。

今夏、オランダのトゥエンテへのレンタル移籍が決まっている中村は、
この日がガンバでのラストゲームだったわけだけど、
前半終了間際の失点にも絡むなど、不完全燃焼に終わってしまったように思う。

この試合で煮え切らなかった部分を、オランダの地で暴れてうまく昇華してほしいね。

そんな中村に代えて小野瀬を右WBに入れ、福田を左WBに回すのかなと思っていたら、
小野瀬はまさかの右インサイドハーフ起用。

前節の清水戦でも、右のインサイドハーフのポジションで小野瀬を起用したものの、
あまり良くなかった印象だったので、この配置はどうなんだろうと思っていたのだけど、
どういうわけかこの試合では割と機能していた。

1点ビハインドの中、ゴール前まで迫るものの、
シュートを打てずにカウンターを食らうという展開が続き、
敗色濃厚だった試合のムードを一変させた宇佐美のヘディングでのゴール。

それをアシストしたのは、小野瀬だったのは偶然では無いだろう。

そして、復帰戦でいきなりゴールを挙げてチームを窮地から救った宇佐美貴史もまた、
千両役者であることは間違いない。

牙を研ぐ時間はある

調子を落としていた名古屋に勝てなかったのは残念だったけど、
敗色濃厚だった試合で勝ち点1を拾ったと考えれば、悪い試合ではなかったと思う。

1週間のブレイクを挟んで2週間後に行われる次節も、調子を落としている神戸が相手だけど、
今節と同じ轍は踏まぬよう、しっかり守備から入って勝機を伺ってほしいね。

そして、神戸戦と言えば宇佐美貴史。

かつて神戸キラーとして鳴らした背番号33が、
またエンジのユニフォームに向かって牙を剥くのか見ものだね。

名古屋グランパス22ガンバ大阪
’4 前田直輝
’8 アデミウソン
’44 宮原和也
‘90+1 宇佐美貴史