【明治安田J1リーグ20節 鹿島アントラーズvsガンバ大阪】ここでリスクを冒す必要はないということ
2014年の再現なるか
2024年のJ1リーグの分水嶺と言ってもいい3連戦の初戦で、
ヴィッセル神戸相手にホームで勝利で飾った我らがガンバ大阪は、
中3日で鹿島アントラーズとのアウェイゲームを迎えた。
最後にアウェイで鹿島に勝ったのは2016年と、すこぶる相性は悪いけど、
そもそも多くのサポーターの無念が渦巻く鹿島の地を得意としているチームなんて、
せいぜい川崎フロンターレぐらいだろう。
ただ、前回J1で優勝した2014年シーズンは、
アウェイの鹿島戦での勝利がターニングポイントになったように、
この難しい試合で望んでいた結果が得られれば、さらにチームに勢いがつくことは間違いない。
なぜ失点しなかったのか不思議な前半
2試合連続ドロー中で勝ちに飢えている鹿島と対峙するにあたり、
ポヤトスがチョイスした青黒のスタメン11人は以下の通り。
前節の神戸戦のスタメンからダワンと山田が外れ、ネタ・ラヴィと坂本が入った。
負傷によりベンチにも入らなかった山田の代わりは、
倉田か岸本のどちらかかなと思っていたけど、唐山が入ったね。
4-2-3-1の頂点のポジションの選手がピッチのいたるところに顔を出し、
チャンスメイクを行うという共通点を持つ両チーム。
そんなフリーマンの動きがチームに好パフォーマンスをもたらしていたのは鹿島の方で、
鈴木優磨がいつものようにオラついてガニ股でピッチを走り回りながら、
憎たらしいほどアイデア溢れるパスで鹿島の決定機を作り出していた。
中谷や一森が最後のところで鹿島の攻撃陣に仕事をさせず、
なんとか失点せずに持ちこたえていたけど、
少しでも気を緩めるとやられそうな雰囲気はひしひしと感じていた。
ただ、それにも関わらず、坂本が早い時間帯に余計なイエローカードをもらったり、
ウェルトンの不用意なバックパスを福岡が不用意にトラップしてしまい、
ペナルティエリア内でのボールロストからあわや失点の場面を作られるなど、
どことなく集中しきれていない場面が散見されていた。
攻撃面では、宇佐美のフリーマンの動きに加え、
半田のアンダーラップを多用して鹿島の守備をこじ開けようとはしていたけど、
ガンバにボールを持たせて自陣でブロックを作って待ち構える鹿島の前に、
ガンバのストロングポイントである両ウイングは大好物のスペースを見つけ出せず沈黙。
結果的にスコアレスで前半を折り返すことが出来たけど、
高いボール支配率の割にはほとんどチャンスを作り出せず、
まるでいいところが無かったなという印象の前半だった。
この試合の勝ち点1の価値がわかるのは秋になってから
お互いにハーフタイムでの選手交代は無く迎えた後半。
ガンバは、前半に比べて中谷と福岡が持ち上がる場面が増え、
それによって半田と黒川が高い位置を取れるようになったものの、
試合の流れが変わるまでには至らず。
ただそんな折、鹿島のCKのカウンターから、
ネタ・ラヴィのパスを受けたウェルトンがドリブルで持ち運ぶも、
名古のスライディングに阻まれてしまう。
一見、名古が上手く対応したように見えたけど、
VTRで見ると名古の足はボールに触れておらず、
ウェルトンの足を引っ掛けるような形になっていたので、
PKを取ってもらいたいところではあったね。
Jリーグの審判交流プログラムで派遣されてくる審判って優秀な人が多い印象があったけど、
この試合の主審を務めたイングランド人のイングランドさんは、
ウェルトンが名古に倒された場面以外にも、
パスコースを塞ぐようなポジショニングを取っていることも多くて、
Jリーグの審判とさほど変わらないクオリティだったように思う。
その後も一進一退の攻防が続き、
鹿島は途中出場の藤井がガンバの右サイドをスピードで陥れれば、
ガンバはファン・アラーノが古巣相手にゴールを狙う。
前半からガンバがボールを持つ時間が長かったせいか、
鹿島の選手たちを走らせることが出来ていたようで、
後半30分ぐらいから鹿島の選手の足が止まりはじめ、
鹿島陣内でガンバが試合を進める時間が増えていく。
しかしながら、ジェバリやファン・アラーノが、
良い形でペナルティエリア内に進入する場面はあったものの、
最後までどちらのゴールネットも揺れることなくスコアレスドロー決着。
同じ時間に行われていた神戸と町田の試合もスコアレスドローに終わったので、
上位4チームの勝ち点差はそのままということになったね。
順位を争うライバルを直接叩けなかったのはもったいなかったけど、
勝てる試合を落としたという感じの試合ではなかったので、
中3日のアウェイの鹿島という難しい状況を考えれば、
合格点をあげてもいい試合だったんじゃないだろうか。
アウェイで得た1ptを無駄にしないためにもホームでは3ptを
今季のJ1を占う3連戦の最後を飾るのは、ホームでの町田戦。
今年の2月に野津田で昇格組の町田に苦戦を強いられた時は、
今季のガンバも苦しいシーズンになりそうだなと思ったものだけど、
町田が首位、ガンバが3位という現在の状況を考えると、
野津田で見たのは弱いガンバではなく強い町田だったってことなんだな。
あれから4ヶ月、今度はパナスタで町田のサポーターに強いガンバを見てもらって、
他会場の結果次第ではあるけど、あわよくば首位浮上といこうじゃありませんか。
と、言うわけで、おそらく次の試合も町田のゴールマウスを守るであろう谷には、
ホームチームに華を持たせて大人しくしてもいてもらいたいね。
鹿島アントラーズ0−0ガンバ大阪