【明治安田J1リーグ8節 ガンバ大阪vs町田ゼルビア】ダイヤモンド型の中盤は輝かず
町田戦での借りは町田戦でしか返せない
試合終了間際の宇佐美のPKでビッグスワンから辛くも勝ち点1を持ち帰ったガンバ大阪は、
先月8日の清水戦以来、約1ヶ月ぶりにホームに戻り、町田との一戦に臨んだ。
前半途中までベストゲームを演じながら、半田の退場により流れが変わり、
敗戦を喫した、昨季の町田戦の痛みを忘れているガンバサポーターはいないだろう。
あの町田戦以降ガンバは失速し、優勝争いから脱落してしまったことを思うと、
昨季のターニングポイントと言ってもいい試合だった。
今季の町田も現在2位につけるなど好調をキープしているのに対し、
ガンバは負傷者が多くて良い状態とは言えないけど、
今季のホーム町田戦は良い方のターニングポイントにすべく、
昨季の借りを返したいところだ。
先に仕掛けた策がハマるとは限らない
新年度2日目にナイトゲームを組むという、
ニートが考えたような日程の試合に臨む11人は以下の通り。

町田対策か、はたまたウイングにケガ人が多いのを逆手に取ったのか、
中盤ダイヤモンドの4-4-2という、誰も予想だにしなかった布陣を採用。
また、先日の新潟戦で3失点を喫した守備陣は、
佐々木に代えて福岡を入れることでテコ入れを図る。
町田もガンバの新布陣については予想していなかったようで、
序盤から試合の主導権を握ったのはガンバ。
左45度の位置からカーブをかけたシュートでゴールを狙った宇佐美のシュートが、
クロスバーに当たって阻まれるなど、惜しいチャンスを作り出す。
その後、オ・セフンにロングボールを集める町田に押し込まれる場面が増えるも、
再びガンバが押し返すといった具合で、一進一退の攻防が続く。
ところが、ガンバが攻勢に出ていた時間帯で、
町田のロングボールをオ・セフンが西村に落とした流れから、
ネタ・ラヴィがゴール前でファウルを犯してしまい、FKを献上。
このFKを相馬に直接決められ、先制を許してしまった。
ガンバの選手の壁の前に固まっていた町田の選手が、
相馬のシュートのタイミングに合わせて散らばったのに釣られて、
ガンバの選手たちが壁を崩してしまい、その脇を射抜いてきた相馬のシュートに一森が反応出来ず。
ポヤトスが町田対策として準備してきたガンバの新布陣が効果を発揮する前に、
黒田監督が準備してきたセットプレーにやられてしまうとは一杯食わされたね。
ただ、相馬のFKに繋がったネタ・ラヴィのファウルについては判定に異論は無いけど、
この試合は全体的にファウルの基準が昨季までの基準に戻っていたような感じがした。
まあ、アクチュアルプレイングタイムを伸ばす目的で、
今季から変わったファウルの基準は各会場で物議を醸しているので、
基準を戻すのもやむなしとは思うけど、それはJリーグが決めるものであって、
御厨主審がこの試合で勝手に戻していいものではないと思うけどね。
その後も、ガンバは町田陣内で試合を進めるも、ゴールは奪えず、
1点ビハインドでハーフタイムを迎えることになった。
交代カードは用法用量を守って正しくお使いください
お互いに選手交代無く迎えた後半。
早い時間に同点に追いつきたいガンバだったけど、
ウイングを置いていないせいか町田のディフェンスを広げることが出来ず、
中央を固める町田に対し中央から突っ込んでいってロストする場面が目立ち、
ボール支配率の高さとは対照的にシュート数は伸びず。
そんな状況を打破すべくポヤトスが最初に切った交代カードは、
鈴木徳真に代えて満田というものだったけど、これが大誤算。
てっきり、マリノス戦で少しだけ試した、
ヒュメットをサイドに出した4-2-3-1にするのかな?と思ったのだけど、
鈴木徳真がいたところにそのまま満田を入れたことで、
さっぱりパスが繋がらなくなってしまった。
満田はあくまでも前線の選手で、
中盤の選手ではないのは広島時代にも証明されているはずなのに、
なぜこのタイミングで中盤起用を試そうとしたのだろうか?
それにもっとわからないのが、満田を投入してから明らかに流れが悪くなったのに、
後半35分に宇佐美に代えてアラーノを投入するまで20分以上何も手を打たなかったこと。
アラーノを右のインサイドハーフに入れて、
満田をトップ下にポジションチェンジしたあたりから、
再びガンバが攻勢に出られるようになっただけに、
もっと早くこの交代カードを切っていればと悔やまれるね。
結局、ガンバは最後まで町田の堅い守りを崩すことが出来ず、ウノゼロで敗戦。
これで3試合勝利無しとなり、昨季の痛恨の敗戦の痛みを晴らすどころか、
さらに痛みを増幅させられる結果になってしまったね。
スペイン人指揮官対決に勝利せよ
次節は再びホームを飛び出し、中3日で日立台での柏戦。
ただでさえ相性の悪いスタジアムに加え、
レアンドロ・ドミンゲスの訃報が伝えられてからの初のホームゲームということもあり、
柏はいつもより高いモチベーションで試合に臨んでくると思う。
ただ、だからと言って簡単に引き下がるわけにもいかないし、
気がついたら順位表のすぐ下にピンクがいるしで、これ以上順位を落とすわけにはいかない。
次の日曜日は黄色に染まったスタジアムに青黒のサポーターの勝利の凱歌を轟かせよう。
ガンバ大阪0ー1町田ゼルビア
’43 相馬勇紀