【全国高校サッカー選手権大会 準々決勝 帝京長岡vs仙台育英】第一試合の影になんて隠れてはいない

見たことあるような無いような両校

第一試合の青森山田vs昌平が、今大会ベストと称されるほどの好ゲームだったにも関わらず、
あえて第二試合の帝京長岡vs仙台育英をブログで取り上げるなんて、
我ながらひねくれていると思う。

今大会はAブロックの試合ばかりを観戦していたので、
Bブロックに所属していた両校はともに初見。

ただ、帝京長岡と長崎総科大附属の試合を前回大会で観戦していて、
その時の印象は、フットサル仕込みの足技にショートパスを織り交ぜた、
テクニカルで面白いチームだなというものだった。

仙台育英の試合は前々回大会で米子北との試合を観戦しているけど、
その時のメンバーは誰も残っていないのでさすがに情報無し。

ただ、メンバー表を見る限り、中盤から前のポジションは1、2年生中心なので、
勢いがあって粗削りなチームなのかなという先入観を持ってこの試合を見始めた。

疑惑の先制点

Bブロックを勝ち上がってきた両校の対戦はいきなり動く。

キックオフの笛の余韻が残る中、帝京長岡が仙台育英の右サイドを崩すと、
深い位置から10番晴山が折り返し、中で待っていた14番谷内田が合わせ、
試合開始30秒少々でいきなり帝京長岡が先制に成功。

ただ、この場面、晴山がクロスを上げる前に、
明らかにボールがゴールラインを割っているように見え、
仙台育英にとっては気の毒な失点だった。

ゴール前が混戦だったので線審から見えづらかったのかもしれないけど、3年生は、
この試合を自身のサッカー人生の集大成と位置付けている選手も多いと察するので、
そんな重要な試合で、このようなつまらない誤審は無くして欲しいものだね。

ただ、この得点に絡んだ晴山と谷内田は、前者が町田、後者が京都と、
どちらもJ内定組ということもあって、さすがのボールコントロールを随所に見せていた。

技術があっても成功するとは限らないのがプロの世界だけど、
2人にはその華麗なテクニックをJのピッチでも披露して欲しいと思ったね。

前回大会より大人になった帝京長岡

1点ビハインドになった仙台育英は、
前線から激しくプレスを掛け、帝京長岡ゴールに迫るものの、
ラストパスの精度を欠き、決定機らしい決定機はなかなか作れなかった。

球際もハードに戦っていて、アグレッシブなチームだという印象を持ったのだけど、
1、2年生が中心であるが故の未熟さは隠しきれなかったね。

対する帝京長岡は、仙台育英の激しいプレスの前に、
思うように攻撃が組み立てられずに苦労していた。

ただ、パスサッカーを志向するチームは、
「自分たちのサッカー」にこだわって自滅するチームが多いけど、
帝京長岡は、後ろから繋ぐのが難しいと判断すると、
ショートパスにこだわらずに長いボールを使って攻めていたし、
柔軟な戦い方も出来るんだなと好印象を持ったね。

誤審によるゴールが勝敗を分けてしまったのは、重ね重ね残念だったけど、
帝京長岡は4日間で3試合目、仙台育英は6日間で4試合目と、
過密日程で疲労もピークな状態の中、
お互いに最後まで死力を尽くして走った好ゲームだったと思う。

新しい歴史を刻むうえで高すぎるハードル

新潟県勢初の選手権ベスト4に進出した帝京長岡の次戦の対戦相手は青森山田。

前回大会の王者でも過密日程による影響は大きかったのか、
昌平に苦戦を強いられてしまったけど、準決勝まで中5日空くということもあって、
11日の埼玉スタジアムでは絶対王者の万全な姿をお目にかかることが出来そう。

そんな青森山田相手に勝つことは至難の業だと思うけど、
5日間の休息で連戦の疲れを癒し、
富山第一や星稜も属するプリンスリーグ北信越を制した実力を見せて欲しいと思う。

帝京長岡10仙台育英
’1 谷内田哲平