【明治安田生命J1リーグ6節 ガンバ大阪vs名古屋グランパス】ようやく見出した中盤の最適解

2022年7月31日

今度は鯱の指揮官としてパナスタにやって来た長谷川健太

後半だけで4失点を許し、無残な惨敗を喫したルヴァンカップの鹿島戦から中5日、
我らがガンバ大阪はホームに名古屋グランパスを迎えた。

昨季、ルヴァンカップを制した名古屋だけど、オフにフィッカデンティ監督が退任し、
新監督に元ガンバの指揮官でもある長谷川健太を迎えたものの、
今季のここまでの戦い振りを見る限り、まだ波に乗れていないように見える。

だからと言って、ガンバが簡単に勝てるなんて言うつもりは無いけどね。

ガンバより1試合消化試合が少ないとは言え、名古屋とは同じ勝ち点で並んでいるので、
近い順位のチームを直接叩くことで一つでも上の順位に行きたいところだ。

待ち人来たる

花冷えのパナソニックスタジアム吹田のピッチに送り出された青黒の11人は以下の通り。

布陣はオーソドックスな中盤フラットの4−4−2で、
直近の鹿島戦で途中出場してガンバ大阪でのデビューを飾ったばかりの、
ダワンをスタメンで起用してきた。

試合は序盤から名古屋のペース。

開始1分も経たないうちのCK献上から始まり、
一森がペナルティエリアから飛び出してクリアに行ったボールに触れなかったり、
酒井の浮き玉のパスに仙頭が見事なボレーを放ったりと、次々にピンチを迎えるガンバ。

「この試合も苦しい試合になりそうだな」なんて思いながら見ていたのだけど、
ダワンのクロスからパトリックがヘディングシュートを放つなど、
徐々にガンバの攻撃にリズムが出てくる。

すると、右サイドの浅い位置で獲得したFKを山見がゴール前に送ると、
こぼれ球を後ろから走り込んでシュートしたのは昌子。

パトリックに当たってコースが変わったシュートがゴールネットを揺らし、
前半26分にガンバが先制に成功。

昌子のガンバ移籍後初ゴールとはならなかったけど、
それは今後の重要な試合のために取って置いてるということにしておきますか。

1点リードを奪ったガンバは、完全にこの試合の主導権を掌握。

その中心にいたのは齊藤とダワンのダブルボランチ。

特にダワンは、守備面では巧みなポジショニングで名古屋の攻撃の芽を摘み取れば、
攻撃面ではシンプルかつ効果的な繋ぎでパス回しにリズムを作るなど、
2試合目の出場にして既にガンバにフィットしているように見えた。

鹿島戦で途中出場した時も良いプレーはしていたけど、
あの時は既に試合の大勢が決してからの出場だったので、
先発でどれだけやれるか未知数なところがあったけど、良い意味で期待を裏切られたね。

宇佐美や東口の長期離脱など、最近、ガンバ絡みであまり良いニュースを聞かなかったけど、
この日のダワンのプレーは間違いなく今のガンバの光明になったと思う。

痛快な展開から一転してヒヤヒヤ

前半を1点ビハインドで折り返した名古屋は、後半から稲垣に代えて柿谷を投入したけど、
それでもガンバの流れは変わらず。

中央でパスを受けた小野瀬が右サイドに開いた山見にパスを送ると、
右サイドから山見が送ったクロスは、パトリックとチアゴの頭の上を越えて、
名古屋の選手しかいないファーサイドへ。

「これはクリアされたな」と思っていたら、
マテウスのクリアボールが宮原に当たってゴールマウスに吸い込まれ、後半9分にガンバが追加点。

さらに後半17分には、左サイドからドリブルでカットインした黒川が、
利き足と逆の右足で見事なシュートを突き刺し、なんとガンバのリードは3点に。

今季ここまで、ホームでフラストレーションの溜まる試合ばかり見せられていた、
ガンバサポーターの胸をすくような痛快な展開。

「この高揚感のまま試合終了の笛を聞きたいな」と思っていたのだけど、
後半25分にダワン、後半32分に齊藤が交代でピッチを退くと、試合の流れは瞬く間に名古屋へ。

すると、ガンバの後方でのビルドアップの場面で、
昌子のパスを受けようとしたチュ・セジョンが、
猛然とプレスを掛けてきている仙頭に気づかずにボールをトラップすると、
このボールをかっさらわれてしまい、そのままシュートを決められ失点。

昌子からのパスを受ける前に首を振って周囲を確認していたので、
てっきり仙頭に気がついているものだと思っていたのだけど、軽率なプレーだったね。

ボランチのポジションを争っている齊藤とダワンが、
この試合で良いプレーをしたばかりなだけに、
このプレーがボランチの序列を決めるに当たって痛恨なものになるような気がするね。

その後も、酒井への絶好なクロスとなった福岡のクリアミスや、
藤井の強烈なミドルなど、失点を覚悟した場面はあったものの、
一森のスーパーセーブで凌ぎ、なんとか最少失点で試合を終わらせることに成功。

一森に関しては、積極的にペナルティの外へ飛び出したり、
低空パントキックを多用するなどのリスクの高いプレースタイルには賛否両論あると思うけど、
U-23チームでゴールマウスを守っていた時に、
一森のところからチャンスが生まれる場面も見ているので、
周囲とコンビネーションがあってくるまでブレずに続けて欲しいと思う。

次は西京極ではない

名古屋のGKがランゲラックじゃなかったらもうちょっと楽に勝てていたと思うけど、
かくして、片野坂監督になってホームで初勝利を挙げたガンバ。

観客数の上限が解除されたばかりなのに、
この試合の観客数が1万3千人だったのは寂しい限りだけど、
このような試合を続けていけばまたホームに観客が戻ってきてくれると思うので、
これからホームで多くの勝利を重ねていって欲しいと思う。

次節はアウェイの京都戦。

ガンバのチーム内で新型コロナウイルスの感染者が複数出たということで、
2ヶ月前に開催出来なかったプレシーズンマッチの分も合わせて、
2試合分暴れてきて欲しいと思います。

ガンバ大阪31名古屋グランパス
’26 パトリック
’54 オウンゴール
’62 黒川圭介
’83 仙頭啓矢