【明治安田生命J1リーグ18節 FC東京vsガンバ大阪】親の顔より見た光景が飛田給にあった

2020年11月1日

伏魔殿・飛田給

日立台や日産、鳥栖、ましてやホームであるはずの吹田など、
ガンバにとって鬼門と呼ばれる場所はいくつかあるけど、
東京都調布市飛田給ほど、ガンバサポーターの無念が渦巻いている場所は無いだろう。

もう若いサッカーファンは稲本潤一がガンバにいたことを知らない人もいると思うけど、
18年前に行われた稲本のガンバラストゲームが、
ガンバが味の素スタジアムでFC東京に勝った最後の試合である。
(まあ、もっともその頃は味の素スタジアムという名前ですらなかったが)

また、ちょうどその頃は、大阪市が2008年のオリンピックを誘致しようとしていた時期で、
IOCで行われた開催地の投票で大阪市がわずか6票しか獲得できず、
これを揶揄して「大阪、6票!」というコールを始めた東京サポーターに対し、
「それは俺たちじゃなくて大阪市をホームにしているセレッソに言えよ!」という
ツッコミが入るというやりとりもあったらしい。

来年、東京五輪が開催されることを考えると、大阪五輪の存在なんて隔世の感があるけど、
そんな昔話を引っ張り出してこないといけないほど、
味スタでのFC東京戦に負けた後のブログのネタが尽きているのですよ。

雨中の右サイドの攻防に屈する

前節の松本戦で倉田の決勝ゴールをアシストするなど、
スタメン起用に応えた遠藤だったけど、この日はベンチスタート。

前半を0-0で乗り切って、
後半から遠藤と食野を投入して勝負に出るというプランと見たのだけど、
前半の早い時間帯に矢島の見事なロビングのパスから小野瀬がゴールを決め、
幸先良く先制することに成功した。

しかし相手は首位のチームとあってこれだけでは動じない。

もし僕がガンバと対戦するチームの監督だったら、
守備に難のある中村の裏のスペースを狙って攻めるだろうし、
実際、湘南や松本はその方法で攻めてきたけど、
長谷川健太は3バックの右の髙尾のところに、
ナ・サンホをぶつけて集中して狙ってきた。

ここ数試合、中村の守備のマズさの影に隠れていたものの、
髙尾の守備にも綻びが目立つようになっていたので、
狙われるとマズいかなとは思っていたのだけど、
その不安が的中した格好になってしまった。

まあ、プロ1年目だし、本職は右SBなので、
そこまで高いレベルを求めるのは酷なのかもしれないけど、
前半の2失点は右サイドを崩されていることを思うと、
やはり首位のチームを相手にCBで起用するには時期尚早だったと言わざるを得ないね。

そして長谷川健太の術中に嵌る

1点ビハインドのガンバは髙江に代えて後半頭から遠藤を投入。

狙い通りにポゼッション率は上がったけど、ボールを持たされている感が強く、
シュートまで持ち込める場面はほとんど無し。

それどころか却ってカウンターから3失点目を喫することになってしまい、
試合の大勢は決してしまった。

長谷川健太のサッカーを5年間見てきたガンバサポーターに
わざわざ説明するまでもないかもしれないけど、
そもそも長谷川健太のサッカーはポゼッションを重視しない。

人数を掛けて守り、相手のミスに付け込んで少ない人数で攻撃を完結するので、
一番やってはいけないことは、
相手のゴール前に人数を掛けている状態でボールを失うこと。

ファンウィジョや食野のように強引にでもシュートを打って
攻撃を終わらせるタイプならいいのだけど、
遠藤やアデミウソンのように、ゴール前でシュートを打たずにパスを選択し、
しかもそれに加えて功から守への切り替えが遅いタイプだと、
被カウンターの起点になってしまいかねない。

実際、この試合のアデミウソンは安易なロストが多く、
チャンスの芽を潰している感があったのに、
どういうわけか宮本監督はこのブラジル人FWを90分間ピッチに置いた。

小野瀬に代えて福田なんて、
メンバー表の名前を書き換える以外の効果を発揮しない交代をするよりも、
ポストプレーに長けていて守備でも頑張れる渡邊千真を、
アデミウソンに代えてピッチに送り出した方が、
シュートチャンスを作り出せそうに思えたのだけど、どうだろうか。

落ち込んでいる時間は無い

6試合負けなしと良い感じで来ていたところに、
雨が降って文字通りに水を差された感じになってしまったけど、
悲しいかな、このカードで勝ち点を落とすのは織り込み済み。

今節は湘南や松本、鳥栖が勝ち点を積み上げたことにより、
さらに残留争いの行方が混沌としてきたので、引きずり込まれないためにも、
次節の清水戦に向けて気持ちを入れ替えて欲しいね。

久しぶりにミッドウィークに試合が無いので、
次節までの中5日でしっかりと準備して欲しいと思います。

FC東京31ガンバ大阪
‘5 小野瀬康介
’38 永井謙佑
’40 永井謙佑
’60 ディエゴオリヴェイラ