【YBCルヴァンカップ 3回戦 ジュビロ磐田vsガンバ大阪】先制点不敗神話の崩壊とともにルヴァンカップを去る
カンフル剤を見つけるのはどちらか
試合終了間際に大迫にゴールを割られ、敗戦を喫したアウェイ神戸戦から中3日、
ガンバ大阪は磐田に乗り込んでルヴァンカップ3回戦の試合に臨んだ。
3連勝のち2連敗と今ひとつ波に乗れないガンバだけど、
本日の対戦相手のジュビロ磐田も、直近は3連勝中ではあるものの、
先月の3連敗が響いて自動昇格圏からは水を開けられている状況なので、
チームの良いきっかけとなる勝利が欲しいのはお互い様といったところか。
とは言え、お互いにターンオーバーを敷くことになると思うので、
普段、リーグ戦の出場機会が限られている選手たちの奮起に期待し、
プレーオフラウンド行きの切符を掴み取りたいところだ。
上手くいってないところに転がり込んできた先制点
後半アディショナルタイムの坂本一彩のゴールで勝利した昨年11月の対戦以来、
約半年ぶりにヤマハスタジアムのピッチに立ったガンバのスタメンは以下の11人。

トップ下に水戸戦以来1ヶ月ぶりの出場となる名和田を抜擢。
満田に代わりボランチのポジションに入った鈴木徳真には、
神戸戦を出場停止で欠場した分のフル回転を期待したいところ。
今季初めて3バックを採用してきた磐田に対し、
サイドを広く使って磐田の守備陣の横ズレを発生させたいガンバだったけど、
磐田の選手たちのスライドが速く、なかなか攻撃の糸口を掴めない。
それなら中央から攻めたいところだったけど、
1トップのヒュメットとトップ下の名和田が何も仕事をさせてもらえず、
前半の終盤までシュートすら打たせてもらえなかった。
ヒュメットはゴールデンウィークの前に戻ったかのように前線の浮遊物と化しているし、
名和田はフリーにも関わらず明後日の方向へクロスを送る場面もあり、
開幕戦の大阪ダービーで1人気を吐いていた姿は何処へやら。
それでも、磐田の大卒ルーキー・角の強烈なシュートを東口がセーブしたり、
ブラック企業ばりに酷使されているとは思えない高パフォーマンスを見せる半田が、
再三オーバーラップしてくる松原をシャットアウトしたりと、守備陣の奮闘でゴールは割らせず。
すると、岸本のバックパスを中谷がワンタッチで前線に送ると、
DFラインの裏へ抜け出したヒュメットが見事なループシュートでゴールネットを揺らし、
前半43分という時間帯になってようやく飛び出したチーム最初のシュートで先制に成功。
ループシュートはめちゃくちゃ上手かったけど、
VARがあったらオフサイドだったような気はしなくもないが・・・。
静岡に行っても青黒に牙を剥いたベルギー人
1点リードで後半を迎えたガンバは、後半頭からウェルトンに代えて山下を投入。
まあ、前半のウェルトンのプレーを見る限り、まだまだ万全ではないようなので、
戦術的というよりコンディション面を考慮しての交代だろうね。
同様の理由でネタ・ラヴィも後半17分に倉田との交代でお役御免。
選手交代をするとパワーダウンする傾向が強かった今季のガンバだけど、
山下と倉田が投入されてから名和田の動きが前半と見違えるように良くなったので、
この試合では交代選手が上手く機能し、危なげなく試合を進めていたと思う。
ところが、そんな状況が暗転したのは、アビスパ時代、セレッソ時代と、
精度の高い左足で何度もガンバを苦しめてきたジョルディ・クルークスが、
後半34分にピッチに投入されてから。
その背番号23を背負う現在J2リーグのアシスト王に、
ピッチに投入されてから1分もしないうちに仕事をされてしまう。
左サイドからクルークスがあげたクロスはニアで半田がクリアしきれず、
半田の後ろにいた黒川にボールが当たってしまうと、
これがペナルティエリアに走りこんでくる佐藤凌我への絶好の落としのような形になり、
豪快にゴールネットを揺らされてしまった。
黒川を責めるには酷な失点とはいえ、神戸戦に続き2試合連続で失点に絡んでしまったし、
攻撃面でも酒井高徳をぶっちぎったようなキレも見られなかったので、
この試合に関しては、今後のリーグ戦のことも考えて休ませても良かったんじゃないだろうか。
その後は、同点に追いついた勢いで攻勢に出る磐田相手に防戦一方になるも、
東口の再三にわたる好守で勝ち越し点は許さない。
すると、磐田の川島も東口の奮闘に触発されたようで、
山下のクロスに合わせた南野のシュートを横っ飛びで掻き出されてしまい、ゴールならず。
結局、勝敗の行方は延長戦に委ねられることになってしまった。
またしても早々に去ることになったルヴァンカップ
ガンバとしては持ち込まれる形で突入した延長戦だけど、延長戦の入りは良かったと思う。
ところが、山下のシュートはポストに弾かれ、
コースを狙った倉田のシュートは川島に止められと、ゴールが遠い展開は変わらない。
すると、磐田の高卒ルーキー・川合のスルーパスに抜け出したクルークスのシュートは、
東口がセーブするも、こぼれ球を指定強化選手の大学生・吉村に押し込まれてしまい、
延長後半5分についにビハインドを背負うことになってしまった。
1点を追う展開になったガンバは、パワープレーに出るも、
相変わらず南野は全然空中戦に勝てないし、
挙げ句の果てには身長164cmの山下目がけてロングボールを蹴り込んだ時は、
思わず頭を抱えてしまった。
(っていうか、ジェバリってなんでベンチも入ってないの?)
結局、そんな攻撃で同点に追いつけるわけもなく、
2025年のガンバのルヴァンカップは3回戦で終焉。
タイトルを1つ失っただけでなく、
先制点を取れば勝てるという今季の心の拠り所も失ってしまった。
また、中3日でアウェイの川崎戦を迎えるのに、
DFラインを中心に主力を疲弊させてしまったのはネガティブでしかないけど、
今月の川崎はACLE参戦による未消化分の試合を一気に消化していることもあり、
コンディション面が万全ではないのはお互い様だろう。
広島戦での敗戦以降、良くない流れが続いているけど、
ここ2年間負けていない川崎との試合で断ち切りたいところだ。
ジュビロ磐田2ー1ガンバ大阪
’43 デニス・ヒュメット
’80 佐藤凌我
’110 吉村瑠晟