【明治安田生命J1リーグ29節 ガンバ大阪vs川崎フロンターレ】両チームの引き分けの多さに納得した土曜の昼下がり

2020年11月1日

マスコミに対してサービス精神旺盛

今節ホームに迎えるのは、Jリーグ2連覇中の川崎。

彼らには「3連覇に向けて残りの試合は1つも勝ち点を落とせない」という、
立派なモチベーションがあるし、来週末のリーグ杯の決勝に向けても、
ガンバを叩いて勢いをつけたいところだろう。

対するガンバは、先週末に唯一獲得の可能性が残っていたリーグ杯で敗退し、
今季の残りの試合は、J1残留を目標に戦うという、
ただでさえもモチベーションを保つのが難しい状況。

そんな折に宇佐美とアデミウソンが負傷したなんて情報まで飛び込んできた。

この手の、対戦相手に出場選手を教えるような情報が、
簡単にメディアに出てしまうのは如何なものかと思うのだけど、
結果的に、相手にボールを握られ、守勢の時間帯が長く続いた試合だったので、
守備意識の低い先述の2人の欠場はガンバにとって功を奏したようにも思う。

試合を難しくした先制点

ここ最近の試合で2トップを組んでいた宇佐美とアデミウソンの欠場により、
どんな布陣になるのか興味深かったのだけど、3バックと中盤の構成はそのままにして、
渡邉千真を1トップで起用し、セカンドストライカーに小野瀬を配する、
3-5-1-1のような布陣だった。

メンバー表を見る限り、4バックの可能性も考えられただけに、
川崎の選手たちはガンバの布陣を把握するのに時間が掛かっていたようで、
試合が落ち着かない早い時間帯に、渡邉千真のゴールで先制点を挙げることが出来た。

小野瀬のシュートがクロスバーに当たった跳ね返りを押し込むという、
ごっつぁんゴールのようなシュートだったけども、
これまで所属してきたクラブで川崎キラーとして鳴らしていた渡邉千真は、
形はどうあれ、またお得意様相手に仕事をしたね。

ただ、あまりにも早く先制してしまったことで、
残りの時間を、追加点を狙って攻めるのか、1点を守るのかという点で、
チームで意思統一出来ず、却って戦いを難しくしてしまったような気がしなくもない。

実際、1点リードした後は、終始、川崎に自陣に押し込まれる時間帯が続き、
登里の左足のシュートや、レアンドロダミアンのフリーでのヘディングシュートもありで、
よくリードして折り返せたなと思うような前半の戦いだった。

ゴールの代償

前半は川崎の猛攻に耐えていたガンバだったけど、後半に入って瓦解。

後半の早い時間帯にスペランカーの大島に同点ゴールを許すと、
藤春からスサエタへの交代に伴うポジション修正の間に選手の集中が切れてしまい、
その間隙を突いたレアンドロダミアンにゴールを許し、あっさりと逆転されてしまった。

まあ、あれだけ攻められていたら失点するのも時間の問題かなと思っていたけど、
高さがある割に空中戦に弱いキムヨングォンと、
すぐにボールウォッチャーになってマークを見失う三浦はどうにかならないのだろうか。

ただ、後半になってチャンスらしいチャンスは作れていなかったのにも関わらず、
ビハインドの時間はそう長くは続かず、
小野瀬の右サイドからのクロスを倉田がヘディングで合わせ、
試合を振り出しに戻してみせた。

しかしながら、ヘディングの際に倉田の頭と登里の頭が激突し、
倉田は同点ゴールを置き土産に気を失って負傷退場してしまった。

登里も悪気は無かったんだろうけど、競りに行くタイミングが遅れて、
倉田の視野の外からアフター気味に頭突きするようなプレーになってしまったので、
最低でもイエローカードは出すべきだったんじゃないだろうか。

とにかく今は倉田が大事に至らないことを祈りたいね。

川崎の右サイドが阿部だったら勝ち点は取れてないと思うの

その後も川崎に攻め込まれる時間帯が続いたものの、
元ガンバの選手でもある昨季のJリーグMVP様が、
うだつのあがらない古巣に情けをかけるかのように
シュートを外しまくってくれたおかげで、これ以上の失点は許さず、ドローで決着。

決めるところで決め切れない、守るところで守り切れない、
ドローが多い今季の両チームの戦いを象徴するかのような試合だったと思う。

来週はリーグ杯の決勝なので試合が無く、次戦は再来週のアウェイの湘南戦。

曺キジェ前監督のパワハラ問題が世に出てから、
チームとしてのパフォーマンスを落としている湘南だけど、
だからと言って情けをかける義理は無いので、確実に勝ち点3を獲得したいところ。

前節の札幌戦での5得点が効いたのか、勝ち点で並んだチームを得失点差で抜き去り、
不甲斐ない試合を続けながらも、なんだかんだ9位まで浮上してきたので、
ここまで来たら欲を出して1つでも上の順位を目指したいね。

ガンバ大阪22川崎フロンターレ
‘5 渡邉千真
’51 大島僚太
’63 レアンドロダミアン
’65 倉田秋