【北中米ワールドカップ グループF1節 オランダvs日本】勝ち点3が手に入ると思っていたオランダの皆さまにおかれましては

ドイツ、スペインの次はオランダだ

PK戦の末に敗れたカタール大会のクロアチア戦から3年半、
日本代表は8度目となるワールドカップの初戦に臨む。

日本が所属するグループFの初戦の相手は、欧州の強豪国・オランダ。

自分のような古いファンにとってワールドカップでのオランダ戦と言えば、
スナイデルの一撃に沈んだ2010年の南アフリカ大会を思い出してしまうけど、
今の日本代表のメンバーで当時の試合に出場していたのは長友だけなので、
オランダのことを特別意識している選手は少ないだろう。

一方、オランダのフェイエノールトでプレーする渡辺剛の話では、
「オランダは日本を舐めている」との話なので、
欧州勢に対して驚異的な相性の良さを誇る日本の力を見せつけて、
時計仕掛けのオレンジの歯車を狂わせてやるとしますかね。

やはりビッグマッチの初戦というのは鈍重なもの

テキサス州ダラスのAT&Tスタジアムのピッチに立った日本代表のスタメンは以下の11人。

先日のアイスランド戦のスタメンからDFラインとボランチは総取っ替えで、
シャドーの位置には前田を起用と、思いのほかメンバーを入れ替えてきた印象。

また、ワールドカップの初戦という重要な一戦でキャプテンマークを巻いたのが、
ガンバ大阪出身の我らが堂安律というのはこの上なく誇らしい。

前田を起用したことから、試合の入りから積極的に前線からプレスに行くのかなと思ったけど、
蓋を開けてみると、ミドルブロックを敷いてオランダの攻撃を待ち受ける日本。

当然、オランダがボールを持つ時間帯が長くなり、
ガクポの左サイドからのカットインからマーレンに強烈なシュートを浴びせられるなど、
いきなりピンチを迎えてしまう。

ただ、この場面だけでなく、オランダの攻撃陣の前に立ちはだかったのは鈴木彩艷。

「やられた!」と思うような場面でも、
何事もなかったようにオランダの選手のシュートを阻む様には、
一昨年のアジアカップで見せていた不安定な姿はもう遠い過去のように感じられたね。

一方の攻撃陣は、上田がオランダの屈強なCB陣を相手にポストプレーで奮闘していたけど、
なかなか前線の3人に良い形でボールが入らず、シュートまで持っていけない展開が続く。
(特に久保が消えている時間が長かったね)

ただ、前半の40分を過ぎた頃ぐらいに、
ようやく敬斗と上田が立て続けにシュートを放つ場面を作れるようになったので、
ハーフタイムでの立て直しに期待といったところか。

シーソーゲームは元の位置に戻って決着

両国とも選手交代なく迎えた後半は、
重苦しい展開が続いていた前半と打って変わって試合展開が激しく動き出す。

堂安のファウルで献上したラインダースのFKは、堂安自ら跳ね返すことに成功したものの、
こぼれ球を拾ったデフリースのクロスからファン・ダイクにヘディングシュートを決められ、
後半5分に先制点を与えてしまう。

ポストを叩いてゴールの中に吸い込まれた際どいコースのシュートは、
さすがの彩艷も防ぐことができなかったね。

強豪のオランダ相手に先制点を奪われたとなると、
一昔前の日本であれば意気消沈してしまっていたところだけど、
カタール大会でドイツとスペイン相手に逆転勝利を飾った今の日本にそれは当てはまらない。

左サイドのポケットを取った久保のリターンを受けた敬斗が、
カットインして右足を振り抜くと、
このシュートはファンヘッケに当たってゴールマウスに吸い込まれ、
後半12分にスコアを振り出しに戻す。

所属のスタッド・ランスが2部に降格したにも関わらず、個人残留に失敗し、
今季も引き続きスタッド・ランスでのプレーを強いられている敬斗だけど、
そんなお世辞にもレベルが高いとは言えない環境でプレーしているにも関わらず、
ワールドカップという大舞台でゴールを決めてみせるなんて、
ガンバ出身の選手として本当に誇らしい気分にさせてくれるね。

ただその7分後に、中央で前田と鎌田をかわしたフラーフェンベルフに食いつき過ぎて、
自身がマークすべきサマーフィルをフリーにしてしまい、
そのサマーフィルに勝ち越しゴールを奪われたのはいただけなかったけども。

再びリードを奪ったオランダは、リスクを犯さずに試合をコントロールし、
後半36分にはインサイドハーフのフラーフェンベルフに代えて、
CBのアケを投入して5バックにするなど、着々と逃げ切り態勢を整えていく。

あのオランダが日本をリスペクトして守備を固めてくるなんて、
それだけでちょっと胸が熱くなるような試合展開だったけど、
そんなオランダ相手に日本が再びスコアを振り出しに戻すのだから堪らない。

横浜FCを退団する時のセレモニーで、
「次にワールドカップでゴールを取るのは自分だ」と言い放った小川の、
有言実行のヘディングシュート・・・かと思ったら、
これは鎌田の頭に当たってコースが変わってゴールに入ったとのことで、鎌田のゴールに。

まあ、正直スコアラーは誰でもいいけど、
鎌田としては思わぬ形でワールドカップのスコアラーの称号を手にしたね。

同点に追いついたことでこの勢いのまま勝ち越し点・・・という感じではなく、
オランダ相手に勝ち点1で御の字とのことなのか、その後はリスクを犯さず試合をクロージング。

日本としては土壇場で勝ち点1を手にし、
対するオランダとしては勝ち点2が指の隙間から零れ落ちていったような試合だったね。

ジェバリのいないチュニジアには何の感情も無い

オランダと引き分けた日本の次の相手はチュニジア。

ただ、そのチュニジアは、日本とオランダの試合が終わってから2時間後に始まった試合で、
スウェーデン相手に5-1と大敗を喫している。

チュニジアの調子が良くないのは明らかなので、
日本としても今大会初勝利を挙げたいところだけど、
ドイツに勝った勢いをそのままにコスタリカ戦に臨んで返り討ちに遭った、
カタール大会の苦い思い出があるので、同じ轍は踏まないようにしたいところ。

チュニジア代表にジェバリが選ばれていたら、
「ジェバリにも頑張ってほしい」なんて思っていたところだけど、
どういうわけかACL2のMVPはラムシ監督のお眼鏡にかなわなかったようなので、
日本の選手たちには心置きなくチュニジアをぶっ倒して欲しいね。

オランダ22日本
’50 フィルジル・ファンダイク
’57 中村敬斗
’64 クリセンシオ・サマーフィル
’88 鎌田大地