【明治安田J1リーグ11節 横浜FCvsガンバ大阪】強風の中で塩漬けにされたトラブルメーカーとの決着

ピッチ外のトラブルメーカーとの決着はピッチ内で着ける
ミッドウィークに敵地で水戸を降し、ルヴァンカップ3回戦に進出したガンバ大阪は、
戦いの場を三ツ沢に移し、横浜FCとの一戦に臨んだ。
今まで横浜FCとの間には特に因縁めいたものは無かったはずなのに、
先日、ガンバから横浜FCへ移籍した某山田の存在もあり、
どこかモヤモヤした感情を抱えながらこの試合に臨むことになってしまった。
昨季あれだけ熱量に溢れていたチームの結束を解いた、
某山田の過ちを赦すことはもちろん無いけど、
キックオフの笛が鳴ればそこは純粋な勝つか負けるかのフットボールの世界。
水曜日に120分戦った選手もいて、コンディションは万全ではないと思うけど、
疲れている中でも攻守の様々な局面であと一歩が出るように、
青黒の戦士たちをサポートするのみだ。
試合の行方を左右する風という不確定要素
公式戦3試合連続のクリーンシート勝利を目指す青黒のスタメン11人は以下の通り。

水戸戦で120分の出場を強いられたネタ・ラヴィはベンチからも外れ、
代わりにボランチのポジションに入ったのは、”困った時の倉田秋”
対する横浜FCの某山田は、何食わぬ顔で左シャドーのポジションでスタメン出場していたね。
この試合を語る上で外せない要素が2つあって、
そのうちの1つがこの日の三ツ沢のピッチに吹き荒れた強風。
風が強い中でのサッカーの試合は、得てして風上を取った方が有利と言われるので、
そのセオリーからいくと前半は風上のガンバが有利になるのだけど、
普段、風の影響を受けにくいパナスタでプレーしているガンバの選手たちは、
ハイボールの処理で落下点を見誤る選手が続出。
風が強いという条件は、横浜FCの選手たちも同じだけど、
ホームチームの利を活かしてガンバの選手たちよりも早く強風に適応。
すると、CKの場面でジェバリのクリアを拾われた流れから、
鈴木武蔵が左サイドから右足で上げたクロスをンドカ・ボニフェイスに決められ、
前半7分という早い時間に先制点を献上してしまった。
ンドカのマークについていた福岡は、ンドカの前に入って体を当てていたのだけど、
その上からヘディングで叩き込まれるという、CBとしては屈辱的なやられ方だったね。
それに、ガンバのゴール裏側のカメラに向かってゆりかごパフォーマンスをするなんて、
某山田だけでなく、横浜FCって随分と舐めた真似をするチームなんだな。
堅守の横浜FC相手に早い時間で先に失点するのはマズイなと思っていたのだけど、
1点ビハインドになってから10分も経たないうちに、スコアは振り出しに戻ることに。
山根のFKをキャッチした一森のパントキックが前線を走る山下にピンポイントで渡ると、
これを山下が見事なトラップからのループシュートでゴールマウスを揺らしてみせた。
山下にとっては一昨年まで所属した古巣相手のゴールとなったけど、
古巣相手だからと言ってセレブレーションを控えるなんて微塵も無く、
大喜びでスタンドを煽りまくっていたのには思わず笑ってしまったわ。
この調子で逆転といきたかったのだけど、
その後、前半はどちらのチームにもゴールは生まれず、
タイスコアで前半を折り返すこととなった。

決着は風上にいるうちにつけておくべきだった
後半に勝ち越し点を奪いたい両チームだったけど、
後半開始早々、先にゴールネットを揺らしたのはホームチーム。
新保のパスを受けた福森が、一森の前でショートバウンドする嫌な弾道のクロスを送ると、
一森がこれをこぼしてしまい、あろうことか詰めてきた某山田に押し込まれてしまう。
「なんでよりによってコイツに・・・!」と思っていたら、
日頃の行いが出たのか、VARのOFRの結果、ハンドの判定でノーゴールとなり、
ガンバとしては事無きを得ることに。
気を取り直して横浜FCのゴールに迫りたいところだったけど、
後半になって風下になったガンバは、
前線に送るロングレンジ、ミドルレンジのパスがことごとく風の影響を受け、
思うように受け手に届かない。
それであれば地上戦で攻めたいところだけど、
ネタ・ラヴィ不在の影響からか先日の名古屋戦で見せたようなパスワークは影を潜め、
後半のガンバのチャンスらしいチャンスは、
市川に止められたジェバリのシュートぐらいだったんじゃないだろうか。
また、この試合を語る上で外せない2つ目の要素が高崎主審の不安定なジャッジ。
APTを伸ばすために今季から導入したファウルに基準はどこへ行ったのか、
神経質な笛を吹いて試合をぶつ切りにしたかと思えば、手を肩にかけたり、
ユニフォームを引っ張ったりするプレーを流したりと、判定基準がブレブレで、
ベンチでポヤトスが判定に不満を露わにする仕草を何度も見せていたのが印象的だったね。
結局、後半はどちらのゴールネットも揺れることなく、試合終了のホイッスル。
ヒュメットはこういう展開の試合で得点を決めて欲しいから獲得したと思ってるんだけど、
1点が欲しい状況で最後まで出番が無かったことに、
ポヤトスの信頼が薄れているのが垣間見えてなんだか切なくなってしまったわ。

新国立まで鬼門にはしたくない
某山田との再会をドローで終えたガンバの次節の試合は、国立でのFC東京戦。
ただでさえもガンバはまだ新国立で勝ったことが無いのに加え、
勝率が悪い平日の試合ということで、不利な条件が揃っている。
一方のFC東京はここまで新国立でのホームゲームでは負け無しらしいけど、
今季はここまで18位と調子を落としているので、
新国立での負け無しが止まるタイミングもそろそろかもしれない。
今節はまだミッドウィークの水戸戦の疲れが残っている選手が多かったと思うので、
中4日でリフレッシュして、FC東京の新国立負け無しの記録を止めて欲しいね。
横浜FC1ー1ガンバ大阪
’7 ンドカ・ボニフェイス
’15 山下諒也