【明治安田生命J1リーグ24節 ガンバ大阪vs柏レイソル】1年で同じ相手に3度も負けるわけにはいかない

2020年11月1日

素晴らしいスタジアムはアウェイチームも奮い立たせる

パナソニックスタジアム吹田をホームにしているクラブは、
言わずもがな我らがガンバ大阪だけど、
どういうわけかこのスタジアムで我々よりも
居心地良さそうにプレーするクラブがある。

そのクラブの一つが2016年のクラブW杯で、
世界の強豪クラブを吹田の地でなぎ倒して決勝進出し、
横浜で行われた決勝では、
かのレアルマドリードをあと一歩のところまで追いつめた鹿島アントラーズ。

鹿島はJリーグの試合に於いても、
吹田のピッチでホームのようにプレーしていたけど、
今季、ようやくガンバが勝利し、ホームチームの意地を見せることが出来た。

そして、今節のガンバの対戦相手である柏レイソルも、
まだ吹田スタジアムで勝ったことが無い相手である。

ただ今季は、先述の通り鹿島を吹田で破ることに成功しているし、
何より味の素スタジアムでFC東京に19年ぶりの勝利を収めるなど鬼門は次々と克服している。

そろそろパナソニックスタジアム吹田の主が誰なのか、
柏にもレクチャーする時が来たようだ。

誇れるディフェンスの選手層

敢えて言及するまでも無いけど、柏で最も注意すべき選手は、
前節終了時点で22試合出場22得点のオルンガ。

さらに、先月、日立台で対戦した時には欠場していた、
ガンバの天敵・クリスティアーノもスタメン出場するなど、
抑えるのに骨が折れそうな顔ぶれだ。

そんなオフェンス陣を擁した柏は、ボールポゼッションに固執せず、
ガンバの選手を自陣に引き込んでボールを奪い、
カウンターでシンプルにオルンガに当てるという戦い方をしてきた。

クリスティアーノのシュートミスに助けられる場面が何度かあったけど、
オルンガにパスが入っても厳しく寄せることが出来ていたし、
全体的に集中して守ることが出来ていたんじゃないだろうか。

三浦と昌子をケガで欠いているガンバのCB陣だけど、
日本代表歴があるCB2人を欠いても菅沼が控えているガンバのCBの選手層は、
贔屓目無しにJリーグのクラブで一番厚いと思う。

また、脳震盪で欠場が続いている藤春に代わって左SBで出場している福田も、
試合を経るごとに守備力が向上していて頼もしい限りだ。

あとはこの守備陣の奮闘に低調な攻撃陣が応えるだけだったのだけど、
柏のゴールマウスを守る名手・キムスンギュの存在も相まって
今節もゴールは遠い感じだ。

前にいた選手がブラインドになったのかもしれないけど、
フリーのシュートチャンスでヘディングを空振りした場面は、
パトリックに決めてもらいたかったね。

宮本監督初勝利試合のデジャブ

前半をスコアレスで折り返したガンバだったけど、
後半の早い時間帯で試合を動かすことに成功。

公式記録上は宇佐美のCKをキムスンギュがオウンゴールしたことになっているけど、
パトリックのコンタクトによってキムスンギュがファンブルしたようにも見えるので、
キーパーチャージを取られてもおかしくないようなプレーだった。

主審に抗議している柏の選手たちの気持ちもわかるので、
なんとなく後味が悪い先制点だったね。

そんな先制点を守って、時計の針を後半35分まで進めることが出来たけど、
小野瀬の雑なクリアを拾われると、オルンガに決められて失点。

先制点の宇佐美のCKに繋がったのは、小野瀬のミドルシュートだったので、
その点は高評価だったけど、この失点に繋がったクリアミスについては反省材料やね。

スコアは1-1、残り時間はアディショナルタイムも含めると10分少々。

仲間に代えて神谷を投入したあたりから柏の攻勢が強まっていたし、
後半18分の3連続シュートを防がれてからガンバに決定機らしい決定機は無かったので、
これは引き分けも止む無しかなと思っていたら、
後半アディショナルタイムに突入する時間帯に、
右サイドからカットインしたアデミウソンが左足一閃。

一昨年のホームでのFC東京戦を彷彿とさせるアデミウソンの試合終了間際のゴールは、
ガンバが勝ち点3を獲得しただけでなく、順位を2位に押し上げ、
今季の天皇杯出場、来季のACL出場権獲得を現実のものにしたという意味でも、
非常に大きなゴールだったね。

札幌にダブルで10試合負け無しだ

次節はホームで札幌戦。

思えば、現在進行中の9試合負け無しは、ホームでの湘南戦敗北を受け、
3バックから4バックに布陣変更して臨んだ厚別での札幌戦から始まったもの。

まさか宮本監督も3バックから4バックにするだけで、
ここまでチーム状態が良くなると思っていなかっただろう。

4バックが上手くハマっている現状で、
三浦と昌子が揃って戦線復帰したら誰をベンチに置くのかという疑問はあるけど、
まあ、それはその時考えるということで、今は目の前の試合に注力。

チーム状態が上向きになるきっかけとなった札幌にもう一度勝利することで、
再度、チームの勢いを加速させたいところやね。

ガンバ大阪21柏レイソル
’52 オウンゴール
’80 オルンガ
’89 アデミウソン