【YBCルヴァンカッププライムステージ準々決勝2ndleg FC東京vsガンバ大阪】90分で負けて180分で勝った
主がいない大宮公園
東京のホームの味の素スタジアムがラグビーワールドカップの影響で使用できなくなるため、
この試合の会場は、まさかのNACK5スタジアム大宮。
今シーズン、ガンバの試合でこのスタジアムを訪れることになるとは思いもよらなかった。
このスタジアムに来るときはいつも荒天のイメージがあるけど、
この日も例に違わず台風が接近して、雨が降ったり止んだり。
悪天候を考慮してキックオフを1時間半早めるなどの対応をしたけど客足は伸びず、
飛田給から遠く離れた大宮のスタジアムを、
東京のホームに染めることは出来ていなかったように思う。
そんなホームアンドアウェイ感が無く、中立地開催の要素が色濃い試合だったのにも関わらず、
この180分間の戦いを分けたのは”アウェイ”ゴールだったというところに、
サッカーというスポーツの奥深さを感じたりもするのだけど。
勝っているチームはいじらないというのは本当に真理なのか
1st legから中3日ということで、何人かスタメンを入れ替えてくるのかなと思っていたら、
まさかの1st legと同じスタメンを送り出してきた宮本監督。
まあ、宮本監督は勝っているチームはいじらないところがあるので、
1st legと同じスタメンで2nd legに臨むことは十分に考えられたことだけど、
このブログで何度も書いているように、遠藤のパフォーマンスを最大限に引き出すのは、
週に1試合がベストだと思うので、酷使するのはできるだけ避けてほしい。
また、1st legでの4バックへの布陣変更が上手くいったのは、
ガンバは3バックで来ると想定していた東京に対する奇襲作戦がハマった部分もあったので、
同じやり方で2nd legも上手くいくとは一概には考えられなかった。
現に、この試合に於いては左サイドの機能不全が顕著で、
倉田は鈴木に対して、サイドのスペースを駆け上がって、
そのまま左足でクロスを上げてほしいイメージを持っているように見えるのだけど、
右利きの鈴木は、倉田からボールを受ける際にスピードを落として、
右足にボールを持ち替えようとするので攻撃がスローダウンし、ノッキングを起こしていた。
これにより、ゴール前までは良い形でボールを運ぶものの、シュートが打てずに、
手数をかけすぎてボールをロストし、カウンターを食らうという場面が何度も発生していた。
この問題に関しては、
昨日のU-23の試合で戦線復帰した藤春が戻って来れば解決すると思うけど、
これによって、せっかく辛抱強く起用し続けてきた福田が、
ベンチにも入れなくなってしまうのは避けてほしいところだけども。
戦術・パトリック、炸裂
前半と後半に1点ずつ失点し、2点ビハインドを背負ったものの、
ガンバとしては1点返せばアウェイゴールでの勝ち抜けが決まる展開なので、
アウェイゴール裏の応援のボルテージが下がることはなかった。
そんなアウェイゴール裏を埋め尽くした青黒のサポーターに歓喜の瞬間が訪れたのは、
後半31分のこと。
宇佐美のクロスからパトリックがヘディングで叩き込み、
待望のアウェイゴールがガンバ大阪にもたらされた。
そもそも、この場面に関しては、
室屋がパトリックのマークにつくというミスマッチが発生していた時点で勝負ありだったね。
また、ガンバの守備陣の脅威だったディエゴ・オリヴェイラが、
ベンチに下がった後の得点だったというのも、東京の攻撃意欲を削ぐという意味で大きかった。
ずっと痛みを抱えながらプレーしていた菅沼が、
後半36分に青山と交代になるというアクシデントはあったものの、
青山もCBの途中投入という難しいタスクを課せられたけど、
持ち前の対人の強さを発揮してよく守ってくれたと思う。
頭はすぐにリーグ戦に切り替えろ
こういう、2試合合計でタイスコアだけど、アウェイゴールの差で勝ち上がりというのは、
敵将の長谷川健太の十八番だけど、
この試合に関しては、宮本監督にお株を奪われた感じだったね。
そして、準決勝の対戦相手は札幌に決定。
札幌とは10月4日にリーグ戦でも対戦するので、
ルヴァンカップの2試合も含めると10日間で札幌と3試合することになるのか。
以前、同じような状況で川崎やマリノスとも3連戦をした事があったし、
ガンバは3連戦が発生するシーズンの頻度が他のクラブよりも高いような気がするね。
ここまで来るとタイトルを意識してしまうところだけど、
リーグ戦の順位を考えると、呑気にタイトルなんて言っている場合ではない。
奇しくも、今週末のリーグ戦で対戦するのは勝ち点1差で16位のサガン鳥栖なので、
残留争いに本格的に巻き込まれないためにも絶対に勝たなくてはならない。
FC東京2−1ガンバ大阪
’20 ディエゴ・オリヴェイラ
’67 田川亨介
’76 パトリック