【明治安田J1リーグ15節 浦和レッズvsガンバ大阪】ついに克服したスコルジャアレルギー

2025年5月7日

赤く染まった浦和美園に沈黙を

前半だけで4得点を挙げるゴールラッシュでホームで湘南を降したガンバ大阪は、
中2日で埼玉スタジアムに乗り込んだ。

川崎がACL決勝でアル・アハリに敗れたことで、
25-26シーズンのACL2参戦が決定したガンバだけど、
秋から始まるACL2のことは一旦頭の隅に置いておいて、
今はリーグ戦で少しでも上にいけるように一戦一戦大事に戦いたいところ。

今節の対戦相手の浦和は9年ぶりの5連勝中と絶好調だけど、
2008年のACL準決勝や2014年のリーグ32節など、
ガンバには浦和が上手くいっている時に水を差してきた歴史がある。

大型連休最終日で埼玉スタジアムには多くの浦和サポーターが詰めかけると予想されるので、
今回もイケイケ状態の相手に思いっきり冷や水を浴びせて、
赤く染まったスタジアムを静まり返らせてやろうじゃないか。

代役の守護神に阻まれた先手必勝

季節が逆戻りしたかのような冷たい雨が打ちつける埼玉スタジアムのピッチに、
ポヤトスが送り出したスタメン11人は以下の通り。

前節のスタメンからファン・アラーノと岸本が外れて山下と食野が入ったことで、
結果的に前々節の京都戦と同じスタメンに。

来日3シーズン目にも関わらずネタ・ラヴィの浦和戦初出場は今回もお預けで、
ここまで来るとラヴィには浦和戦に出場してはいけないという
裏契約のようなものが存在するのでは?と勘繰ってしまうね。

試合はいきなり浦和にアクシデント発生。

右サイドからあがった宇佐美のクロスを処理する際に、
西川が左脚を痛めてしまい、前半9分という早い時間に牲川と交代に。

接触は無かったので、筋肉系か靭帯かといったあたりかなと思うけど、
西川がピッチを後にする際に、一森が反対側のゴールマウスから声をかけにいった場面は、
敵味方の垣根を越えたハートフルな場面だったね。

ガンバとしては普段リーグ戦に出場していない牲川が出てきたことで、
チャンスと思っていたのだけど、この牲川が思っていた以上に良いGKで、
ヒュメットや宇佐美に寄せられても慌てずに味方に繋げば、
松本のクリアミスを拾った満田のミドルシュートを右手一本で防いだ場面は、
前半のハイライトだったと思う。

この満田のシュートの場面以外にも食野に二度ほど決定機があったものの、
いずれも決めきる事が出来ず、前半は無得点。

守備面では、ガンバのCKから発動されたカウンターを、
山下が驚異のスプリントで帰陣して松尾からボールを奪った場面に象徴されるように、
堅守を誇った昨季を思い出すような熱量の高い守備をチーム全体で見せ、
スコアレスで前半を折り返すことになった。

キャプテンの誕生日にクリーンシートでの3連勝を添えて

お互いにゴールが欲しい後半に歓喜が訪れたのはアウェイチーム。

左のコーナーフラッグを目掛けて蹴ったような福岡のフィードに宇佐美が抜け出すと、
宇佐美のパスを受けた食野の右足でのクロスを、
長沼の死角を突いて逆サイドの大外でフリーになっていた山下がヘディングで決め、
後半8分にガンバが先制に成功。

この試合の山下は相変わらず決定機をモノにできない場面も目についたけど、
前半から再三見せていたホイブラーテンや長沼の背後から抜け出す動きが、
ゴールという形で結実した場面だったね。

先制に成功したとは言え、1点のリードでは心許ないので追加点が欲しいところだったけど、
その後も食野や中谷に決定機が訪れるも、いずれもモノに出来ず浦和を突き放せない。

この状況を打破すべく、関根、荻原、中島の3枚替えを敢行したスコルジャに対し、
ポヤトスは岸本や江川を投入し、守備の強度を上げて応戦。

岸本は前節の湘南戦のヒュメットの先制ゴールの場面で見せたような、
ターゲットマンの役割でビルドアップの出口になっていたし、
終盤に出てきた中野も前線から積極的な守備を見せていたけど、
個人的には、ジェバリを投入してコーナーキープさせた方が、
スマートに時間を使えたんじゃないかという気がしなくもない。

試合の最終盤は防戦一方の試合展開になったけどなんとか耐え凌ぎ、
対スコルジャ6戦目にしてついに初勝利。

試合後には、アウェイゴール裏を埋めたガンバサポーターによる、
バースデーソングが静まり返った埼玉スタジアムに響くという、
宇佐美にとって印象深い33回目の誕生日になったんじゃないだろうか。

次節の主目的は51番の恩返しではなく勝利すること

今節の水曜日の試合が終わっていないので暫定ではあるものの、
順位を5位まで上げたガンバの次節の対戦相手はサンフレッチェ広島。

前節、福岡に勝利を挙げたとは言え、その前の新潟戦までは5連敗を喫するなど、
選手登録のミスによる没収試合でACL2を敗退した余波が続いているのか、
今ひとつ調子の上がらない広島。

そんな広島からガンバにレンタル移籍中という状況にも関わらず、
どういうわけか広島との試合に出場できる契約になっている満田が、
古巣相手にどのようなプレーを見せるかが注目ではある。

とは言え、あまり感傷的な部分に捉われ過ぎず、
今季高い勝率を誇るホームで勝利を挙げ、1人旅を始めつつある鹿島を追撃したいところだ。

浦和レッズ01ガンバ大阪
’53 山下諒也