【EAFF E-1 サッカー選手権 中国vs日本】サッカーを以ってカンフーを制す

2023年1月1日

E-1という大会の存在意義

つい3日前に2019年のJリーグが閉幕したばかりなのに、
代表選手たちは息つく暇もなくE-1に出場するために韓国は釜山へ。

インターナショナルマッチウイークではないことから、
欧州でプレーする選手たちを招集できないため、どうしても国内組中心、
言い方は悪いけど2軍で臨まなければいけない大会なので、
大会の存在意義自体にも疑問を持っている人は多いと思う。

ただ、JFAの会長にスポンサーの顔色ばかりを気にする田嶋幸三が就任して以降、
代表に招集される顔ぶれはほとんど限られてしまっている中で、
このE-1という国内組だけで臨む大会は、
新戦力がその顔ぶれの中に割って入っていける少ないチャンスでもある。

また、東京オリンピックという日本にとってのビッグイベントを来年に控え、
出場資格を持つ若い選手たちに実戦経験を積ませる場を設けるという意味合いもあるので、
今の日本にとって今回のE-1はこれまで以上に意義のあるものじゃないかなと思う。

ピッチの上はカンフーをするところではない

Jリーグの最終節から中2日ということもあって、
練習はほとんどできなかったのは想像に難くないので、連携面が拙いのは致し方なし。

選手の並びこそ森保監督の代名詞である3-4-2-1だったけど、
ただ選手を数字に当てはめただけな感は否めず、
ミシャ式とも呼ばれる可変式3バックとは言い難い代物だった。

そんな日本に対し、この試合の対戦相手である中国は、
この大会に向けて2週間の合宿を行ったそうだが、
日本よりもパスが繋がらないなんて、一体合宿で何をやっていたのだろうか。

上田綺世、森島司、鈴木武蔵の日本の前線3枚が、
即興のハーモニーでパスを繋げて先制ゴールを奪ったのに対し、
中国の見せ場は橋岡に対し飛び蹴りを見舞ったシーンぐらい。

このカンフーキックの場面を見て、
この大会が東アジア選手権と呼ばれていた2008年大会で、
当時ガンバ大阪所属だった安田理大が、
中国のGKにカンフーキックを食らった場面を思い出した人も多いだろう。

習近平の国家施策でサッカーに力を入れている中国だけど、
いくらお金を使っても選手の本質的な部分って、
なかなか変えられないものなんだなと思い知らされたね。

戦えガンバ戦士

森保監督になって以降、代表戦でガンバ戦士の活躍を見る機会が減っているけど、
この試合では井手口と三浦が先発フル出場したので、
ガンバサポ的な見どころのある試合だったように思う。

井手口は発熱の影響で直近の浦和戦を欠場していたので、
コンディションが心配だったけど、無難にこなせていた印象。

この試合のダブルボランチは、井手口と橋本拳人という組み合わせだったけど、
そもそもこの2人は同じボックストゥボックスの中盤の選手なので、
一緒に起用するのはバランスが悪いように思う。

結局、橋本がダイナモ、井手口がバランサーの役割をこなしていたけど、
このブログで何度も書いているように、
井手口は広い範囲を動き回ってナンボの選手なので、
このような起用の仕方は良さを殺しかねない。

森保監督は、先日のベネズエラ戦でも井手口を左サイドハーフに置くなど、
疑問符が付く起用をしていたし、
森保監督の目に井手口はどういう選手に映っているのだろうか。

三浦は、先日、吹田で行われたベネズエラ戦に後半から出場し、
前半4失点した守備を建て直すことに成功したけど、
この試合でも急造のDFラインを上手く統率出来ていたと思う。

キャプテンマークこそ森保監督の信頼の厚い佐々木が巻いていたけど、
この試合の佐々木の低調なパフォーマンスを見る限りでは、
三浦が黄色い腕章を巻いた方が良かったんじゃないだろうか。

そんなガンバ戦士2人が生み出した日本の2点目のゴールが、
この試合の決勝点となったことを誇らしく思うね。

連携向上強化週間

試合終了間際の失点が余計だったけど、2-1で順当に勝利。

ただ、この試合の戦いぶりでは、中国に勝てても、
主力組が多い韓国に勝てるかと言われると厳しいと思う。

土曜日に対戦する香港との試合も含め、
可能な限り連携を高めて来週の水曜日の試合に臨みたいところやね。

新戦力を試す意味合いの強い大会にも関わらず、交代枠を余らせるあたり、
本当に連携を向上させる気があるのかわからないのが不安だけども。

中国12日本
’29 鈴木武蔵
’70 三浦弦太
’90 董学升