【明治安田J1リーグ15節 ガンバ大阪vs川崎フロンターレ】リーグ最少得点の攻撃陣を爆発させたのはリーグ最少失点の守備陣

あくまでベクトルは自分へ向ける

スコアレスドローに終わったヴェルディとのアウェイゲームから中3日、
ガンバ大阪は川崎フロンターレとのホームゲームを迎えた。

今季の川崎と対戦するにあたり、
どうしても気になるのが昨季終了後にガンバから川崎に移籍した山本悠樹の存在だけど、
沖縄に行けることが決まって喜んでいたセレッソや、
中谷がボールを持つたびにブーイングを繰り返していた名古屋など、
ここ数試合自分たちに矢印を向けられずに敗戦したチームを続けて見ているので、
この試合のガンバも山本に対して必要以上の反応はしないでおきたいところ。

近年のガンバは黄金時代を迎えていた川崎に対し苦戦を強いられていたけど、
昨季はシーズンダブルを達成して苦手意識を払拭したので、
この試合でも昨季の天皇杯王者相手に自信を持ってぶつかってほしい。

この試合はベクトルの向き云々の話ではない

リーグワーストの11得点の攻撃陣に奮起を促したいガンバのスタメンは以下の11人。

前節のヴェルディ戦のスタメンから食野と岸本が外れ、
ここ2試合ベンチからも外れていたウェルトンが復帰し、
山下がガンバ加入後初スタメンとなったね。

一方で、川崎の山本悠樹は5試合連続でベンチ外となり、
ベクトルをどちらに向けるか以前の話になってしまった。

成長したいと言って川崎に移籍したのならせめてベンチ入りして欲しかったところだけど、
成長した姿を見れるのは10月の等々力での試合までお預けという理解でいいんだよね?

そんな日曜日の15時から行われた試合は、
まるで昨季の悪かった時の試合を見ているかのような川崎のワンサイドゲームで、
ガンバは自陣から出ることすらままならず。

ゴミスと家長がいたんじゃ前線からの守備は機能しないだろうと思っていたのだけど、
全くそんなことはなく、川崎の前線からの守備に屈し、
せっかくマイボールにしても自陣でパスを繋げず、苦し紛れにクリアを選択させられてしまう。

防戦一方の試合展開の中、一森と中谷の奮闘でなんとか失点せずに持ち堪えていたのだけど、
家長のアイデア溢れるロビングのパスから、
ペナルティエリア内に走りこんでいた右SBの瀬川にヘディングシュートを決められてしまい、
前半26分に先制点を献上。

ここまでの試合展開とここ数試合のガンバの得点力を考えると、
先制を許す展開はかなり厳しいんじゃないかと思ったのだけど、
ホームゴール裏に歓喜が訪れるまでそう時間はかからなかった。

左サイドでウェルトンが瀬川に倒されて得たFKを宇佐美がゴール前に入れると、
中谷がわずかに額で触れたシュートがゴールネットに吸い込まれ、
ガンバがビハインドを強いられた時間はわずか2分で終わりを告げる。

名古屋の中谷がガンバに移籍してくるという話を最初に聞いた時は、
「また梶居強化部長のお得意様案件かよ」程度にしか思っていなかったのだけど、
今となっては当時の自分をぶん殴ってやりたいとすら思っている。

かくしてスコアを振り出しに戻して前半を折り返したわけだけど、
試合内容に関してはお世辞にも良いとは言えないものだったので、
ハーフタイムで修正する必要はありそうに思えたね。

今季初めて3度揺れたゴールネット

後半のピッチにも前半と同じメンバーを送り出したポヤトスだったけど、
いきなり黒川のオーバーラップからクロスバーに当たるクロスというチャンスが見られるなど、
前半と打って変わってガンバが主導権を握る試合展開になる。

過密日程で川崎が前半と同じ強度を保てなくなったのもあるんだろうけど、
ポジションが被りがちな鈴木徳真とネタ・ラヴィを横並びではなく前後関係でプレーさせて、
お互いに使いたいエリアを被らないようにしたのも良かったんじゃないだろうか。

試合の主導権を握りながらもゴールまでには至らずにいたガンバだけど、
後半24分にロングカウンターの流れから山下があげたクロスが、
佐々木にブロックされてCKを獲得すると、
宇佐美が蹴ったCKはニアポストのエリソンの前に走りこんだ福岡の頭にドンピシャで合い、
ガンバが後半25分に逆転に成功。

ガンバに加入してから何度かセットプレーから得点のチャンスがあった福岡だけど、
ようやくガンバに来て初ゴール、J1の試合としても初ゴールを決めてくれたね。

その後、川崎も新進気鋭のストライカー、山田新を中心に同点のゴールを狙ってきたけど、
一度ガンバに傾いた流れは変わらず、
後半36分に山下のクロスから倉田がゴールネットを揺らして引導を渡すことに成功。

ポヤトスが求めるウイングとしてのプレーは年々厳しくなってきている倉田だけど、
この得点だけでなく、守備の強度だったり、SBを生かすプレーだったり、
まだこの背番号10がガンバのために出来るプレーはたくさんあるなと再認識。

願わくばユースの後輩である食野が、
この日の倉田のプレーを見て何かを感じ取ってくれると嬉しいんだが。

最後は、何しに出てきたのかよくわからないジェバリを横目に、
中野が持ち前のキープ力で試合をクローズ。

今季初の3得点と攻撃陣に復調の兆しが見えただけでなく、
4試合負けなしで4位に浮上するなど、昨年の今頃とは打って変わって好調を維持しているので、
この調子でシーズン終盤までいきたいところやね。

たっぷり休んでしっかり準備していざ魔境攻略へ

次節は中6日空いてアウェイのFC東京戦。

何の大会かわからないけど水曜日に試合があるチームが多い一方、
なぜか我々は試合が無いみたいなので、
休養十分、準備万端で大魔境・味の素スタジアムでの一戦を迎えたいところ。

東京には荒木や松木、佳史扶などパリ五輪世代の選手が多いので、
ガンバのパリ五輪世代の半田には彼らに負けない活躍を期待したいね。

ガンバ大阪31川崎フロンターレ
’26 瀬川祐輔
’28 中谷進之介
’70 福岡将太
’81 倉田秋