【明治安田生命J1リーグ23節 ガンバ大阪vsジュビロ磐田】大学生に負けるチームが10人相手に勝てるはずがない

2020年11月1日

プロフェッショナルなら結果で示せ

先日の天皇杯で法政大学相手によもやの敗戦を喫したことで、
望まぬ形でメディアへの露出を増やしてしまった我らがガンバ大阪。

普段、全然サッカーの話をしない職場の事務のおばさんにまで、
「大学生に負けたらしいじゃん」と言われる屈辱。

一介のサポーターの僕ですらこのような屈辱を味わっているのだから、
プロフェッショナルな選手たちであれば、
チームを取り巻く状況に危機感を感じているのは当たり前だと思いたい。

そんな状況でホームに迎えるはJ1最下位に沈むジュビロ磐田。

そう言えば、昨年、関学に負けた後に対戦した相手も磐田だったので、
不思議な因果を感じなくも無いのだけど、残念ながら今季の対戦では、
昨季、ヤマハでハットトリックを決めたファンウィジョのような救世主は現れなかったね。

ファビオ、ガンバの前に立ちはだかる

よそのチームの状況を気にしている場合ではないのは重々承知だけど、
ガンバを退団してから8ヶ月間無所属だったファビオが、
磐田の選手としていきなりスタメンに抜擢されているという状況が、
今の磐田の苦しい台所事情を象徴しているように思えた。

身体能力の高さは魅力的だけど、
ちょいちょい集中力が切れるのが難点というタイプの選手なので、
8ヶ月間もブランクがあると、試合勘はどうなんだろうと思っていたのだけど、
少なくともこの試合のファビオからはブランクの影響は感じられなかった。

いや、正確に言えば、ブランクの影響が出るような試合展開にならなかったと言うべきか。

と、言うのも、前半15分に、
磐田のFWのルキアンが2枚目のイエローを貰って退場になるという、
ガンバにとって願ったり叶ったりという状況になったことで、
磐田はDFラインを下げて守勢に回らざるを得なくなり、
ラインコントロールやスペースのカバーリングというタスクから解放されたファビオは、
低いDFラインでひたすら跳ね返すという一番得意な仕事に専念することが出来ていたからね。

この日のガンバの唯一の得点となった場面は、
小野瀬のクロスボールに対し、カミンスキーに任せようとしたファビオと、
ニアでファビオがクリアすると思っていたカミンスキーの意図が合わず、
そのままゴールマウスに吸い込まれたものだったので、
ファビオ自身の試合勘の問題と言うよりは、
急造のDFラインによるコミュニケーション不足によるものだったしね。

ただ、ファビオが思いのほかやれていたとは言え、そもそも数的有利なんだから、
ガンバの攻撃陣には、もっとチャンスを作り出して欲しかったのだけど。

リスクを冒すことにナーバスになった宮本恒靖

前半終了間際に先制し、且つ、数的有利な状況とは言え、
リードが1点だけだと事故のような失点で同点に追いつかれることもあり得る。

ましてや、試合終盤に失点して勝ち点2を落とすという試合を2試合続けているだけに、
早めに追加点を奪って磐田に引導を渡したいというのは、
この試合を見守るガンバサポーターの誰もが思っていたことだと思う。

しかしながら、この試合の宮本監督はなかなか勝負に出なかった。

そもそも、磐田に1人退場者が出たとは言え、後ろの4-4のブロックはそのままだから、
ガンバの攻撃陣が相対する磐田の守備陣の数は変わらない。

ただ、1枚しかいない磐田の前線を、ガンバの3バック全員で見る必要は無いので、
後ろの枚数を削って後半開始からアデミウソンを投入するなどの
普段やらないような大胆な采配をしても良かったんじゃないかなと思う。

ところが、この日の最初の交代カードは、
後半29分に髙江に代えて矢島を入れるまで待たなければいけなかった。

おそらく髙江よりもクリエイティブな矢島を投入することで、
より攻撃的に出るという意図だったのだろうけど、
その直後に宇佐美に代えて井手口を投入し、システムを5-4-1に変更するなど、
攻撃的に行きたいのか守備的に行きたいのか、ベンチの思惑がはっきりしなかった。

そのどことなくピッチとベンチの意図が合わずにいるなかで、
またしても試合のクロージングに失敗したことは、もはや必然なのかもしれないね。

「次がある」じゃなくて「あとが無い」という気持ちで

次節は鹿島、その次がマリノスと、アウェイで上位との対戦が続くので、
今節は是が非でも勝ち点3を獲得しておきたかったのだけど、
またしても試合終了の笛を目前にして勝ち点2を落としてしまった。

J2降格も覚悟していた去年の今頃に比べると状況は幾分マシなのかもしれないけど、
9月から戦線復帰し9連勝のトリガーとなった今野が磐田の選手なった今、
ガンバにスイッチを入れられる存在がいるのだろうか。

ただ、そうは言ってもいつまでも嘆いてばかりではいられない。

今節、鳥栖が勝利したことで、入れ替え戦プレーオフの16位は目下に迫っている。

ガンバ大阪11ジュビロ磐田
’44 小野瀬康介
‘90+5 中山仁斗