【明治安田生命J1リーグ26節 ガンバ大阪vsサガン鳥栖】本音を言えばオモテの天王山を戦いたい

2020年11月1日

残留争いの分水嶺

リーグ杯の準々決勝にて、アウェイゴールの差でリーグ首位の東京を破ったことで、
ここ最近、ガンバを覆っていた閉塞感は幾ばくか和らいだように思えるのだけど、
リーグ戦に限って見れば6試合勝ち無しで、
入れ替え戦プレーオフ圏内である16位の鳥栖との勝ち点はわずかに1という状況。

そして、今節ホームに迎える相手はその鳥栖というのはどういう巡り合わせか。

リーグ杯の準決勝に進んだことで、タイトルへの欲も出てきたけど、
だから言って、リーグをおろそかにしてJ2に降格しているようでは目も当てられないので、
この6ポインターズは絶対にモノにしなければならない。

良くなってきたと見ていいのだろうか

リーグ杯の東京戦で一定の手ごたえを得た4-4-2をこの試合でも継続して採用。

リーグ杯の試合では、セカンドトップに入った髙江が、
効果的なスペースへのランニングでパスを引き出し、
献身的にプレスバックも行っていたけど、
この試合のセカンドトップにはそういった動きを不得手とする宇佐美が入ったので、
一概にリーグ杯と同じ戦いが出来るかと言えば疑問。

実際、この試合の宇佐美は、スペースへ走るというよりは、
中盤に下がってビルドアップに参加していた。

ただ、今までの試合であれば、
宇佐美が中盤に下がることで前線の枚数が減るだけだったのが、
この試合では、宇佐美が中盤に下がって出来た前線のスペースに、
倉田と小野瀬が走り込む場面も何度か見られたので、
宇佐美が中盤に下がる動きを効果的に使えるようになってきたのかなと思う。

それに加え、宇佐美本人のシュートが増えたのも好材料だったね。

また、この試合では藤春が左SBのスタメンに名前を連ねたことで、
ガンバのストロングポイントである倉田との左サイドのユニットが復活。

アデミウソン投入後に倉田を右サイドに回し、
倉田-藤春のユニットを分解するという、宮本監督の謎采配はあったものの、
それまでの左サイドでの2人の連携はさすがの一言で、先日の大宮での試合で見られた、
左サイドで攻撃がノッキングを起こす状況は、この試合ではほとんど見られなかったね。

藤春のコンディションが上がってくれば、もっと良くなると思っていたのだけど、
まさか勝利の余韻に浸る間もなく、試合後に担架に乗せられてピッチを後にするとは。

また長期離脱なんてことにならなきゃいいんだけど。

Ongi etorri Susaeta

先日、スペインのアスレティック・ビルバオからガンバに加入したスサエタが、
スタメンに名前を連ねるかどうかというのは、この試合に於ける重要なトピックス。

結局、ベンチからのスタートで、後半38分から途中投入されて、
10分弱のプレー時間に終わったけど、
投入された直後にガンバに決勝ゴールが生まれたことで、
それとなくチームメイトやサポーターに良い印象を与えることが出来たと思う。

スサエタの本職は右サイドハーフなので、
宮本監督のお気に入りである小野瀬とポジションが被るため、
どのように起用するのかは今後の課題だけど、
その小野瀬が全く不必要なイエローカードを貰って、
次節の大阪ダービーは累積警告により出場停止になってしまったので、
スサエタのスタメン起用の可能性がグッと高まったね。

また、スサエタが名クロッサーでありえたのは、
ビルバオにはジョレンテ(現・ナポリ)という長身FWがいて、
ジョレンテがスサエタのクロスから多くのゴールを決めていたからというのもある。

残念ながらガンバにジョレンテはいないけど、
ジョレンテと同じ役割が期待できるパトリックと良いコンビネーションを築くことが、
スサエタがガンバで存在感を高めるカギになってくるかと思う。

ガンバにとって久しぶりのビッグネームだし、
個人的にもリーガではビルバオ推しだったりするので、
まさかスサエタがガンバに来るなんてビックリなんだけど、
何年か後にスサエタが現役引退した後、彼のキャリアを振り返った時に、
「ガンバでの時間は素晴らしかった」って思ってもらえるように、
1つでも多くの勝利を一緒に積み重ねていきたいと思うね。

そして決戦の地・長居へ向かう

7月のホームでの清水戦以来、約2ヶ月ぶりの勝利を挙げ、順位も12位に上げたガンバ。

ただ、諸手を挙げて称賛すべき内容だったかと言えば必ずしもそうではなくて、
鳥栖の決定力不足に助けられたところも多々ある試合だった。

それに加え、ガンバがDFラインでボールを回している時に、
サイドバックのところに厳しく寄せられると、ビルドアップの逃げ道が無く、
自陣の低い位置でボールロストしてしまう光景は、今季の序盤から何度も目にしている。

お隣の将のロティーナは、対戦相手のこのような弱点は狡猾に突いてくる知将なので、
次節の大阪ダービーまでにと言わず、明日からでも修正に取り掛かって欲しい。

悲しいかな、リーグ優勝やACLなんてものを狙える状況に無い今のガンバにとって、
9月28日の長居でピンクの連中に一泡吹かせることが、
今季のリーグに懸ける大きなモチベーションだ。

僕はもちろん参戦します。同志たちよ、2週間後に会いましょう。

ガンバ大阪10サガン鳥栖
’84 渡邊千真