【YBCルヴァンカッププライムステージ準決勝2ndleg 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪】決勝のピッチに相応しかったのは札幌だったということ

2020年11月1日

台風一過

この3連休はリーグ杯の準決勝2ndleg参戦に絡めて札幌で過ごす予定だったのだけど、
日本列島を襲った台風19号の影響で飛行機が欠航になってしまい、
泣く泣く東京のスポーツバーで観戦。

週末を狙っているかのように悪天候になる今年の天気に、
恨み節の一つや二つも言いたくなるところだけど、各地に台風の爪痕が残る中、
愛するクラブの戦いに一喜一憂出来る自分は幸せなのかもしれない。

痛恨の背番号33の負傷交代

アウェイでの1stlegを1−2で落としたことで、
決勝に勝ち上がるためには得点が必要な札幌が、
序盤から前がかりに出てくるのはある程度予想出来たこと。

対するガンバは、積極的に前からボールを奪いに行くことはせず、
自陣に札幌の選手を引き込んで、ブロックを敷いた守備でボールを奪い、
手薄になった札幌の守備陣をカウンターで攻略するという戦い方で相対した。

この戦い方を消極的と見る人もいるだろうけど、
ボールポゼッションに秀でたペトロヴィッチのチームを相手に、
真っ向から打ち合いを挑むなんて思うツボなので、
宮本監督がカウンター狙いという戦術を採用したこと自体は納得出来る。

実際、札幌の前からのプレスを剥がすのに苦労していたけど、
少ないながらも決定機を作ることは出来ていた。

ただ、宮本監督にとって誤算だったのが、前半34分に宇佐美が負傷したことで、
前線と中盤を繋ぐリンクマンがピッチからいなくなってしまったこと。

アデミウソンも宇佐美との交代で入ったパトリックも、
裏抜けで勝負するタイプなので、中盤と前線が分断されてしまい、
2トップが前線で孤立するようになってしまった。

この状況を受け、アデミウソンが中盤に下がってボールを受ける場面も見られたけど、
周囲の選手たちとパスを出すタイミングが合わず、
どこか攻撃がちぐはぐになっている感じは否めなかったね。

仕事をしたのは赤黒のナンバー9

この試合は、前半から札幌が試合の主導権を握っていたのだけど、
それにも関わらず、ガンバが失点せずに試合を進めることが出来ていたのは、
ひとえに、何度も札幌に訪れる決定機を鈴木武蔵が決め切れずにいたから。

このまま試合終了まで大人しくしていてくれればいいなと思っていたのだけど、
そんな僕の願いは叶わず、後半31分、菅沼の股の下を抜けた弾丸ミドルは、
東口の守るゴールに突き刺さってしまった。

FWというポジションは「10本シュートミスしても1本決めれば英雄になれる」と、
言われることもあるポジションだけど、
この試合での札幌の背番号9のプレーはまさにその言葉を体現していた。

反対に、この試合でのガンバの背番号9はどうだっただろうか。

終始、守勢を強いられる展開ではあったものの、
この試合でも2度の決定機があったのに、いずれも決め切ることが出来なかった。

アデミウソンは1stlegでも同様に決定機を外しているし、
今回のリーグ杯敗退の戦犯と言われても仕方ないだろうね。

まだ20歳前後の若手選手なら百歩譲って目を瞑ってもいいところだけど、
遠藤と並んでチーム1,2を争う高給取りの助っ人外国人選手が、
このような不安定なプレーを続けているようでは、
今季一杯で切れる契約をどうするかも考えなければいけない。

4年連続の無冠が確定

後半アディショナルタイムにはセットプレーで東口を前線に上げるなど、
なりふり構わず同点ゴールを狙いに行ったけど、
札幌の体を張った守りを崩すことが出来ず、敢え無く敗戦。

個人的には、試合会場が相性の悪い厚別から相性の良い札幌ドームに変わったことで、
ワンチャンあるかなと思っていたのだけど、
残念ながら今季もタイトルレースを傍観者として過ごすことが決定してしまった。

まあ、今季のガンバの戦いぶりを見ていれば、
タイトルなんて口にするのはおこがましいのは重々承知しているので、
来季は胸を張って10個目の星を狙いに行けるように、
まずは今季のリーグ戦で残留を決めないとね。

また、10月26日の埼玉スタジアムでの試合の後は、
是非、宮澤主将にカップを掲げてもらいたい。

長い間J1とJ2を行ったり来たりしていたクラブだけど、
熱心にサポートを続けている人たちも数多くいるので、
そろそろ彼らにもユニフォームのエンブレムの上に星をつける資格はあるはずだ。

北海道コンサドーレ札幌10ガンバ大阪
’76 鈴木武蔵