明治安田生命J1リーグ37節 川崎フロンターレvsガンバ大阪】終わってみれば分相応のスコア
あれはまだ無冠の帝王だった頃の話
我らがガンバ大阪の今節の対戦相手は2021年のJ1リーグチャンピオンである川崎フロンターレ。
既にガンバは今季のJ1残留を決めているので、
お互いに消化試合という位置付けの試合ではあるけど、
この試合は川崎にとって2021年のリーグホーム最終戦。
2016年の最終節でガンバが川崎と等々力で対戦した時は、2−0で川崎がリードする展開から、
ガンバが後半だけで3点取って逆転勝利を収めたなんてこともあったけど、
川崎にそんな可愛げがあった頃も今となっては遠い昔の話。
ここ5年で4度の優勝を誇る絶対王者は、
ホームに詰めかけた観客に歓喜をもたらすべく全力で勝利を目指して来るはずだ。
ただ、そうは言っても、ガンバも黙ってやられるわけにはいかないので、
2016年の最終節を再現するぐらいの気概でこの試合に臨んで欲しいと思う。
一体何点取られるんだ…から立て直す
2021年のJ1王者とのアウェイゲームに挑んだガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。
累積警告で出場停止の倉田に代えて左MFに福田を起用し、
さらに三浦を外し昌子を右のCBで起用してきた。
三浦は前節の名古屋戦で相馬とのマッチアップにだいぶ手を焼いていたので、
スタメン落ちもやむなしかなと思うけど、昌子は左CBの選手なので、
前節三浦が入っていたところにそのまま昌子を入れるんじゃなくて、
菅沼と左右を入れ替えた方がよかったんじゃないだろうか。
そんなことを思っていたら、ガンバの左サイドから山根に低いクロスを上げられると、
中央で昌子がレアンドロ・ダミアンのマークを外してしまい、前半7分にあっさり失点。
さらに、その2分後にも同じサイドからのクロスを起点に旗手に決められ、
試合が始まって10分も経たないうちに2点ビハインドを背負うことになってしまった。
前に食いつきすぎて裏のスペースを突かれてしまった前節の名古屋戦を教訓にして、
この試合では守備時にコンパクトな4−4のブロックをしっかり作ろうという意図が見えたけど、
その反面、ボールホルダーに対する寄せが甘かったね。
ただ、2失点して目が覚めたのか、その後はボールホルダーに厳しく寄せるようになったし、
宇佐美が個人技から1点返したことで、
ひとまずやられっぱなしの展開から脱却する事は出来たと思う。
それにしても、宇佐美のこんなゴールは久しぶりに見たね。
ドリブルのコースに入った谷口を、股抜きで交わした場面は鳥肌が立ったわ。
ただ、ガンバが1点返した後の川崎の戦いぶりは彼ら本来のものではなかったので、
前半のうちに同点に追いつきたかったけど、
結局、1点ビハインドでハーフタイムへ迎えたのはガンバにとって痛かったね。
見せつけられた監督としての格の違い
1点ビハインドを跳ね返すべく迎えた後半。
前半から山根との1対1に手を焼いていた福田が、
左サイドからのカットインから速いクロスを上げると、
中央で合わせた宇佐美のヘディングは惜しくもクロスバーに阻まれてしまった。
試合の主導権を握っているのは川崎だけど、
ガンバも弱者の戦い方でチャンスは作っていると思っていたのだけど、
そんな試合の流れを変えたのは選手交代。
先に動いたのは鬼木監督で、マルシーニョに代えて大島を投入し、
ラストパスを出せる選手をピッチに増やしてきた。
対する松波監督は福田に代えて9月の仙台戦以来の戦線復帰となる小野、
さらに柳澤と小野瀬に代えて三浦とウェリントン・シルバを投入するも、
効果的な交代にはならなかった。
特によくわからなかったのは三浦の投入で、
てっきり3バックに布陣変更するのかと思ってたら、
布陣はそのままで柳澤と同じ右SBに入っていた。
この試合の柳澤は特別良いとは思わなかったけど、
攻撃面で目を瞑らなければいけない三浦の右SBを、
1点ビハインドの状況で採用したのは理解に苦しんだね。
案の定、選手交代でブーストがかかったのは川崎で、
小林のスルーパスを受けた山根にクロスを上げられると、
ニアサイドでレアンドロ・ダミアンに合わされて失点。
さらに後半アディショナルタイムには、
CKから車屋にヘディングシュートを決められ、ジ・エンド。
良い試合をしている時間帯もあったけど、終わってみれば4−1の完敗だったね。
望まぬ形での邂逅
2021年シーズンも次節のホーム湘南戦が最終節。
湘南は、先日、ブラジル人選手のオリベイラが急逝するという悲劇に見舞われた上、
今節の徳島戦で敗北を喫し、残留争いで後がない状態で吹田に乗り込んで来る。
ガンバのレジェンドである山口智監督が率いるチームと、
このような形で対戦するのは本望ではないけど、
かと言って同情して手を抜くのもプロとして失礼な話。
12月4日は、ホーム最終戦に訪れたサポーターに良い気持ちで帰路に就いてもらえるように、
勝ち点3を目指してハードワークして欲しいと思う。
川崎フロンターレ4−1ガンバ大阪
’7 レアンドロ・ダミアン
’9 旗手怜央
’17 宇佐美貴史
’85 レアンドロ・ダミアン
’90+4 車屋紳太郎