【YBCルヴァンカップ決勝 北海道コンサドーレ札幌vs川崎フロンターレ】事実は小説より奇なり

中立のスタンスなんて出来ません

千葉県を中心に大きな被害をもたらした大雨から一夜明け、
埼玉スタジアムは心地の良い秋晴れ。

やはりリーグ杯の決勝と好天はセットでないと困る。

今回の決勝のカードは札幌vs川崎とあって、
ガンバサポの僕は中立のスタンスで観戦…と、いきたいところだったのだけど、
先週のリーグ戦で、登里にヘッドバットを見舞われた倉田が負傷したという一件があって、
川崎の心象が悪くなったばかり。

それに川崎は、2年前のリーグ杯の決勝で、僕の熱烈応援の甲斐なく敗北を喫し、
あろうことかピンクの連中に初タイトルを献上。

大阪ダービーでセレッソが無冠であることをからかうという
ガンバサポの楽しみを奪った前科もあるしね。

そんなわけでどうしても「川崎も頑張れ」とは思えず、
どちらかと言うと札幌に肩入れして観戦していた。

負の歴史にピリオドを打った阿部浩之

この手の一発勝負のカップ戦のファイナルって、
序盤は、お互いに相手の出方を見るような展開になって、
固い試合になるケースが多いのだけど、この試合は前半10分に試合が動いた。

右サイドの白井のクロスがファーに流れたところを、
逆サイドの菅がボレーで叩き込み、札幌が先制に成功。

いきなり追う立場になった川崎は、ボール支配率を上げて札幌ゴールに迫るも、
決定機の数こそ多く作れど、レアンドロダミアンや脇坂のシュートがポストを叩くなど、
ツキに見放され、ゴールを挙げることが出来ない。

そもそも川崎は、過去4回のリーグ杯の決勝で全敗しているだけでなく、
まだ1点も取ったことが無いという負の歴史がある。

そんな中で前半アディショナルタイムに阿部浩之が挙げたゴールは、
スコアを振り出しに戻すというだけでなく、
川崎が背負ってきた負の歴史にピリオドを打つという意味でも重要なゴールだった。

ガンバを離れて3シーズンが経ち、川崎の8番がすっかり様になっている阿部だけど、
今でも阿部が活躍しているのを見ると嬉しい気持ちになる。

この気持ちに共感してくれるガンバサポーターは多くいるんじゃないだろうか。

まるでジェットコースター

後半に入っても、ボールを支配し試合の主導権を握って攻める川崎と、
川崎を自陣に引き込んでカウンター狙いという札幌の構図は変わらずも、
お互いに決め手を欠いて、時計の針だけが進み、試合は終盤へ。

後半42分に鈴木武蔵がGKとの1対1で決め切れない一方で、
その1分後に小林悠が勝ち越しゴールを奪った時には、
この試合のクライマックスはここかと思った。

ところが、僕の予想に反してここから試合は大きく動いた。

後半アディショナルタイムのラストワンプレーでCKから深井がゴールを決め、
札幌が土壇場で試合を振り出しに戻すと、
延長前半には福森が得意の左足で直接FKを沈め、札幌が試合を振り出しに戻してみせた。

対する川崎は、札幌にFKを与えたファウルで、
谷口がレッドカードを貰い退場になったことで、
1人少ない状況で1点ビハインドを追うというミッションに挑むことになったけど、
延長後半4分に小林悠が同点ゴールを決め、またまた試合は振り出しに。

まるでマンガを読んでいるかのようなスペクタクルな試合展開。

いや、もしマンガだとしてもここまでの展開はさすがに非現実すぎだって、
編集者にボツを食らうだろうね。

五度目の正直

120分間の戦いでも試合に決着はつかず、勝敗の行方はPK戦へ。

PK戦って、「押されていたチームが勝つ」なんてことを言われたりもするので、
それが真理だとすれば数的不利の川崎の方が有利って見方もできるけど、
川崎の4人目のキッカーの車屋のシュートがクロスバーを叩いた時は、
もはや万事休すかと思った。

しかしながら、スペクタクルな試合展開は、
120分間の戦いだけに留まらずPK戦にまで波及。

これを決めれば札幌が優勝という状況で、
札幌の5人目のキッカーである石川のシュートを新井がストップすると、
続く6人目のキッカーの進藤のシュートもキャッチし、
土壇場で川崎にリーグ杯のタイトルをもたらしてみせた。

どちらかのチームのサポーターだったら気が気じゃない試合展開だっただろうけど、
第三者的な目線で見ればこんなに面白い試合は無い。

こんな素晴らしい試合を見せてくれた両チームの健闘を称えたいね。

そして、新国立で行われるであろう来季のリーグ杯の決勝には、
願わくば我らがガンバ大阪が立っていることを願いたいね。
(なんか毎年同じようなことを書いている気もするけど(苦笑))

北海道コンサドーレ札幌33川崎フロンターレ
         PK()
’10 菅大輝
‘45+3 阿部浩之
’87 小林悠
‘90+5 深井一希
’99 福森晃斗
‘109 小林悠