【明治安田生命J1リーグ13節 ガンバ大阪vs川崎フロンターレ】何度も見せられる同じような90分

短絡的なイベントの人数制限にうんざり

今節、我らがガンバ大阪は、
目下リーグテーブルの首位を独走する川崎フロンターレと対戦。

前節の長居での大阪ダービーに引き続き、今節も無観客での開催だけど、
緊急事態宣言の今月末までの延長を受けて、
さらに、12日の広島戦と16日の浦和戦も無観客開催になってしまった。

昨年から続くコロナ禍に於いて、昨季、無観客で行われたホームゲームは、
なんだかんだ7月の大阪ダービーだけだったけど、
今季は、まだシーズンが3分の1も終わっていない時点で、
3試合も無観客でのホームゲーム開催が決定。

今のところガンバの経営状況に関する悪い話は聞こえてこないけど、
この状況で経営が順調とは思えない。

また、ガンバはJリーグの中でも人件費が高い方なので、
今の状況が続けば、これまでのような戦力補強や、
戦力維持が出来なくなるんじゃないだろうか。

まあ、政府や自治体の要請なので従わざるを得ないのはわかるけど、
スタジアムを無観客にしたところで、
新型コロナウイルスの感染者が減っているように思えないので、
スタジアムから観客を排除することが対策になっているのか、
どうも納得できないのだけども。

またしても繰り返される光景

この試合のガンバのスタメンは、GKに東口、DFラインは右から佐藤、三浦、昌子、黒川、
中盤はアンカーに奥野を置き、インサイドハーフは井手口と山本、
そして3トップは右から一美、レアンドロ・ペレイラ、宇佐美の11人。

前節の大阪ダービーで採用した4-3-3の布陣は踏襲し、
矢島、小野瀬、福田に代えて、一美、佐藤、奥野を起用してきたけど、
正直なところこの変更で劇的にチーム状況が改善されるとは思えなかった。

試合が始まると、延々と続くんじゃないかと思わせる川崎のポゼッションに対し、
パスが3本と繋がらないガンバというコントラストがピッチ上にくっきり。

まあ、川崎の選手たちが上手いのはもちろんなんだけど、
昨季のアウェイでの川崎戦、天皇杯決勝、そしてゼロックスと見ていて、
全体的に下がりすぎなんじゃないだろうかと思う。

こんな戦い方だと、いざマイボールになっても川崎のゴールまで距離が遠すぎるし、
川崎のパス回しでガンバの選手たちのポジションが乱されているので、
攻撃に移ろうにも選手間の距離感が悪くてフォローにも行けない。

このブログで何回も書いているけど、昨季のホームでの川崎戦は、
結果的に大島にゴラッソを決められて敗戦を喫してしまったけど、
前から積極的にプレスを掛けて割と良い試合が出来たと思っている。

宮本監督はどうして昨夏の対戦時と同じ戦い方を採用しないのか。

今の戦い方だと川崎と何回試合しても同じような試合展開で、
同じような結果が待っているだけだと思うんですがね。

ただ、川崎にいつゴールが生まれてもおかしくない試合展開だったにもかかわらず、
こんなうだつの上がらないチーム状況で一人で気を吐く東口の好守により、
なんとか無失点で抑えていたガンバだったけど、前半41分についに失点。

ゴールを挙げたのはレアンドロ・ダミアンだったけど、
ほとんどガンバの右サイドを1人で崩した長谷川竜也のゴールと言っても、
差し支えないだろう。

この試合の川崎の選手たちは、名古屋との首位攻防2連戦の2試合目から中3日とあって、
全体的に70%~80%の出力で試合をしているような感じだったけど、
名古屋との2連戦に出場していない長谷川は、
鬼木監督へアピールする意図もあったのか、1人鬼気迫るパフォーマンスだった。

これだけの選手がベンチにも入れないなんて、
両軍のチーム力の差を改めて思い知らされる形になったね。

大事にしたいわずかなポジティブ要素

1点ビハインドで後半のキックオフの笛を聞くことになったけど、
ガンバのピッチ上の11人は前半と変わらず、
前半の結果を受けてハーフタイムで何らかの指示があったはずなのに、
前半とさして変わらない低調な試合を繰り広げていた。

まあ、あんまりネガティブなことばかり書いていると気が滅入るので、
あえてポジティブな要素に目を向けると、
左SBの黒川はクロスやドリブルで存在感を発揮するなど、
今季で一番良いパフォーマンスだったと思う。

黒川って足元でボールを受けてパス出しやクロスというオンザボールのプレーが、
得意なプレーなのかなと思っているのだけど、
爆発的なスピードでタッチライン際を上下動する藤春と同じ役割を周囲が求めるせいか、
ここまで持ち味を発揮できていなかった。

個人的に黒川は、藤春じゃなくて、
下平匠と同じような使い方をしてあげればいいんじゃないかと思っているのだけど、
なんにせよ、ようやく他の選手たちが黒川の使い方を分かってきたのかなと思ったね。

あまり気は乗らないけど試合の流れに話を戻すと、
宮本監督は後半の飲水タイムに井手口と山本に代えて矢島と倉田を投入し、
ゴールを目指したけど、皮肉にも次のゴールをもたらしたのは、
同じタイミングで鬼木監督が投入した三笘の方。

川崎との対戦で三笘にはいつもゴールを決められている印象があるけど、
この日のゴールは、佐藤との1対1で縦にぶっちぎってから中央にカットインして、
東口の手が届かないファーサイドのサイドネットを射抜くという、
まるで全盛期の元フランス代表のリベリーのプレーを見ているかのようなものだった。

もうこれ以上は何も言うまい、これ以上J1に三笘の被害者が増える前に、
さっさとヨーロッパに行ってくれないだろうか。

2点ビハインドになってから宮本監督はレアンドロ・ペレイラ、宇佐美、一美に代えて、
パトリック、チュ・セジョン、チアゴ・アウベスを投入。

さらに、後半アディショナルタイムのCKのチャンスには東口もゴール前に上げるなど、
遮二無二ゴールを目指したけど1点が遠く、敗戦。

試合前の監督インタビューで、よく「ゴールを挙げるために準備してきた」と言っているけど、
9試合中7試合が無得点という状況に、その準備の痕跡が窺えないのですが。

このままやられっぱなしでいいのか

川崎が首位を独走している今季のこれまでのJ1戦線の状況に鑑みると、
18位のガンバがこの試合に勝つことは最初から難しかったように思う。

ただ、今季は下位4クラブが自動降格という、例年以上にシビアなシーズンなので、
あんまり悠長なことを言っていると、クラブ創設30周年のシーズンにJ2降格という、
目も当てられない状況になってしまってもなんら不思議はない。

今季は新型コロナウイルスのクラスターが発生したことを受け、
1ヶ月間試合が出来なかった時期もあったけど、
もうそれを不調の言い訳に出来る時期はとっくに終わっている。

監督、選手たちに意地があるのなら、来週の水曜日にホームで行われる広島戦で、
石に噛り付いてでも勝ち点3を掴み取って欲しい。

ガンバ大阪02川崎フロンターレ
’41 レアンドロ・ダミアン
’76 三笘薫