【北中米ワールドカップ アジア最終予選 オーストラリアvs日本】ゴール前に停められたバスを動かせずに力尽きた若きサムライ
ボーダーラインの選手にとっては消化試合ではない
これまでの経験で言えば、ワールドカップの最終予選でオーストラリアを訪れる時は、
最終予選の大一番というピリピリ感があったけど、
今回の場合、既にワールドカップの出場権を手にしていることもあって、
幾分楽な気持ちで決戦の地・パースに乗り込んだ日本代表。
3年前にシドニーの地でオーストラリアを降し、
カタールワールドカップの出場権獲得の立役者となった三笘や、
堂安、守田、板倉といった常連どころも今回の代表チームの活動には招集されておらず、
結果よりも新戦力や新戦術のテストの位置付けが強い2週間になりそうだ。
とは言え、ワールドカップ本大会のメンバー入りを目指す選手にとっては、
今回のオーストラリアとインドネシアの2試合は、格好のアピールの場なだけに、
好パフォーマンスを見せて森保監督を良い意味で悩ませて欲しいところだ。
この試合の敵も相手のゴール前に停められたバス
最終予選の最終節にサウジアラビアとの大一番を控えるオーストラリアに相対する、
日本代表のスタメン11人は以下の通り。

最終予選に入ってから採用している3-4-2-1の布陣は継続したものの、
鎌田以外はフレッシュな顔ぶれ。
今回の代表招集に賛否両論あった佐野海舟も、
藤田とのダブルボランチでスタメンに名を連ねたね。
昨年10月に埼玉スタジアムで対戦した時は、
ベタ引きのサッカーを志向してきたオーストラリアだけど、
流石にホームでは前に出てくるだろうなと思っていたら、
彼らのゴール前には引き続きバスが停まったまま。
8ヶ月前は、その消極的な戦い方が地元メディアから批判されたみたいだけど、
サンフレッチェ広島でもプレーした敵将のポポヴィッチは、
ホームだからと言ってその姿勢を崩すつもりはないみたいね。
そんなオーストラリアを崩したい日本だけど、
両サイドから俵積田と平河が良い仕掛けを見せる場面はあるものの、
急造チームということもあってか、コンビネーションで崩すような場面は見られず。
時折、左シャドーのポジションに入った鎌田が低い位置まで下がって、
ビルドアップに参加する場面も見られたけど、チャンスには繋がらなかった。
前半の中盤あたりからロングボールを駆使してオーストラリアのDFラインを押し下げ、
中盤の空いたスペースを利用してミドルシュートを放つ場面は作り出したものの、
平河のミドルシュートは枠を捉えられず、結局、スコアレスでハーフタイムに突入。
引いた相手を崩せずにスコアレスドローに終わった、
3月のサウジアラビア戦と同じような様相を呈してきたね。
決められずにいると最後にこうなるという典型的な展開
ゴールを挙げたい日本は、ハーフタイムで町田に代えて瀬古を投入。
ただ、これは前半に町田が脚を痛めた素振りを見せていたことによる大事を取った交代で、
戦術的な変化は無く、前半と同じような試合を見させられることに。
そんな試合展開に飽きたのか、前半はほとんど出番が無かったGKの谷が、
パスミスを犯してピンチを招くなど、誰も望んでいない盛り上げ役を買って出る。
まあ、結果的に失点に繋がらなかったから良かったものの、
この試合の谷のパフォーマンスだと、
鹿島の早川や柏の小島を代表に推す声を払拭するのは難しいだろうなと思ってしまったね。
そんな膠着状況を打破すべく、
森保監督は後半15分に佐野と俵積田に代えて久保と中村敬斗を投入。
その後、ブンデスリーガで二桁ゴールを挙げた町野も投入し、
攻勢を強めた日本だけど、ライアンが守るゴールを割るまでには至らず。
これはこの試合もスコアレスドローかな・・・なんて思っていたら、
試合終盤に日本の守備に一瞬の綻び。
新潟でプレーするゲリアの縦パスに反応したマクグリーが、
瀬古を置き去りにして右サイドの深い位置からグラウンダーでマイナスのクロスを送ると、
このクロスに反応したべヒッチにゴールの枠の外から巻く、見事なシュートを決められ、
後半45分という時間に先制を許してしまった。
その後、アディショナルタイムで追いつきたい日本だったけど、
瀬古とゲリアの頭同士の激突による中断でいたずらに時間が過ぎただけで、
特に何も起こらずに試合終了の笛を聞くことに。
2006年のドイツワールドカップでの敗戦以降、
苦しめられた印象の強いオーストラリアだけど、
日本がオーストラリアに負けるのは16年ぶりなんだとか。
新戦力のアピールは全く無かったとは言えないけど、
サウジアラビア戦に引き続き守りを固めた相手を崩せなかったことに加え、
試合終盤に守備に綻びが生まれたことで、後味の悪い敗戦になってしまったね。
予選の最後は勝って終わるぞ!
一昨年の11月に始まった北米ワールドカップの予選も、来週のインドネシア戦がラスト。
日本としては引き続き消化試合になるけど、
本大会の抽選でのポッド分けで優位に立つためにFIFAランキングを上げておきたいし、
前回のカタールワールドカップの予選は、ベトナムに引き分けて後味の悪い幕引きだったので、
今回は勝利で気持ち良く締めくくりたいところ。
オーストラリア戦で出番が無かった選手たちの奮起にも期待したいところやね。
オーストラリア1ー0日本
’90 アジス・べヒッチ
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