【北中米ワールドカップ ラウンド32 ブラジルvs日本】またしても4試合目で潰えた日本の夢
いざ8ヶ月前の飛田給の再現を
ダラスで行われた北中米ワールドカップグループFの3節でスウェーデンと引き分け、
グループF2位でノックアウトステージに進出した日本は、
戦いの舞台をヒューストンに移しブラジルとのラウンド32の一戦に臨んだ。
ワールドカップでのブラジル戦と言えば、4-1というスコアだけでなく、
試合中にGKを交代させるという余裕まで見せつけられて完敗を喫した、
2006年のドイツ大会が脳裏に焼き付いている人も多いだろう。
ただ、あの頃と比べて日本の選手の多くがヨーロッパでプレーするようになり、
昨年10月には親善試合ではあるもののブラジルに勝利するなど、
依然両国に力の差はあるとは言え、その差は確実に縮まっている。
日本サッカーの発展に大きく貢献してくれたブラジルという国にリスペクトを持ちつつ、
ワールドカップ優勝5回を誇る王国の壁を今こそ打ち破りたいところだ。
またしても功を奏した死んだフリ作戦
歴史を塗り替えるべく、テキサス州ヒューストンのNRGスタジアムのピッチに立った、
日本代表のスタメンは以下の11人。

先日のスウェーデン戦から瀬古、板倉、菅原、田中が外れ、冨安、谷口、佐野、伊東が入った。
スウェーデン戦の田中碧のパフォーマンスが素晴らしかったので、
引き続きブラジル戦でもスタメン起用してくるかなと思ったけど、
鎌田と佐野のダブルボランチという組み合わせになったね。
試合は立ち上がりからブラジルがボールを握り、
日本が自陣でブロックを敷いて待ち受けるという試合展開。
一見、日本が一方的に攻められているように見える試合だったけど、
ボールを持たれているというより持たせているという感じで、
マークを受け渡しながら上手く試合を守れていたと思う。
要警戒のヴィニシウスも堂安と冨安のダブルチームで封じ込めていたしね。
カタール大会でドイツやスペインに勝利した試合を踏まえると、
前半は耐えて後半にギアを上げてくるゲームプランなんだろうな思って見ていたけど、
”その時”は思っていたよりも早く、前半のハイドレーションブレイク明けに訪れる。
中盤でダニーロの横パスをカットした佐野がドリブルで前進してシュートを放つと、
地を這うミドルシュートが名手アリソンの指先を掠めてゴールマウス右に突き刺さり、
前半29分に日本が先制に成功。
DAZNでこの試合の実況を担当した桑原学さんの言葉にあったように、
佐野のボックストゥボックスの持ち味が存分に詰まったゴールだったと思う。
日本は先制した後も集中を切らさずに、ブラジルの攻撃を凌ぎ切り、
1点リードでハーフタイムへ。
前半で鎌田と佐野の両ボランチがイエローカードを貰ったのは懸念材料だけど、
申し分の無いと言ってもいい前半だったと思う。
王国の壁はかくも高き
前半と同じ11人を後半のピッチに送り出した森保監督に対し、
前半終了間際に脚を痛めていたルーカス・パケタに代えて、
ハーフタイムでエンドリッキを投入してきた敵将のアンチェロッティ。
また、前半のブラジルはドリブルでのカットインを多用していたけど、
後半からサイドにボールを運んでシンプルにクロスを送るようになるなど、
これまで幾多の修羅場を潜り抜けてきた名将は戦い方も変えてきたね。
日本はこのブラジルの戦術変更はスカウティングに無かったのか、
後半の立ち上がりから何度かピンチを迎えると、
マガリャンイスのクロスをファーサイドで待ち構えていたカゼミーロに頭で決められ、
後半11分にスコアを振り出しに戻されてしまった。
この失点の直前に、クーニャのヘディングを冨安と彩艷が連続ブロックで凌いだ流れから、
カウンターで日本にビッグチャンスが訪れた場面があったけど、
そこで追加点を奪えていればまた違う展開があったんじゃないかと思うと、
決められるところで決めきれなかったのが悔やまれるね。
まあ、失点したとは言えまだ同点なので、
気を取り直して追加点を狙いたいところだったけど、なかなか攻撃に出れない日本。
後半のブラジルのサイド攻撃に対する対応からか、ハイドレーションブレイク前に、
堂安と敬斗に代えて菅原と鈴木淳之介という交代を行ったけど、
守備が得意な2人を投入したことで却って重心が後ろに下がってしまい、
前に出て行けなくなってしまったね。
それでも、何度も迎えるピンチも彩艷の好セーブで凌ぎ、
後半のアディショナルタイムまで漕ぎ着ける事が出来たけど、そこに悪夢が待ち受けていた。
ペナルティエリアの角付近での田中碧の痛恨のロストから、
ギマランイスのパスがマルティネッリに通ると、
マルティネッリのシュートは彩艷が僅かに触れるも枠の外に弾き切れず、
そのままゴールマウスの中に吸い込まれてしまった。
後半アディショナルタイムに入ってすぐに、カゼミーロが負傷交代するアクシデントがあり、
日本の選手たちの中にどことなく延長戦で仕切り直したい雰囲気があったところを、
ブラジルの狡猾な選手たちは見逃してくれなかったね。
試合の最終盤でビハインドを背負うことになった日本は、
前田に代えてパワープレー要員で小川を投入するも、
こんな短い時間で試合に入れるわけもなく、無情のファイナルホイッスル。
史上初のベスト8を目指して臨んだ今大会だったけど、
日本のワールドカップは3大会連続で4試合目で幕を閉じることになってしまった。
方角はそのままで前進を続けるのみ
2006年のドイツ大会でブラジル相手に何もさせてもらえずに完敗したことを思うと、
後半アディショナルタイムまで粘ることができたのは、この20年の大きな進歩かもしれない。
しかしながら、後半はほとんどチャンスを作らせてもらえなかったように、
やはりまだ日本は世界のトップオブトップからは距離があるダークホースなんだなと、
現在地を再認識させられる試合だったように思う。
ただ、多くのアジア勢がグループステージで姿を消す中、
3大会連続でノックアウトステージに進出している日本は確実に前進していると言っていい。
次回の2030年にスペイン、ポルトガル、モロッコで共催される100周年記念大会では、
もうちょっとクジ運に恵まれることを願って(笑)、ベスト8、そしてその先を目指して欲しいね。
ブラジル2ー1日本
’29 佐野海舟
’56 カゼミーロ
’90+6 マルティネッリ










