【ゼロックススーパーカップ 横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸】PK戦よりゴールが決まる90分てとはいかに?

蹴春は訪れないゼロックス

かつてのゼロックススーパーカップの位置付けは、
春の訪れを告げるものだったと思うのだけど、
今年のゼロックスは今冬最大の寒波が日本列島に訪れている中での開催ということで、
春めいた要素はどこにもなかったんじゃないだろうか。

ACLのプレーオフ等の絡みで、年々、開幕の時期が早まるに伴い、
ゼロックスの開催時期も早まっているにも関わらず、
天皇杯の決勝はこれまでの慣習に倣い1月1日で固定されている。

さらに今年に限って言えば、夏に東京でのオリンピックを控えていることで、
リーグの開幕が1週間早まっているから、
余計に、天皇杯を勝ち進んだことによって短くなるオフというのが顕著になっている。

もう既に議論され尽くしている感はあるけど、
天皇杯の日程も選手ファーストで見直す時期に来ているんじゃないかなと思う。

まだ試運転段階のオナイウの1トップ

前代未聞の9人連続失敗というトピックスがあった
PK戦に全てを持っていかれたところはあるけど、
90分間の試合もなかなか見応えのあるものだったと思う。

前年度リーグ王者のマリノスは、1トップに大分から新加入したオナイウ阿道が入り、
左にエリキ、トップ下にマルコス・ジュニオール、
右に昨年度のJリーグMVPの仲川という前線の顔ぶれだったけど、
あまり機能していないように見受けられた。

昨季のマリノスはエリキ、マルコス・ジュニオール、
マテウス、仲川の4人が、流動的にポジションを入れ替えて、
相手のDFに的を絞らせないような攻撃を見せていたけど、
前半は、中央にオナイウがずっと構えていたので、
流れの中でエリキと仲川がゴール前に顔を出す場面はほとんど見られなかった。

また、マリノスと言えば、サイドバックがピッチの中央にオーバーラップしてくる、
偽サイドバックでもお馴染みだけど、前線の機能不全に引きずられてか、
松原とティーラトンはタッチライン際に留まったままだった。

むしろ、神戸の3バックの一角であるヴェルマーレンのオーバーラップに、
マリノスの守備陣が手を焼いているように見受けられたね。

ハーフタイムにオナイウに代えて遠藤渓太を投入し、エリキを中央に配したところ、
昨季のような流動的な攻撃が復活したことからもわかるように、
まだオナイウの1トップの布陣は試作品段階といったところか。

攻守に充実も日程面のハードルをクリアできるか

マリノスの新加入選手であるオナイウが仕事できなかった一方で、
神戸は新加入のドウグラスがさっそく結果を出したのは好材料。
(まあ、イニエスタのパスが絶品だったのもあるけど)

昨季限りで現役引退したビジャは、試合に出れば結果は残すけど、
故障がちで稼働率はあまり良くなかったし、退団したポドルスキに至っても、
昨季の終盤から“らしさ”を発揮できるようになったけど、
稼働率の悪さはビジャ以上で、ストライカーとしての貢献度も低かった。

また昨季、なかなか最適解が見出せず、
リーグ戦で苦戦する要因にもなった守備陣に関しても、
ダンクレー、大崎、ヴェルマーレンの3バックで固定化できた。

中央の大崎とアンカーのサンペールが若干心許ないけども、
3バックの脇を固める2人はワールドクラスだし、WBの西と酒井高徳も経験豊富な選手なので、
昨季の序盤と比べれば守備面の充実度もグッと上がったと思う。

ドウグラスが万全の状態で1シーズン戦えるのであれば、
今季の神戸はリーグ戦の成績でACLを狙えるだけの力はあるんじゃないかと思うけど、
クラブとして未知の領域であるACLがリーグにどう影響出るかが、
不確定要素になるんじゃないだろうか。

目指せ「世界で一番VARを上手く運用しているリーグ」

ゼロックスと言えば、「その年のJリーグの、
レフェリングの基準になる試合」という側面も持っていると言われるけど、
毎年、シーズンが進むにつれて「今季の基準ってどんなだっけ?」
みたいにあやふやになっていたように思う。

しかしながら、今季からJはVARを採用することもあって、
この試合でも採用されたVARは、例年以上に「今季のレフェリングの基準」
という要素にフォーカスされるものになったわけだけど、
個人的にはこの試合でのVARは非常に良かったと思う。

海外のVARが採用される試合を見ていると、
VARが必要以上に主審の判定に干渉してくる場面が目立つけど、この試合では、
前半23分にドウグラスのヘディングシュートがオフサイドで取り消された場面で、
線審のジャッジの正当性を担保するなど、アシスタントとしての役割を全うしていた。

今季のJリーグでVARがどんな場面で活躍することになるかは知る由も無いけど、
この試合のように主審・線審の判定をサポートするという位置付けで、
上手く運用していければいいなと思います。

横浜F・マリノス33ヴィッセル神戸
      PK()
’27 ドウグラス
’36 マルコス・ジュニオール
’40 古橋享梧
’54 扇原貴宏
’69 山口蛍
’73 エリ