【明治安田生命J1リーグ21節 FC東京vsガンバ大阪】これは34試合あるリーグ戦のただの1勝ではない

飛田給に伝わる昔話

時は2001年7月14日、東京都調布市に建設されたスタジアムにはまだネーミングライツが無く、
東京スタジアムと呼ばれていた頃の話。

FC東京と対戦するためにこの新しいスタジアムに乗り込んだ
ガンバ大阪のユニフォームの左胸には、今は9つ輝く星は1つも無い。

当時、IOCの総会で行われた2008年の夏季オリンピック開催地を決める投票で、
大阪に6票しか票が集まらなかったことを皮肉って、
ホームゴール裏から「大阪!6票!」のコールが上がる。

それを聞いて、「オリンピックの招致活動をしていたのは大阪市なんだから、
6票コールはセレッソ戦でやれよ」と苦笑するアウェイゴール裏。

試合は2−0でガンバ大阪が勝利を収め、アウェイサポーターだけでなく、
翌週の万博での鹿島戦を最後にアーセナルへ移籍する稲本潤一目当てにスタジアムを訪れた、
多くの女性ファンにも歓喜をもたらした。

そして月日は流れ2020年10月10日、まさかこの場所で再びFC東京に勝利するのに、
19年という月日が必要になるとは思いもよらなかった。

サッカーとは似て非なるもの

19年ぶりの歴史的勝利の大きなファクターとなったのは、
台風14号の接近により試合の2日前から降り続いていた雨。

水捌けの悪い飛田給のピッチは瞬く間に田んぼと化し、
あちこちでボールが止まってまともにサッカーが出来ないような状態になった。
(それに加え、この試合のDAZNの解説が”水””沼”だったのはどういう因果だろうか。)

そんなピッチコンディションに早く適応したのは意外にもアウェイチームのガンバだったけど、
メインスタンドから見て右手前のエリアにはそこまで水が溜まっていないと判断するや、
FC東京がそのエリアを上手く使って攻撃を仕掛けてきた。

どう動くかわからないボールと同じように行方も読めない試合展開だったけど、
最初に試合を動かしたのはガンバ。

前半39分にセットプレーのこぼれ球を井手口が拾ってもう一度ゴール前に送ると、
アデミウソンがヘディングで折り返したボールが、
奇しくもこの試合の前にJ1通算200試合出場で表彰を受けていた三田の手に当たりPKを獲得。

このPKをアデミウソンが冷静に決めてガンバが先制に成功した。

PKの判定になった時は、空中でバランスを取ろうとして広げた手に当たったように見えたので、
「ラッキーなPKだな」と思ったけど、改めてVTRを見直したら、
ヘディングでクリアし損なった三田が慌てて後ろに伸ばした手に当たっているので、
順当なPKだったね。

それにしてもアデミウソンは、PKの場面以外でも、
劣悪なピッチコンディションにも関わらずボールのコントロールを乱す場面はほとんど無く、
さすがサッカー王国ブラジルの元世代別代表というクオリティを見せつけてくれたね。

飛田給ファイトクラブ

幸先よく先制したのは良いけど、この場所では何度も逆転負けを食らっているので、
早めに追加点を奪いたいところだったけど、
その後は、水浸しのピッチでボールが上手くコントロール出来ずに
ストレスが溜まった選手たちのファイトマッチみたいになってしまった。

前半終了間際のFC東京のセットプレーの場面で、
パトリックが肘打ちでジョアンオマリの歯をへし折ると、
後半に入るとレアンドロがキムヨングォンの顔面に肘打ち。

さらに山本の顔面にもパンチを浴びせたレアンドロに対し、
今度はキムヨングォンがさっきのお返しとばかりに顔面キック。

これだけ荒れた展開だったにも関わらず、レッドカードは1枚も無く、
イエローカードが出たのも最後のキムヨングォンのプレーだけだったあたり、
審判団も試合をコントロール出来ていなかった感はあるね。
(まあ、後日、追加で制裁があるかもしれないけど。)

結局、この試合でガンバが挙げたゴールは前半のアデミウソンの1点だけだったけど、
名手・レアンドロに何度か訪れたFKの場面は枠を捕らえる事なく、
試合終了間際の矢島輝一のシュートも東口の好守で凌ぎ、
FC東京の重量級のオフェンス陣をシャットアウト。

先のブログで、「長い間勝てなかった浦和にダブルしたんだから、
今度は味スタでうちに勝たせてくれよ」なんて書いたけど、
まさか現実になるとは思わなかった。

大魔境・飛田給で長く続いた負の歴史にようやくピリオドが打たれた瞬間は、
ガンバサポーター冥利に尽きる本当に感慨深いものだったね。

一難去ってまた一難

水浸しのピッチが得意な選手なんていないので、交代枠を2つしか使わずに、
ピッチに適応しているスタメンの選手たちを出来るだけ引っ張った采配は理解しているけど、
激しい試合だったので消耗は心配。

ましてや中3日で迎える次節の対戦相手は、
昨年度のJ1リーグチャンピオンの横浜Fマリノスだからね。

厳しい相手ではあるけど、ホームでの試合なので、
射程圏内に入ったACL、天皇杯を捕らえるために7連勝を達成して欲しいと思います。

FC東京01ガンバ大阪
’41 アデミウソン