【明治安田J1リーグ9節 柏レイソルvsガンバ大阪】スコア以上の大敗で鬼門・日立台に沈む

よくやられたからこそわかる故人の偉大さ
レアンドロ・ドミンゲス。
ガンバがよくやられたから尚更そう思うのかもしれないけど、良い選手だったなぁ、と。
簡単そうに難しいトラップをしたり、力感の無いフォームで力強いシュートを放ったり、
その上、どのプレーをいつ使うのかという状況判断が抜群で、
派手なドリブルや抜群のスピードなどの見栄えが良いスキルが無くても、
ピッチの上で違いを作ることが出来ることを証明した10番だったと思う。
3年前に亡くなった工藤壮人と言い、自分が応援しているチームとは違うチームの選手でも、
Jリーグの歴史を彩った名選手が早逝するのは、何とも言葉にし難いやるせない感情になるね。
勝ち点3を手にするために日立台に乗り込んだガンバとしては、
この試合の勝利を譲るつもりは毛頭無いけど、
空の上からこの試合を見つめる敵軍のレジェンドにも楽しんでもらえる試合をしたいところだ。
町田対策は柏対策とイコールではない
4試合ぶりの勝ち点3を手にすべく、
ポヤトスが雨上がりの日立台のピッチに送り出したスタメンは以下の11人。

前節の町田戦の後半35分からのメンバーと布陣をスタートから送り出してきた。
また、戦線離脱していた山下がベンチに戻ってきたので、
試合途中からの4-2-3-1への変更もあり得る顔ぶれだったね。
しかしながら、ウイングにケガ人が続出していることを受けて苦肉の策として採用した布陣は、
町田相手には一定の効果は示したものの、柏相手にはさっぱり機能せず。
町田のようにターゲットマンのオ・セフンにボールを集めるなどで、
直線的に攻めてくるチームであれば3ボランチで真ん中を固めるのもアリだと思うけど、
柏のようにパスで相手を動かしてギャップを使って攻めてくるチーム相手に、
アラーノと美藤のようなポジションを崩して動き回る選手はカモ。
柏のパス回しでアラーノと美藤のポジションが崩されて、
中央に生まれた広大なスペースをアンカーのネタ・ラヴィが1人で埋めている状況に、
なんだか申し訳なさを感じたね。
正直、いつ失点してもおかしくない試合展開が続いていたけど、
最後のところで中谷と福岡が体を張ったり、柏の選手のシュートミスに助けられ、
なんとか失点を許さずに試合を進めていく。
そんな折、ネタ・ラヴィが原川に見舞ったタックルが深く入り、
原川が痛んで試合が止まっている時間帯に、ガンバの選手がベンチに集まり布陣変更を断行。
1トップのヒュメットの下に右からアラーノ、ジェバリ、満田が並ぶ4-2-3-1に変更し、
ようやく柏陣内に入っていけるようになったけど、ジェバリのシュートは久保にブロックされ、
CKから福岡が放ったヘディングシュートも枠を捉えられず、前半はスコアレスで折り返し。
ただ、布陣変更後は巻き返していたので、後半になんとか得点を奪いたいところ。

交代カードはパワーダウンするためのものじゃない
ハーフタイムで犬飼に代えて原田を投入した敵将のロドリゲスに対し、
前半と同じ11人をピッチに送り出したポヤトスは、
高い位置からプレスをかけて試合の主導権を奪いにいく。
後半12分にジェバリとアラーノに代えて宇佐美と山下が投入されると、
一時ではあるけども右サイドの攻撃が活性化し、この調子で先制点を取りたいところだったけど、
その欲しかった先制点はホームチームに入ってしまう。
ガンバの右サイドからパスを回されて垣田にくさびのパスを入れられると、
垣田の丁寧なポストプレーの落としを走り込んだ小泉に蹴り込まれ、
ゴールネットを揺らされてしまった。
シュートブロックに入ったディフェンスがブラインドになったんだろうけど、
一森はただ見送るんじゃなくて少しでもシュートに反応して欲しかったけども。
1点ビハインドになったガンバは、満田とネタ・ラヴィに代えて鈴木徳真と倉田を投入するも、
この試合でも宇佐美とヒュメットが噛み合わず、
また前半の序盤のようにパスが繋がらなくなってしまう。
ポヤトスとしては何としてもヒュメットをフィットさせたいんだろうけど、
この調子だとヒュメットがフィットするまでに、
いくつ勝ち点を落とすことを覚悟しないといけないのだろう。
そのヒュメットに代わって後半32分から南野が入ったけど、
無責任に放り込まれるロングボールを前に何も出来ず。
挙げ句の果てには、4試合勝利無しという状況でリードはわずかに1点にも関わらず、
ガンバ相手に時間稼ぎは不要と判断されたのか、
最後まで柏のフィールドプレーヤー全員にガンバ陣に入られ、
無邪気に攻められるという舐められっぷりで、呆気なく敗戦。
この日もアウェイゴール裏を埋めた青黒のサポーターから、
ブーイングが飛ぶのも致し方無しと思ってしまう情けない試合だったね。

ホームで鯱を食らって仕切り直せ
これで4試合勝ち無しとなり、14位まで順位を落としたガンバの次節の対戦相手は、
数少ないガンバより順位が下のチームである18位の名古屋グランパス。
就任2年目がピークで、そこからはゆっくりと下降線を辿る長谷川健太曲線に逆らって、
4季目の指揮も任せているけど、さすがにピークは過ぎている感はある。
ただ、そうは言ってもガンバが勝てなかったマリノスには勝利しているし、
今のガンバの調子を考えると難しい試合になることは間違いないだろうね。
試合まで中5日空くので、この間に連戦で出た課題を修正して、
ホームゲームに臨んでほしいと思います。
柏レイソル1ー0ガンバ大阪
’65 小泉佳穂