【明治安田生命J1リーグ15節 柏レイソルvsガンバ大阪】今季ここまでアウェイ無敗だった理由はたまたまだったことが証明された

2020年11月1日

野戦病院はこちらでしょうか

CBにケガ人が続出し、本職CBが誰もいないDFラインを敷いている状況で、
前節、GKの中村航輔までもが故障してしまった柏。

「なんか大変そうだなぁ」なんて他人事のように思っていた矢先、
我が軍から小野裕二の前十字靭帯損傷の一報。

今季、新加入にも関わらず、2節の大阪ダービーで顔面を骨折しながら、
その後の試合もインサイドハーフのポジションで豊富な運動量で攻守両面を活性化するなど、
一時は中盤のキーマンという働きをしていただけに、小野の離脱は非常に痛い。

また、小野に加え、前節の仙台戦前のウォーミングアップ中に矢島も故障し、
中盤セントラルの選手層が一気に薄くなってしまった。

矢島の故障は軽傷とのことだけど、もし長引くようであれば、
相模原にレンタルしていた松田詠太郎を期限前倒しで復帰させたマリノスように、
髙江や高のレンタル復帰を検討する必要があるかもね。

ガンバに勝つための策を授けた魔術師

前半2分のオルンガのゴールで幕が開いた、ミッドウィークの日立台での試合。

左足で打つには余裕があるとは言い難い角度からのシュートだったけど、
造作も無く東口の守るゴールを射抜いたあたり、
さすが1試合で1得点以上のペースで得点を重ね、
J1の得点ランキングでぶっちぎり首位に立っているだけのことはある。

そんなオルンガの個人技以上に印象に残ったのが、
この試合に於ける両チームの監督の差。

勝っているチームはいじらないことが多い宮本監督が、
前節の仙台戦と同じメンバーを日立台のピッチに送り出したのと対照的に、
敵将のネルシーニョ監督が採用した布陣は、なんと中盤が菱形の4-4-2。

中盤を菱形にすると必然的にFWからDFまでの距離が長くなり、
全体が間延びしてスペースが生まれやすくなるから、
ここ数年で採用しているチームはめっきり減った印象がある。

そんな布陣をあえてこの試合で採用してきたのは、
柏のトップ下の江坂がガンバのアンカーの山本をマークする、
柏のアンカーの大谷がフリーになりやすくなるの2つの狙いがあったと思う。

また、オルンガの個の力がクローズアップされがちな柏の攻撃だけど、
柏の先制点の場面に象徴されるように、柏の2トップのオルンガと呉屋は、
ガンバの3バックの横のスペースへのランニングを繰り返し、
3バックの横の距離感を間延びさせてゴール前に、
江坂や戸嶋が走り込むスペースを作り出していた。

前節の鹿島戦から中3日しかなかったのに、
よくここまで入念にガンバ対策を講じてきたなと感心してしまった。

ネルシーニョの引き立て役に回った宮本恒靖

そんな柏に対し、ガンバはあまりにも無策だったと言わざるを得ない。

柏の中盤が菱形なので、必然的にサイドのスペースは空きやすいと思うのだけど、
特に左右に揺さぶりをかけるわけでもなく、
人数がたくさんいる中央から突破を試みて失敗し、カウンターを食らうの繰り返し。

また、オルンガと呉屋の2トップが前線から激しくプレスに来ることは考えにくいし、
それに加え柏のDFラインは本職のCBが誰もいないのだから、
スタメン2トップはパトリックと渡邉千真にして、
DFラインからシンプルにロングボールを入れて、
相手ゴール前で勝負するという攻め方でも良かったんじゃないだろうか。

井手口を山本の近くでプレーさせてビルドアップの手助けをさせたり、
後半になって渡邉千真とパトリックを投入してシステムを4-4-2に変更したけど、
どうも相手の戦いに合わせて受動的に選手の並びを変えている感は拭えなかったし、
3点ビハインドになり、試合の大勢が決してから遠藤を投入した意図もよくわからなかった。

確かに、「試合の流れを変えるためのカードとして遠藤はまだ必要だ」と、
先日のFC東京戦後のブログで書いたけども、
敗戦処理のような役割でピッチに投入された背番号7の胸中はいかがなものだったのだろう。

まあ、なんにせよ、百戦錬磨のネルシーニョと、
まだ指導者として何も成し遂げていない宮本恒靖の、
監督としての力量の差がはっきり出た試合だったように思う。

かつての盟友にエールを送りつつ次の試合へ向かう

この試合で唯一良かった点は、呉屋に恩返しゴールを許さなかったことぐらいか。

昨季、長崎で得点を量産する呉屋のプレーを見ていて改めて思ったのが、
この選手はボックス内で長い時間プレーさせてあげることで
持ち味を発揮できる選手なんだなということ。

呉屋がいた時のガンバは、DFラインを低めに設定し、ボール支配率にこだわらず、
相手を自陣に引き込んでカウンターというサッカーをしていたので、
FWの選手は相手のゴールまで距離があるという状況でプレーすることが多かったからね。

だからカウンターで長い距離を運べるFW(宇佐美、ファンウィジョ)や、
前線でターゲットマンになれる長身FW(パトリック、長沢)が重宝される一方で、
呉屋や赤嶺といったボックスストライカーが活躍するには難しい環境だったと思う。

なので、願わくばガンバで得点を量産して欲しかったけど、
輝ける場所を見つけられないままこの世界を去っていく選手がほとんどである中で、
輝ける場所を見つけた呉屋には、これからも頑張って欲しいと思う。
(もちろんガンバ戦以外でね)

そしてガンバは次節、中3日でホームの湘南戦。

今のガンバが良い状態だとは言い難いけど、
今季まだ1勝で最下位に沈む湘南相手にホームで勝てないようでは、
今季のガンバの着地点はお察しになるだろう。

まだまだ上を目指すつもりがあるのなら、
次節、勝ち点3を獲得することで気持ちを見せて欲しいものだ。

柏レイソル30ガンバ大阪
‘2 オルンガ
’40 江坂任
’62 江坂任