【天皇杯2回戦 ガンバ大阪vsカマタマーレ讃岐】ジャイアントキリング、ダメ、ゼッタイ
まだ7月なのに元日の国立を目指す戦いが始まる
事前の報道では、この試合にベストメンバーで臨む旨の発言をしていた宮本監督だけど、
蓋を開けてみると直近の松本戦から6人メンバーを変更。
先月の鹿島戦で故障した小野瀬の右WB起用や、後半から採用した3-4-2-1の布陣など、
天皇杯のこの段階だからこそできる実験要素の強い選手起用が見られたけど、
その中でも一番印象的だったのが、一度試して上手くいかなかったコンチャの左WBと、
福田のインサイドハーフを再び試したこと。
試合中、流れの中から2人が頻繁にポジションを入れ替えていたように、
2人のポジションは逆の方が良いように思えるのだけど、
宮本監督はあくまで2人には先述のポジションで頑張って欲しいと思っているのだろうか。
まあ、福田に関しては、今でこそWBで起用されているものの、
東福岡時代は4-1-4-1のインサイドハーフの選手だったので、
慣れれば3-5-2のインサイドハーフもできるだろうけど、
コンチャに関しては、右サイドハーフかトップ下の選手だと思うので、
今の3-5-2の布陣だと適性ポジションが無いように思える。
このままだと「YOUは何しに日本へ?!」みたいになりかねないので、
せっかくガンバに入団したのも何かの縁だし、
居場所を見つけて活躍して欲しいと思っているのだけども。
中村敬斗の進化の軌跡
FW4人で7得点を挙げたこの試合に於いて、
ハットトリックを達成した中村敬斗に触れないわけにはいかないだろう。
ここ数試合、スタメンで出場する機会が増えている中村だけど、
左WBというポジションが適性かどうかは疑問符が付く。
以前よりもハードワーク出来るようになったとは言え、
守備にパワーを割く必要があるWBというポジションで起用されていることで、
アタッキングサードでのクオリティが下がっているように見受けられたからね。
先日のU-20W杯の韓国戦で決定機にゴールを決めきれず、
敗退の戦犯となってしまった中村だけど、本来はシュートに持ち味のある選手。
食野との2トップで出場したこの試合では、
必要以上に守備にパワーを割かれることも無く、
本来のストロングポイントであるシュートセンスを遺憾なく発揮してくれた。
抑えた弾道でゴール左隅へ強烈なシュートを突き刺した1点目、
GKの肩口を抜いてニアの天井へ突き刺した2点目、
GKが前に出ていると見るや、やや浮かせた弾道のシュートを選択した3点目。
どれも見事なものだった。
宮本監督の事だから、結果を残した選手には継続的にチャンスが与えられると思うので、
それらのチャンスをモノにして大きく成長していって欲しいと思う。
惜しむらくは、讃岐の直接FKの場面で壁に入った際に、
キッカーに対して背中を向けてしまったことで、
シュートが中村の背中に当たってコースが変わり、
この試合唯一の失点に繋がってしまった点。
せっかくハットトリックを決めた試合なのに、画竜点睛を欠いて、
諸手を挙げて称賛できなくした点に関しては反省を促したいね。
元日の国立を目指す戦いは特別なもの
ガンバ大阪のユニフォームの左胸のエンブレムの上には9つの星が輝いているけど、
そのうちの4つは賜杯を手にして得たものであるということを思うと、
この天皇杯というタイトルに対して、
非常に強い思い入れを持っているガンバサポーターは僕だけじゃないはずだ。
それだけに、選手の見極めというコンセプトのもと、
ベストメンバーをピッチに送り出したにも関わらず、
関西学院大学にジャイアントキリングを味わった昨季の天皇杯は、
屈辱的な敗戦の1つとしてガンバのクラブ史に刻まれることになってしまった。
この日、讃岐相手に挙げた大勝は、
昨季の天皇杯での苦い記憶を払拭できたかもしれないけど、
これで満足というわけにはいかない。
天皇杯にガンバありということを再び証明するためにも、
新国立競技場のこけら落としになる予定の2020年の元日のピッチで、
我らが三浦弦太に賜杯を掲げて欲しいね。
ただ、天皇杯を勝ち進んだところで残留争いに巻き込まれたら元も子もないので、
この試合の大勝で得た良い流れで、
週末の飛田給での試合も頑張ってくれるとありがたいです。
ガンバ大阪7-1カマタマーレ讃岐
’10 中村敬斗
’14 中村敬斗
’24 食野亮太郎
’40 荒堀謙次
’75 髙木彰人
’79 中村敬斗
’82 髙木彰人
‘90+4 アデミウソン