明治安田生命J1リーグ38節 ガンバ大阪vs湘南ベルマーレ】今年はこんな試合ばかり見ていたような気がする

情熱のチームリーダーの悲壮な帰還

2021年のJ1リーグも今節が最終節。

我らがガンバ大阪は既にJ1残留を決めているので、この試合に懸けるモチベーションは、
ホーム最終戦を見にスタジアムへ足を運んだサポーターに勝利を届けることぐらいだけど、
対戦相手の湘南は未だ残留争いの渦中にあり、
伸るか反るかという気概で吹田に乗り込んで来ている。

可能であれば湘南には前節までにJ1残留を決めてもらって、
後腐れの無い状態で山口智監督の吹田への帰還に拍手を送りたいところだったけど、
オリベイラの逝去という衝撃的な出来事も重なり、
そんな余裕のある試合ではなくなってしまったね。

ただ、そうは言っても、プロである以上、湘南に同情して手を抜くなんてのは許されないので、
2021年の今のメンバーでプレー出来る最後の試合に全力を注いで欲しいと思う。

今日も吹田のピッチに神はいた

師走の吹田のピッチに送り出された青黒の11人は以下の通り。

メンバーを見て、三浦を右SBで起用する4−4−2かなと思ったのだけど、
蓋を開けてみたら、宮本体制でお馴染みだったアンカーを配した3バック。

おそらく、対戦相手の湘南が同じ布陣を採用しているので、
自分がマークする選手をはっきりとさせるためにミラーゲームにしたのだろう。

ところが、試合が始まると、試合の主導権を握ったのは湘南。

攻撃面ではアンカーの田中聡を中心にパスが回り、
常に高い位置を取る岡本と畑の両WBから大橋とタリクの2トップにクロスが供給されれば、
守備面ではボールロストしてからの攻から守への切り替えが早く、
すぐにガンバの選手を取り囲んで即時奪回を狙う。

前半に訪れたガンバの決定機らしい決定機は、
宇佐美のFKから三浦がヘディングシュートを放った1本ぐらいで、
湘南には前半だけで12本もシュートを打たれてしまった。

ところが、そんな湘南の攻撃陣の前に立ち塞がったのは我らが守護神・東口順昭。

大橋にフリーでヘディングシュートを打たれる場面が2度訪れたものの、
それを驚異的な反射神経で2度ともゴールの外に弾き出し、失点を防いでみせた。

湘南で谷がプレーしている姿を見て、
将来、ガンバのゴールを守って欲しいなぁなんて思う時もあるけど、
こんな凄まじいセービングを見せられたら、
東口の代わりに谷を使えだなんて口が裂けても言えないわな。

必至だった苦戦の果て

低調なパフォーマンスが続くガンバに対し、
松波監督は前半途中から布陣を4−4−2に変更したり、
後半頭から福田を投入したりと手は打つも、試合の流れを変えるまでには至らず。

後半5分に、宇佐美がゴールまで30mはあろうかという距離から、
意表を突いたロングシュートを放ち、クロスバーに阻まれるという場面があったけど、
この場面が、この試合でガンバが最も湘南のゴールに近づいた瞬間だったように思う。

その後、お互いに選手交代をしながら勝機を探っていたけど、
結局、試合は最後まで動かずスコアレスドロー。

徳島がホームで広島に敗れたことで、湘南のJ1残留が決まり、
ホーム最終戦セレモニーの前に、アウェイチームの悲しい瞬間に立ち会わずに済んだのは、
正直ホッとしているけど、「ガンバより下位の湘南相手に何こんな情けない試合しとんねん」
って不満を持っている人も多いと思う。

ただ、ガンバから湘南にレンタルされている谷目当てで、
湘南の試合はDAZNでたまに見るのだけど、
川崎やマリノスといった上位チーム相手にも結構良い試合をしているので、
ガンバが苦しい試合を強いられても何も不思議なことはないんよね。

しかしながら、湘南にはチャンスを作ってもそれを決められる選手がおらず、
結局カウンターや自分たちのミスが原因で先に失点して負けるという試合が多くて、
それが積み重なった結果、残留争いに巻き込まれたのかなと思う。

まあ、そうは言っても、決定力ってクラブの資金力の差が如実に出るところなので、
資金力に乏しいクラブにはなかなか解決するのが難しい問題ではあるのだけども。

ただ、山口監督が湘南でやっているサッカーって、
宮本前監督がガンバでやろうとしたサッカーと同じものだと思うのだけど、
ガンバも3年近く同じサッカーに取り組んでいたはずなのに、
まだこのサッカーを始めて半年の湘南の方が形になっているのは一体なぜなんだろうか。

さようなら2021年シーズン

クラブ創設30周年という大きな節目だった2021年シーズン。

新型コロナウイルスのクラスターが発生してチーム活動休止に追い込まれ、
そのチーム活動休止期間中に消化できなかった試合をこなすため、
夏場に過酷な連戦を強いられるというエクスキューズはあったにせよ、
J1リーグで13位、ACL、ルヴァンカップ、天皇杯でも早々に敗退するという結果は、
物足りないと言わざるを得ない。

2012年の時と同様に、
火中の栗を拾わされるような形で監督に就任した松波監督には同情するところもあるけど、
またシーズン途中からこの人がベンチにいる姿を見なくても済むように、
このオフはクラブを挙げて来季に向けた準備をしっかりと行って欲しいと思う。

先月ぐらいから入団/退団に関するニュースが増え、
来季の陣容がぼんやりと見えてきつつあるけど、
どんなメンバーで戦うにせよ、2022年シーズンは、新たなエンブレムのもと、
ここ数年の鬱屈した気持ちが晴れるような1年になればいいなと思います。

ガンバ大阪00湘南ベルマーレ