【明治安田生命J3リーグ23節 セレッソ大阪U-23vsガンバ大阪U-23】弟分同士のライバル対決は決着がつかないままアルバムの中へ

2020年11月1日

U-23の大阪ダービーの歴史は一旦ピリオド

今節はU-23の大阪ダービー。

トップチームであろうとジュニアであろうと、
大阪ダービーに負けていい試合なんて無いというのは言わずもがなだけど、
Jリーグの方針によりU-23チームをJ3に参戦させることが出来るのが今季までとなったため、
U-23の大阪ダービーが開催されるのは今季が最後。

来季から始まるエリートリーグとやらがどんなものなのか詳しく知らないけど、
日本で言うところの大学4年間にあたるU-18からU-23の年代の育成って、
欧州や南米の強豪国でも試行錯誤していて、
「これ」と言う最適解は見出せていないところがある。

そんな状況でJリーグの方針が今後変わらないとも言い切れないので、
再びU-23チームがJ3を戦うことが認められ、
またJ3で大阪ダービーが開催される未来もあり得ると思っているけどね。

2016年から始まったJ3での大阪ダービーの戦績は、奇しくも3勝3分3敗の全くの五分。

この試合に負けてしまうと、「J3での弱い方の大阪はガンバ」というレッテルを、
何年後に返上できるかわからないので、絶対に勝利して終わらなければいならない。

ピンクの選手を褒めると体が痒くなる

そんな重要な一戦に臨んだガンバU-23の布陣は、
累積警告での出場停止が明けた唐山が先発復帰、
さらにトップチームの柏戦に後半45分から出場していた川﨑もスタメンに名を連ね、
久しぶりに唐山、川﨑、塚元の今季のトップ昇格3人組が揃い踏みしたね。

序盤からガンバU-23はセレッソU-23の高いDFラインの裏を積極的に狙ったけど、
この日のセレッソU-23のDFラインは非常に統制が取れており、
何度もオフサイドを取られてチャンスを作るまでには至らず。

CKのチャンスも多かったけど、高さではセレッソU-23の方に部があるので、
セットプレーでもゴールの芽を見出すことが出来なかった。

対するセレッソU-23もあまりチャンスらしいチャンスは作れていなかったけど、
前半21分に藤尾が左足のインフロントでカーブをかけた見事なシュートで、
オーバーエージの石川が守るゴールネットを揺らしてみせた。

この藤尾という選手は、前半にもう1本左足で同じようなシュートを放っていたので、
てっきり左利きなのかと思っていたら、なんと右利きの選手。

既にトップチームでもゴールを決めているみたいだし、将来有望な良い選手だと思ったけど、
一点、セレッソの選手というところが個人的な残念ポイントかな。

機能不全の右サイドを救った左サイド

1点ビハインドで前半を折り返したガンバは、後半頭から高木に代えて伊勢を投入。

これにより、左のインサイドハーフでプレーしていた川﨑をトップの位置に上げたけど、
前半から機能していなかった塚元の右WBは継続。

塚元は白井のようにサイドを深い位置まで切り込んで行くタイプではなく、
ドリブルでカットインして右足でシュートまたはパスというプレーが得意なので、
サイドに置くなら左に置いた方が持ち味が出せるように思うんだけども。

後半に入ってもガンバU-23の右サイドは死んだままだったけど、
前半からチャンスを作っていた反対サイドの黒川と山口のユニットは後半も奮闘。

後半14分に、ガンバU-23が左サイドから上げたクロスをセレッソU-23の選手がクリアすると、
このルーズボールを後方から走り込んだ伊勢がペナルティエリア外から叩き込み、
試合を振り出しに戻すことに成功。

これが伊勢にとってJ3での初ゴールになったね。

左利きのボランチということ以外、今のところそこまで際立ったものを感じない伊勢だけど、
2種登録の選手でJ3でこれだけの出場機会を得ているということは、
来季のトップ昇格候補なんだろうか。

思えば川﨑も、昨季は「ドリブルに光るものがある選手だな」程度にしか思ってなかったのに、
今季はJ3で5試合連続ゴールを挙げるなど得点力が開花したし、
伊勢にもまだ開花していない秘めたる力があるのかもね。

U-23が無くなっても大阪ダービーの歴史は続く

その後は、両チームに得点機が訪れるもののゴールネットを揺らすまでには至らず、ドロー決着。

先述の通り、来季のJ3ではこのカードは実現しないので、
来季に勝敗の行方を委ねることは出来ないけど、
トップチームの大阪ダービーは来季以降もまだまだ続いていく。

そして、どういう巡り合わせかトップチームの大阪ダービーが来週、
この試合と同じヤンマースタジアム長居で行われる。

11月3日は、今節の試合で決着をつけられなかったU-23に代わって、
トップチームが鮮やかにピンクの連中を打ち負かしてくれるだろう。

セレッソ大阪U-23 11 ガンバ大阪U-23
’21 藤尾翔太
’59 伊勢航