【明治安田J1リーグ31節 京都サンガvsガンバ大阪】VARとも戦う必要があるなんて聞いてない
7月から続く停滞感を払拭せよ
前節、天敵・スコルジャ率いる浦和レッズの前にホームで苦杯を嘗めた我らがガンバ大阪は、
亀岡に乗り込んで京都サンガとのアウェイゲームに臨んだ。
ウェルトンの絶好のチャンスでのシュートミスが響き、
スコアレスドローに終わった前回対戦の決着をつけたいところだけど、
夏の補強の成功と戦術の変更により、
前回対戦時に絶不調だった京都は違うチームに変貌している。
ただ、京都はミッドウィークに行われた千葉との天皇杯の試合に、
極端なターンオーバーをしないで臨んでいることもあり、
コンディション面では前節から中7日のガンバに分があるので、
運動量と球際で相手を上回って、7月から続く悪い流れに歯止めをかけたいところだ。
7試合ぶりの先制点に勝利の予感は高まるも・・・
土曜日の試合で鹿島が柏に引き分けたことで、
この試合に勝利すれば4位に浮上できるガンバのスタメン11人は以下の通り。
累積警告で出場停止のダワンに加え、
ネタ・ラヴィがイスラエル代表チームの活動で胸を肉離れしたとして、
ボランチの組み合わせは鈴木徳真と、京都U-15出身で古巣対戦となる美藤。
また、公式に発表は無かったけど負傷離脱していたと思われる、
ファン・アラーノがベンチに戻ってきたね。
キックオフの笛が鳴ったばかりなのに、
「今は後半30分?」と思わせるようなオープンな試合展開で、
ボールがピッチの左右を行ったり来たり。
セットプレーやスローインのポジションの取りで小競り合いが起き、
ヒートアップする両軍の選手に呼応するかのように沸き上がる歓声に、
熱狂的なスタジアムの雰囲気がTV画面越しに伝わってきたね。
そんな一戦で最初に試合を動かしたのは白いユニフォームを身に纏うアウェイチーム。
中谷のロングフィードに抜け出した山下が、ク・ソンユンと1対1の場面を迎えると、
自分でもシュートを打てる状況で併走するファーの山田へのロビングのパスを選択し、
山田のボレーシュートをお膳立て。
上手く体を倒しながら枠へシュートを飛ばした山田の技術も見事だったけど、
山下と山田の間のニアのスペースに飛び込んできたのがボランチの美藤というところに、
この選手のボックストゥボックスプレーヤーとしての潜在能力の高さを感じたね。
7月の鳥栖戦以来の先制点ということで、
7試合ぶりの勝利を俄然意識する試合展開になったけど、
ガンバのリードの時間は長くは続かなかった。
後方でのボール保持の際に一森と福岡将太のパスの意図が合わず、
マルコ・トゥーリオにかっさらわれてシュートを放たれると、
中谷の決死のブロックもこぼれ球をラファエル・エリアスに押し込まれ、
先制点からわずか7分でリードを吐き出してしまった。
まあ、一森のプレースタイル的にこの手のミスは起こり得るので、
今季これまで一森に助けられた場面の多さを考えると、一森を責める気にはなれないかな。
同点に追いつかれたガンバは、勝ち越しゴールを奪うべく京都のゴールに攻め入るも、
不運なことにこの日は京都のGKのク・ソンユンが大当たりで、
宇佐美と岸本の立て続けのシュートもスーパーセーブで防がれてしまい、
結局、タイスコアのままハーフタイムを迎えることになってしまった。
12人目の敵になったVAR
ハーフタイムで2人の選手交代を行った曹貴裁に対し、
前半と同じメンバーを後半のピッチに送り出したポヤトス。
そんな後半はガンバが主導権を握って試合を進めていたのだけど、
京都のカウンターの展開で原からエリアスにボールが渡ると、
福岡将太がエリアスとの1対1に屈して左足でシュートを決められ、逆転を許してしまった。
8月の月間MVPのエリアスの個人技には脱帽だけど、そもそもこのゴールは、
ガンバが押し込んだ展開で岸本のシュートがブロックされたところから始まっているので、
攻撃のクオリティ不足が守備にも悪影響をもたらすという、
攻守が表裏一体のサッカーというスポーツの怖さを見た場面だったね。
1点ビハインドを追うことになったガンバは、
ウェルトンと山下の両翼の推進力を活かして京都のゴールに攻め込むも、
ガンバのシュートはことごとくク・ソンユンに止められてしまい、ゴールが遠い試合展開。
「FC東京の野澤といい、なんでガンバ戦になると相手GKが覚醒するんだ」
なんて毒づいているうちに気がついたら後半40分を過ぎていて、
痛恨の勝ち点0も頭をよぎる状況に。
すると、そんな時にウェルトンがファウルを受けてFKを獲得すると、
宇佐美のFKに合わせた岸本のシュートのこぼれ球を、
足を止めずにゴール前に走りこんでいた中谷が押し込み、
後半42分でスコアを振り出しに戻すことに成功。
この勢いで勝ち越しといきたいガンバは、
残りの時間で実際に勝ち越したと思う場面を作り出したのだけど、
中谷の逆転ゴールも黒川が獲得したPKもVARのOFRで取り消されてしまい、
ドローで試合を終えることになってしまった。
VARの審議対象となったプレーはどちらも意図せぬハンドだったけど、
自分の太ももにボールが当たってから手に当たったウェルトンと、
味方にボールが当たってから手に当たった福田心之助の違いということか。
まあ、この試合を裁いた大橋主審のジャッジはあまり良い印象は無かったけど、
この難局を乗り切るには、試合後のインタビューで中谷が言っていたように、
判定に頼らず自分たちの力で勝ち切るしかないんだろうね。
山見もいないことですしヴェルディさんにはちょっと休んでもらって・・・
これでリーグ戦7試合未勝利となったガンバの次の試合は、ホームでのヴェルディ戦。
同じ昇格組の町田が優勝争いを繰り広げていることで影が薄い印象はあるけど、
気がついたらガンバの1つ下の6位まで順位を上げてきているヴェルディ。
今季のヴェルディの躍進の立役者である山見が、
ガンバからのレンタルということで出場出来ないのは大きいけど、
その山見不在の状況で対戦した5月の味スタでの一戦はスコアレスドローだったので、
来週のパナスタで決着をつけたいところだ。
京都サンガ2ー2ガンバ大阪
’20 山田康太
’27 ラファエル・エリアス
’60 ラファエル・エリアス
’87 中谷進之介
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