【明治安田J1リーグ18節 川崎フロンターレvsガンバ大阪】審判団とも戦う必要があるなんてお互いに聞いてない
疲れ方が対照的な両軍の勝敗の行方は?
120分に及ぶ激闘の末、ジュビロ磐田に逆転負けを喫したルヴァンカップから中3日、
ガンバ大阪は、川崎フロンターレとのアウェイゲームを迎えた。
先制点を取れば負けないという心の拠り所を失い、
ただただ主力選手の疲労だけが残っている状況だけど、
幸か不幸か来月の日本代表の活動にはガンバからは誰も召集されなかったので、
もう一度鞭を打って今月の残り2試合を駆け抜けたいところ。
一方の川崎は、ACLEの決勝でアルアハリにショッキングな敗戦を喫した後遺症も無く、
中断期間が明けてから順調に勝ち点を伸ばしているところを見ると、
今季から指揮を執る長谷部監督のマネジメントが上手くいっているように見える。
上記の通り、チーム状態は対照的のように思えるけど、
どういうわけかガンバはここ2年川崎に負けていないので、
相性の良さが味方してガンバを勝利に導いてくれることを期待したい。
水曜日の試合を引きずっているかのような噛み合わなさ
相手の6番に失意の帰宅を促したいガンバのスタメン11人は以下の通り。

先月の京都戦からスタメン出場が続いていたヒュメットがベンチスタートで、
前線の組み合わせは先日の磐田戦を全休した宇佐美が1トップで、トップ下には満田という並び。
また、ここ2試合、ファン・アラーノと山下の配置を逆にしていたけど、
この試合では元に戻してきたね。
お互いにボールを持ちたいチーム同士の試合で、
思惑通りにボールを握ったのはホームチームの川崎。
自陣で長い時間を過ごすことを強いられたガンバは、
たまにマイボールになっても川崎のハイプレスに屈し、
苦し紛れに1トップの宇佐美を目掛けた可能性の低いロングボールを蹴らされ、
セカンドボールを回収されて引き続き川崎の攻撃を受けるという悪循環。
いつもならこういう展開だと、宇佐美が中盤に顔を出してパスを受けに来るんだけど、
この日はトップ下の満田に気を遣ってか、最前線で張っている場面が多く、
却ってそれが満田が飛び出すスペースを消していて、逆効果になっているように見えたね。
それでも、なんとか失点せずに試合を進めていたガンバだけど、
山本のCKをニアサイドで高井にフリックされると、
ファーに飛び込んだマルシーニョにゴールネットを揺らされ、前半32分に先制点を献上。
よりによって山本が絡む形でゴールを決められてしまったけど、
この試合ではマルシーニョに何本もスルーパスを通したり、
小気味良いボールタッチでガンバの選手を翻弄したりと、
かつて毎週プレーを見ていた選手のはずなのに、やっぱり上手いなぁと感心してしまった。
失点して目が覚めたのか、ここからガンバが攻勢を強めるも、
満田のシュートがポストを叩くなど惜しい場面は作るもののゴールネットまでは揺らせず、
1点ビハインドで前半を折り返すことになった。(そろそろ満田決めてくれないかな・・・)
無敵の宇佐美よりも目立ちたがる審判がいるとは
前半と同じ11人をピッチに送り出したガンバだけど、
宇佐美を最前線で張るタスクから解放し、前線で自由を与えると、
まるでスターを手にしたマリオのような無敵状態に。
その宇佐美は、黒川のパスを受けて河原と1対1の場面を迎えると、
左斜め45度から右足のインフロントでカーブをかけてゴールネットを揺らす、
THE宇佐美というシュートを突き刺し、後半8分にスコアを振り出しに戻す。
その直後には、DFラインの裏を狙ったアラーノに、
右足アウトサイドで見事なスルーパスを通すも、
これは来月の日本代表の活動に召集された高井のDOGSO疑惑の対応に遭い、
シュートまで持ち込めず。
似たような場面だと、一昨年のホーム・柏戦で、
髙尾のパスに抜け出したアラーノが倒された時は、
アラーノの腕を掴んだ椎橋はDOGSOで退場になっているんだけど、
この場面では、VARは介入すらしてこないなんて、
この試合のVAR担当の岡部は別室で昼寝でもしてたんだろうか。
良い流れが切れそうになるプレーだったけど、その後も宇佐美の勢いは止まらず、
今度は右サイドから山下のスピードを殺さないピンポイントクロスで、
山下の同点ゴールをお膳立て。
宇佐美がこの調子ならあと1、2点は取れるかもしれないと思っていたら、
満田の右サイドからのクロスをボレーで狙った時に脚を攣ってしまい、
ヒュメットとの交代でベンチに退いてしまった。
(休養十分でこの試合に臨んでいただけに90分完走して欲しかったけど)
あとは試合を上手くコントロールして逃げ切って欲しいところだったけど、
大関の黒川の股を抜くスルーパスが伊藤に通ると、
伊藤のシュートが中谷に当たってゴールマウスに吸い込まれ、再びスコアは振り出しに。
その後は、勝ち越しゴールを狙う両チームのカウンターの応酬になり、
スペースガラ空きのオープンな試合展開に。
こういう展開だとヒュメットが生きてくると思うんだけど、
投入直後のオフサイドで取り消されたシュート以降、どこで何をしていたのだろうか。
(そもそもオフサイドではなかったと思うけど)
一方でホームの大歓声を背に攻勢を強める川崎の方が多くチャンスを作っていたけど、
カウンターで独走しかけた伊藤を止めた山下の蟹挟みタックルがイエロー止まりになるなど、
先ほどの高井のDOGSO疑惑と相殺するかのような判定に助けられ、なんとかドロー決着。
審判に関しては川崎の方も言いたいことはたくさんあると思うけど、
悲しいかなJリーグの審判のレベルってこんなもんなので、
アウェイの川崎戦で勝ち点1という結果をポジティブに捉えたいね。
西のホーム・吹田なんて呼ばせない
早いもので前半戦ラストとなる次節の対戦相手は首位・鹿島アントラーズ。
今節は最下位のマリノスによもやの敗戦を喫し、連勝が7で止まった鹿島だけど、
2週連続で同じ過ちを繰り返すようなことはしないだろう。
鈴木徳真が今度はイエローカードの累積で出場停止になってしまったので、
代役が満田になるか倉田になるか、はたまた美藤が間に合うのかはわからないけど、
この1週間で連戦の疲労を回復しつつ、良い準備をして欲しいところ。
シーズンはまだあと半分もあるのに、この時期から独走しても面白くないと思うので、
鹿島さんにはもうちょっとゆっくり春秋制最後のシーズンを楽しんでもらいましょう。
川崎フロンターレ2ー2ガンバ大阪
’32 マルシーニョ
’53 宇佐美貴史
’60 山下諒也
’79 伊藤達哉