【天皇杯3回戦 法政大学vsガンバ大阪】これはジャイアントキリングじゃなくてただの力負けだ

2020年2月23日

悔しさよりも呆れた敗戦

昨季の天皇杯にて、関学を相手に足元をすくわれて、
2回戦で敗退したのは記憶に新しいところ。

それから1年が経ち、先月の天皇杯2回戦で、
J3の讃岐相手に危なげなく勝利を収めた時には、
昨季の天皇杯の教訓が生かされているなと思ったので、
3回戦の相手が法政大学に決まった時も、それほど心配はしていなかった。

ところが、この1ヶ月で選手が大幅に入れ替わったことで、
昨季、関学の選手たちから受けた手痛いレッスンの内容を忘れてしまったのか、
あろうことかまたしても歴史は繰り返すことになってしまった。

これまで、天皇杯で大学生相手に敗れるJ1のチームって何度か見てきたけど、
2年連続で大学生に敗れたJ1のチームって前代未聞じゃないだろうか。

別にメンバーを落としたわけではない

前所属の広島で今季の天皇杯に出場しているため、
出場選手登録出来なかったパトリックがいないだけで、
十分、J1の試合でもスタメンで出場してもおかしくない顔ぶれが
送り出されたこの試合のピッチ。

ただ、顔ぶれこそ主力と呼んでも差し支えないメンバーではあるけど、
遠藤のセカンドトップや井手口と鈴木のインサイドハーフ、三浦の右CBなど、
シーズンの今後の戦い方を見越した実験的な配置をしていたように思う。

しかしながら、結果的にその実験はすべて失敗に終わってしまった。

果敢に高いDFラインを保ち、前線から激しくプレッシャーを掛けてきた法政大学に対し、
スペースの無い中盤で井手口と鈴木のインサイドハーフはロストを連発。

加えて、ガンバのストロングポイントである右CBからのビルドアップも、
三浦が、普段、髙尾が担っているタスクをこなすことが出来ず、こちらもパスミスを連発。

そして、そんな法政大学の高いDFラインを下げたいところではあったけど、
渡邊千真と遠藤の2トップでは裏へ抜ける動きが乏しく、
シュートチャンスを作り出すことすらままならない。

そんなガンバを尻目に、効率の良いカウンターを繰り出し、
あっさりと先制ゴールを奪った法政大学のプレーを見て、
どちらがJ1のチームだと思ってしまったね。

大学生の方がプロよりも試合運びが老獪だったという

前半の終盤に三浦と菅沼のポジションを入れ替え、
ハーフタイムに井手口に代えて倉田を投入し、
遠藤をセカンドトップからアンカーへ下げるなど、
現状を打破すべく手は打つものの、状況は好転せず。

遠藤がアンカーに下がったことで、矢島と鈴木のポジションが、
ところてん方式で1つずつ前に押し出される格好になったけど、
セカンドトップに入った鈴木の動きが、
全然FWの動きじゃないように見えたのは僕だけだろうか。

そもそも鈴木って、ガンバに移籍してきてからのプレーを何試合か見ているけど、
どこのポジションが適性で、どういうプレーがウリなのか全然わからない。

おそらく他の選手たちも鈴木をどう使っていいのか掴めていないんじゃないだろうか。

そんなちぐはぐなチーム状態を象徴するかのように、
福田がピッチから離れて10人になっている間にセットプレーで追加点を許すなど、
プロのチームとは思えない試合運びの稚拙っぷり。

直近のリーグ戦の2試合で立て続けに終盤に失点して、
勝ち点2を落とす試合を見せられていると、
この試合の法政大学の選手たちの試合終盤の時間の使い方の方が、
1枚も2枚も上手だなと思わざるを得なかったね。

GAMBA EXPOではプロの試合を見せてくれ

2021年度からの鹿島入団が決まっていた法政大学のエースの上田綺世が、
法政大学のサッカー部を退部して前倒しで鹿島に入団したというニュースを見た時は、
これでガンバとの天皇杯の試合に出られなくなるからラッキーだなと思っていたのだけど、
上田がいなくても完敗でしたね。

もし上田がこの試合に出場していたら、
2失点どころじゃすまなかっただろうと思うと情けない限りだわ。

今週末はホームで磐田戦だけど、
そう言えば、昨年、関学に負けた後に対戦したのも磐田だった。

あの時は、チームに対する抗議の意味合いで、
前半、応援をボイコットするなどの行動をとったけど、
ホームのGAMBA EXPOでそれが出来るのかどうか…。

この試合での敗戦を受けて、
宮本監督に対する風当たりも厳しくなることは間違いないだろうけど、
昨季、関学に負けたショックを、ハットトリックで払拭してくれたファンウィジョのように、
このネガティブな雰囲気を吹き飛ばしてくれる救世主が、
磐田戦で現れることにでも期待しますかね。

ガンバ大阪02法政大学
’24 大西遼太郎
’70 森岡陸