【明治安田J1リーグ10節 ガンバ大阪vs名古屋グランパス】万博ダービー(?)とやらに勝利した

この日の吹田は夢洲よりも熱くなれ

前節、敵地で見るに堪えない敗戦を喫したガンバ大阪は、
中5日で名古屋グランパスとのホームゲームを迎えた。

近年の名古屋との対戦はダブルの応酬の傾向があり、
その傾向に則ると、今季はガンバがダブルを食らう番になってしまうのだけど、
今節の勝利でそのジンクスを覆したいところだ。

今週末から大阪で関西万博が開幕することを受けて、このカードを万博ダービーと呼称して、
敵将の長谷川健太に1970年の大阪万博の思い出を尋ねたりしているメディアを目にしたけど、
正直そんなことをして関西万博が盛り上がると思えない。

今は、夢洲で行われている万博ではなく、吹田で行われているサッカーの試合に集中して、
残留争いを気にしなくていい順位に上がりたいところだ。

宣言通りにボール支配率を高めたポヤトス

5試合ぶりの勝利を目指し、ポヤトスがパナソニックスタジアム吹田のピッチに送り出した、
青黒のスタメン11人は以下の通り。

山下の戦線復帰により、町田戦と柏戦で採用した中盤ダイヤモンド型の4-4-2は一旦封印し、
昨季から慣れ親しんだ4-2-3-1へ回帰。

また、チームへのフィットが遅れているヒュメットはベンチスタートで、
明らかにコンディションが悪そうだった宇佐美はベンチ外というメンバーになったね。

「ボールポゼッションを高めたい」という試合前のポヤトスの言葉通り、
一森がフィールドプレーヤーかのように中谷と福岡の間に入ってビルドアップに参加し、
名古屋にほとんどボールを触らせない。

ただ、ボールは持てているものの、ミドルブロックを敷く名古屋の前になかなか前進出来ず、
後ろで回している時間が長かったので、優位に試合を進めている感は正直無かった。

そんな試合の潮目が変わったのが、前半の半分が終わったぐらいの時間帯に、
満田が左サイドから右足で上げたクロスにネタ・ラヴィとジェバリが飛び込んだ場面から。

ジェバリのシュートは惜しくも枠外に外れたものの、
その後のガンバは、ボールを持ちつつ積極的に縦パスを入れていくようになり、
名古屋陣内で試合を進める時間帯が長くなっていく。

その中で古巣対決に燃えていたであろう中谷は、
強度の高い守備だけでなく、最終ラインからドリブルで持ち上がれば、
サイドまで顔を出してスローインを入れたりと獅子奮迅の動きで、
今季ここまでの試合でベストパフォーマンスだったんじゃないだろうか。

ただ、前半の終盤に満田のスルーパスに山下が抜け出した流れから、
名古屋のゴールに怒涛の攻撃を仕掛ける場面はあったものの、
これを体を張ったディフェンスで凌がれてしまい、スコアレスでハーフタイムへ。

前節の柏戦と比べれば格段に良い試合が出来ているけど、
良い攻撃が出来ている時間帯に得点出来ないと、
逆に名古屋にワンチャンスを決められることは往々にしてあり得るので、
後半の早い時間帯に先制点が欲しいところ。

この日の2点差は怖くない点差

前半と同じ11人を後半のピッチに送り出したポヤトスに対し、
浅野と中山に代えて森島と三國ケネディエブスを投入し、
野上を右WBにポジション変更した敵将の長谷川健太。

ガンバの左サイドのアラーノと黒川のところが気になったのかな?と思ったけど、
後半になってむしろガンバの左サイドの攻撃が活性化したんだが、
長谷川健太は一体何がしたかったんだろうか?

前半から低調だった名古屋のパフォーマンスがさらに下がったら、
いくらここ最近調子が悪いガンバでも先制点を挙げるのは時間の問題ってもの。

アラーノのスルーパスを受けたジェバリが、
シュートフェイントで三國と野上を次々とかわし、
ファーサイドへコントロールショットを沈め、後半18分にガンバが先制に成功。

いつものゴール前でコネすぎてシュート打てないパターンかと思ったけど、
今回はびっくりするぐらい見事に決まったね。

これで気を良くしたのか、さらに動きが良くなったジェバリ。

今度は、アラーノが左サイドからカットインして放ったシュートのこぼれ球を拾うと、
冷静に中へ折り返し、山下のゴールをアシスト。

この試合でも相変わらずの決定力の無さを見せていた山下だけど、
さすがに無人のゴールにプッシュするだけのシュートは外さないよね。

その後は、選手を入れ替えながら難なく試合をクローズし、5試合ぶりの勝ち点3を獲得。

個人的には、水曜日に水戸とのルヴァンカップの試合があることを考慮すると、
鈴木徳真かネタ・ラヴィに代えて美藤を投入しても良かったのでは?と思ったけど、
その分、背番号27にはケーズデンキスタジアムで思う存分暴れてもらうとしますか。

次のミッションはルヴァンカップ3回戦進出

今節の日曜日の試合が終わっていないので暫定ではあるものの、
10位に順位を上げたガンバは、水戸、横浜FC、FC東京とのアウェイ3連戦に臨む。

この試合の名古屋の状態が悪すぎたので、ガンバの良し悪しが評価しづらいところはあるけど、
少なくともウイングを置いた布陣であれば本来の自分たちのスタイルが出せると再認識。

ただ、長いシーズンを考えると、戦い方の選択肢は複数必要なので、
この試合で出番が無かった選手たちは、水戸相手に良いパフォーマンスを出せるように、
練習から良い準備をしてほしいね。

ガンバ大阪20名古屋グランパス
’63 イッサム・ジェバリ
’76 山下諒也