【高円宮杯プレミアリーグファイナル 鹿島アントラーズユース vs サンフレッチェ広島FCユース】高校年代の真の王者は俺たちだ
真の高校年代日本一を決める戦い
サッカーに於ける高校年代の日本一を決める大会と言えば、
世間の注目度という観点で答えると半月後に始まる高校サッカー選手権になるだろうけど、
あくまで高校サッカー選手権は高校のサッカー部の大会なので、
クラブユースは含まれていない。
高校のサッカー部とクラブユースがともに参加するリーグ戦・高円宮杯の、
トップカテゴリーであるプレミアリーグEASTと
プレミアリーグWESTの王者が対戦するファイナルこそが、
実力という観点で考える高校年代の日本一を決める大会と言える。
実際、鹿島ユースと広島ユースが相まみえたこの試合は、
高校生の試合とは思えないほどレベルの高い試合だった。
しかし、それほどの意味を持つ大会にも関わらず、
世間の注目度では高校サッカー選手権の足元にも及ばないという現状が、
日本における部活スポーツ人気を裏付けているように思う。
もう少しこの大会の価値を認識してくれる人が増えて欲しいと願っているのだけど、
高校サッカー選手権を主催する日テレのような
大きなメディアがつかないと難しいのかもね。
下部組織では伝統は受け継がれている
この大会を制した広島ユースは、セットプレーで1失点こそしたものの、
終始試合の主導権を握り、鹿島ユースに勝つべくして勝ち、
下部組織の強さを改めて日本のサッカー界に誇示した。
トップチームの話になるが、広島と言えば、現・札幌の監督であるペトロヴィッチと、
現・日本代表監督の森保の政権下でお馴染みだった、
可変式3バックシステムのイメージが強いけど、
今の広島のトップチームは、2017年シーズンでの残留争いの影響を受け、
可変式3バックシステムから脱却し、オーソドックスな4-4-2で戦っている。
しかし、この試合の広島ユースはかつてのトップチームの代名詞である、
可変式3バックで戦っていた。
基本的に下部組織はトップチームに選手を供給することが目的なので、
トップチームと戦い方が異なるのはどうなのかと思うところはあるけど、
これぞ広島のサッカーという戦い方で鹿島ユースを圧倒する様に、
「やっぱり広島と言えば可変式3バックだよな」と再認識させられたね。
“らしさ”は出せず
トップチームにも言えることだけど、鹿島には明確なスタイルと言うものが無くて、
相手の出方に合わせて戦い方を変えるというイメージがある。
おそらくユースも同じコンセプトの下で組織されていると思うのだけど、
この試合では広島ユースの出方に対して、
どのように戦うかという最適解をチームの中で見出せなかった印象を受けた。
また、この手の一発勝負は鹿島の十八番だと思っていたけど、
鹿島のユニフォームを着ているとは言えまだ高校生の選手たちに、
あれだけの勝負強さを求めるのは厳しかったのかもね。
そうは言っても、この試合では結果は出なかったけど、
強者揃いのプレミアリーグEASTを首位で勝ち抜いた実力は、
決してフロックなんかではない。
鹿行地域は首都圏や関西圏に比べて人口が少ないため、
下部組織を運営しようにも才能がある子供を、
どれだけ抱え込めるのかは難しいところがあると思う。
そんな環境でも、絶対数が少ないなりにも才能のある子供を見落とさず、
しっかり育てていることが、近年の鹿島ユースの躍進に繋がっているのではないだろうか。
次は高校のサッカー部の日本一を決める戦い
高円宮杯プレミアリーグファイナルの価値を
多くに人に知ってもらいたいと先述したばかりだけど、
別に自分は高校サッカーが嫌いなわけではない。むしろすごく好きだ。
僕は普段ガンバ大阪を応援しているけど、
勝てば嬉しい、負ければ気分が悪いという感情の起伏が存在する反面、
高校サッカーに関してはどちらが勝っても清々しい気分になれるので、
純粋にサッカーというスポーツを楽しむことが出来るのが魅力である。
そんなサッカーというスポーツを純粋に楽しめる大会が開幕するまであと半月。
今から待ち遠しくて仕方がないね。
鹿島アントラーズユース1-2サンフレッチェ広島FCユース
’37 鮎川峻
’53 大堀亮之介
’63 杉山眞仁