【明治安田生命J1リーグ7節 京都サンガvsガンバ大阪】待ち人の名はダワン

9年ぶりに続きが書き加えられる歴史

我らがガンバ大阪がJ2を戦っていた2013年以来、9年ぶりに訪れた京都サンガとの対戦。

ガンバは万博、京都は西京極をホームとして戦っていた頃は、
万博の観戦環境の劣悪さを棚上げにして、「スタジアムグルメがまずい」だの、
「大型モニターの画質がファミコン並」だの言って西京極をバカにしていたけど、
そんな過去も遠い昔の話のように思える。

あれから月日が流れ、2016年にガンバの新たなホーム、
市立吹田サッカースタジアムがオープン。

その4年後には京都の新たなホームであるサンガスタジアムがオープンし、
くたびれた陸上競技場をホームとしていた両者は、
今となってはお互いに最新鋭のサッカー専用スタジアムをホームとして戦っている。

そして、サンガスタジアムで迎える京都vsガンバは、この試合が記念すべき1試合目。

これからこの場所にいくつもの青黒と紫の激闘の歴史が刻まれていくことを期待したい。

スペースがあるのはお互い様

水曜日の夜、亀岡のピッチに送り出されたガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

前節の名古屋戦から倉田に代わって石毛が左サイドハーフに入っただけで、
残りの10人は同じ顔ぶれ。

その代わりベンチには坂本一彩や中村仁郎といった若い選手が名を連ねるなど、
ガラッとリザーブの選手を入れ替えてきたね。

キックオフ直後こそいきなりCKから京都にチャンスを作られる場面があったものの、
その後は、前節の名古屋戦で出色のパフォーマンスを見せた、
齊藤とダワンのダブルボランチを軸に徐々にガンバが試合の流れを掴み始める。

ただ、両チームとも高いDFラインを敷いて、
ハイプレスをベースに戦うチームということもあってか、
相手のDFラインの裏へ早くボールを送り込もうという攻撃が多かったので、
ボールがピッチの左から右、右から左にせわしなく動いて、
試合終盤でもないのに随分とオープンな試合展開だなと言う印象を受けたね。

そのせいか、お互いにピンチもチャンスも多かったけど、
齊藤のミドルを小野瀬がゴール前でコースを変えて狙った場面や、
山見のFKを昌子が頭で合わせた場面など、
決定的な場面を多く作っていたのはガンバだったと思う。

しかしながら、得点を奪うまでには至らず、
このままスコアレスで前半終了かななんて思っていたら、
ピーター・ウタカにゴールネットを揺らされ、先制点を献上。

三浦の幼馴染の白井が右サイドから左足で上げたクロスを、
髙尾が遠くにクリアすることが出来ずに金子に拾われると、
シュート性のクロスをゴール前でウタカにワンタッチで決められてしまった。

相変わらず変な髪形をしているウタカだけど、
ゴール前でフリーになる技術と、正確に枠を捉えるシュートの上手さは、
38歳になった今も錆びついていないね。

ただ、1年中高温多湿のナイジェリア出身なのに暑さに弱いという、
髪形と同様に変な選手なので、7月に吹田で再戦する時は大人しくしててほしいね。

勝ち点3には結びつかなかったゴラッソ

1失点したものの内容は悪くなかったガンバは、
後半に入っても前半と同様に京都のゴールに迫るも得点を奪えない。

そんな状況を受けて片野坂監督は、
攻勢を強めるべく後半12分に石毛に代えて福田を投入すると、
その直後のプレーで齊藤が右サイドからゴール前へクロスを送る。

このクロスは白井にクリアされるも、
ペナルティエリアの外に飛んだボールの先にいたのは、
シュートモーションに入っていたダワン。

強烈なボレーシュートは上福元の守るゴールに突き刺さり、
後半の早い時間でガンバが試合を振り出しに戻すことに成功。

ダワン本人曰く、「自分は技術のあるプレーヤーではない」とのことだけど、
このシュート然り、パトリックへ送ったアウトサイドのパス然り、
これで技術が無いと言うなら、一体誰が技術があるんだというプレーをしているね。

現在の契約は、ブラジルのサンタ・リタというクラブからの、
レンタルという形でガンバでプレーしているダワンだけど、
強化部には今すぐに完全移籍させる方向で動いてほしいね。

かくしてスコアをタイに戻したガンバは逆転を目指すも、
福田のスルーパスに抜け出した小野瀬が、
上福元と1対1になるというビッグチャンスがありながらも追加点は奪えず。

この試合の小野瀬は、守備の際は自陣の深くまで戻って体を張り、
攻撃の際はサイドに中央にと神出鬼没にポジションを変えて得点機に絡むなど、
八面六臂の動きを見せていたけど、画竜点睛を欠いてしまったのが残念だったね。

と、なると、頼みの綱は、
後半41分にパトリックに代わって投入されたレアンドロ・ペレイラ。

磐田戦、福岡戦の時のような、途中出場からのゴールに期待したいところだったけど、
残念ながらこの日はダメな日のペレイラ。

ハイボールに競りにも行かず、ちんたらピッチを散歩しているだけで、
ガンバの攻撃に勢いを加えるどころか、
試合の最終盤は京都の猛攻に遭ってあわや勝ち越しを許しそうだった。

まあ、結局後半は最後までゴールを許さなかったので、
勝ち点1を取れて御の字と言っていいのかもしれないけど、
前半の試合内容が良かったことと、ダワンのスーパーゴールがあったことを思うと、
勝ち点3が欲しい試合だったね。

別に仲良くしたいわけではない

勝ち点1を積み上げたガンバは、これで7試合を戦って2勝3分2敗の勝ち点9で9位。

同じ勝ち点で京都、セレッソと並んでいるので、
なんだか関西勢同士仲良くやっているなという順位表になっている。
(あれ?関西ってもう1つ金満なチームがあったような気がするんだけど、どこ行った?)

ただ、この関西勢で中位に固まって仲良くやっている状況は、
ガンバにとってあまり本意では無いものなので、
勝ち点3を積み上げて上位戦線に食い込んでいきたいところ。

次節の対戦相手の清水は、今季まだ波に乗れていないように見えるので、
調子が上がって来る前に叩いておきたいね。

京都サンガ11ガンバ大阪
’45 ピーター・ウタカ
’58 ダワン