【明治安田J1百年構想リーグ5節 ガンバ大阪vsV・ファーレン長崎】恩返しされつつ勝利を収めるエンターテイナー・ガンバ大阪

2026年3月12日

日程も勝って試合にも勝つ

終盤の名和田のゴールでなんとか引き分けに持ち込んだACL2の準々決勝1stlegから中3日、
ガンバ大阪はホームにV・ファーレン長崎を迎えた。

ACLE出場組は、過密日程を考慮して今週末のリーグ戦は延期になっているのに、
ACL2出場組のガンバは普通にリーグ戦がある状況に文句の一つや二つ言いたくなるけど、
試合当日にそれを言ったところで状況は何も変わらないので、
今考えることは試合にも勝って日程にも勝つことだけ。

今や長崎のエースとして君臨するマテウス・ジェズスとこんな形で再会するとは、
2018年シーズンに彼がガンバに所属していた時は想像も出来なかったけど、
再会にエモーショナルな気持ちになるのもそこそこにして、90分での勝利を目指すのみだ。

JESUSの帰還

清水戦から始まった7連戦の3試合目に臨む青黒のスタメンは以下の11人。

ラマダン真っ最中のジェバリがトップ下のポジションで先発復帰。

ここのところ不調だった初瀬に代えて半田を左SBに回し、右SBに岸本を入れたけど、
昨夏の加入以降スタメンで出場した試合は負けなしの
座敷童子を外す采配が吉と出るか凶と出るか。

試合の入りは、長崎がミドルブロックを敷いてあまり前から出てこなかったので、
後ろの選手には時間があったはずなのに、なぜかビルドアップが安定しないガンバ。

でも、トップ下のジェバリのところではなんだかんだボールが収まるので、
ジェバリを起点に攻撃を仕掛けると、
そのジェバリのスルーパスに抜け出したヒュメットがゴールネットを揺らし、
前半13分にガンバが先制に成功。

これでヒュメットは百年構想リーグで3試合連続ゴールとなったわけだけど、
横志向が強かったポヤトスに比べ、ヴィッシング体制になって縦志向が強まったことで、
この23番のラインブレイクの上手さが生かされているね。

先制したことで主導権を握って試合を進められる・・・と思いきや、
ビハインドになったことで前線から激しくプレスをかけてきた長崎の前に、
配球ミスが続くボランチコンビ。

酷使気味の徳真は疲労が溜まっていると見ることも出来るけど、
安部と徳真に比べてそこまで試合に出ていない美藤にはもうちょっと頑張ってほしいところ。

すると、その徳真が自陣中央でファウルを犯してFKを与えてしまうと、
30mはあろうかという距離をモノともせず、
マテウス・ジェズスに鋭くカーブする強烈なシュートを叩き込まれ、
前半21分に同点に追いつかれてしまう。

かつてガンバのお家芸だった恩返しゴール被弾だけど、
最近あまり無かったな〜、なんて思っていたら、
この長崎のNo10の恩返しはまだ終わっていなかった。

中谷のパスをカットしたノーマン・キャンベルがマテウス・ジェズスに繋ぐと、
左足で東口もノーチャンスのコースに決められ、わずか6分で逆転を許してしまった。

2018年に半年所属しただけなので、そんなに世話した覚えもないのだけど、
自分たちが見つけてきた原石に首を絞められてしまうなんて、皮肉にもほどがあるね。

前半のうちに同点に追いつきたいガンバだけど、その後は良いところ無く、
1点ビハインドでハーフタイムへ。

ディフェンダーの2発で鮮やか逆転

後半に逆転を期すガンバは、前半と同じ11人をピッチへ。

前半、激しいハイプレスでガンバを苦しめた長崎だけど、
高木監督はさすがにあのペースで90分持たないと判断したのか、
後半は前半の序盤のようなミドルブロックを敷く戦い方に戻してきた。

これにより再びガンバがボールを持てるようになると、
連続で続いたCKの流れから徳真が右足であげたクロスに対し、
ファーで中谷が押し込んで、後半6分にスコアを振り出しに戻すことに成功。

手前でジェバリが潰れたところを上手く裏に詰めた形だったけど、
一昨年に何度か見られた、「なぜそこに中谷」を久しぶりに見ることが出来たね。

この勢いで逆転を狙いたいガンバは、
後半17分に徳真と奥抜に代えて安部と今季公式戦初出場となるウェルトンを投入。

まあ、ウェルトンに関してはドリブルに力強さは無く、
イージーなシュートミスも2本あるなど、まだ試運転といったところだけど、
安部に関しては別格のパフォーマンスで、完全にチームを好転させてしまった。

前半あれだけ拾えなかったセカンドボールを次々と回収するばかりか、
目に見えて低調だった相棒の美藤のパフォーマンスが見違えるほど良くなり、
今のガンバは安部柊斗のチームだということを再認識させられることになったね。

後半の早い時間帯からオープンな試合展開になったことで、
その後もガンバにチャンスは訪れたけど、ヒュメットのシュートはクロスバーに嫌われ、
ジェバリのヘディングも後藤にセーブされるなど、逆転のゴールは生まれない。

前半のような勢いはないとは言え、
長崎はまだピッチにマテウス・ジェズスとチアゴ・サンタナを残していることを考えると、
流れが来ている時間帯に得点しておかないとまた痛い目に遭いかねないと思っていたら、
後半38分についに歓喜の瞬間が訪れる。

名和田のCKを照山がクリアし損ねたところを岸本が頭でファーに送ると、
ファーで待ち構えていた半田のシュートは翁長に当たってループシュートのような軌道になり、
そのまま逆サイドのサイドネットへ。

いつもと違うポジションで出場していたので、
ビルドアップの時はちょっとやりにくそうにしていた半田だけど、
守備では完璧な対応を見せつつゴールまで決めてしまうなんて、あなた一体何者なんですか?

その後は、コーナーキープなどで時間を使って試合をクロージング。

後半アディショナルタイムに三浦がヒザを抑えて倒れた時は背筋が凍りついたけど、
大丈夫そうでホッと一安心。

首位のチームとしてタイに向かう

ACLE組の広島と神戸の試合が延期になっているので暫定ではあるけど、
この日の勝利でガンバはJ1百年構想リーグ西地区で首位に浮上。

去年までのレギュレーションだと2勝3分なのに首位という状況は違和感しかないけど、
順位表の一番上にいるのは悪い気はしないので、
ポジティブな気持ちをもってタイ遠征に臨めるのは良いこと。

30度を超えるタイの気候に加え、前の試合から中2日のガンバに対し、
中6日のラーチャブリーと日程面でも不利な対戦になるけど、
日程面の不利を乗り越えてベスト8進出を決めた浦項戦のように、
我らが青黒戦士はタイの地でもきっとやってくれるはずだ。

ガンバ大阪32V・ファーレン長崎
’13 デニス・ヒュメット
’21 マテウスジェズス
’27 マテウスジェズス
’51 中谷進之介
’83 半田陸