【明治安田生命J1リーグ3節 ガンバ大阪vs大分トリニータ】昨日の戦犯は今日の英雄

悩める青黒の救世主となれるか

サイドの選手にケガ人が続出し、
小野瀬と黒川がフル稼働を強いられている現在のガンバ。

ケガ人がサイドの選手に集中したのは不運と言えば不運だけど、
昨季からサイドの選手層の薄さを指摘されていたのに、
「福田は両サイド出来るから」といって補強に動かなかったのは、
当時フロント側の人間だった松波監督なので同情の余地は無いけどね。

そんな折、突如として飛び込んできた、
水戸ホーリーホックの柳澤亘選手加入の報せ。

昨季は水戸のヘッドコーチを務めていた依田コーチが、
岐阜でプレーしていた柳澤のプレーを気に入って水戸に引き抜いたけど、
自身が水戸からガンバに引き抜かれたので、
半年遅れで柳澤をガンバに連れてきたというオチだろうか。(迷推理か?)

八千代松陰出身ってあまりJで見ない経歴の選手だけど、
今のガンバは猫の手も借りたいぐらいのチーム状態なので、
1日でも早く青黒の一員としてピッチで戦ってほしいね。

ミラーゲームでがっぷり四つ

勝ち点1差で19位の大分とのシックスポインターズに臨んだ
ガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

出ずっぱりだった黒川をベンチスタートさせ、右が本職の小野瀬を左に回し、
本職ボランチの奥野を引き続き右で起用するという苦しい陣容。

攻撃面では、前節のレアンドロ・ペレイラ、宇佐美、矢島の3人に比べると、
今節の3人はボールを受けに下がってくる選手が少ないので、
大分のゴールに近い位置でボールを持てる回数は多かったと思う。

しかしながら、前線の3人にそれぞれ決定機は訪れたものの、
これを決め切ることが出来ずに前半は無得点。

ウェリントン・シルバは積極的に仕掛けていく姿勢は良いんだけど、
まだ他の選手とポジションが被ってしまい、
チャンスを潰してしまう場面がちらほらあるね。

守備面では、ガンバと同じ布陣を敷く大分とはミラーゲームと言うこともあり、
マークすべき選手がはっきりしていたので、
長沢にドフリーでヘディングを打たれた場面以外は、
危ない場面は無かったように思う。(完全にやられたと思ったけど)

ただ、いずれにせよ勝ち点3を獲得するには、
後半にギアを上げなければいけないなと思うような前半だったね。

あまりにもドラマチックな結末

後半に入っても膠着状態の試合展開が続く中、
最初に変化をつけてきたのは敵将の片野坂監督。

後半13分に町田に代えて呉屋を投入して2トップに変更し、ミラーゲームを崩してきた。

すると、ガンバの守備陣のマークの確認が間に合っていないうちに、
呉屋にDFラインの裏へ抜け出された流れから大分がCKを獲得。

そして、そのCKで大分が先制点を挙げてしまうんだから、
片野坂監督にしてみればしてやったりといった感じだろう。

一方の松波監督は、一美、ウェリントン・シルバ、チュ・セジョンに代えて、
宇佐美、倉田、矢島の3枚替えを敢行するも試合の流れは変わらず、
またしてもホームで辛酸を舐めるのかと思われた。

そんなネガティブな雰囲気を一変させたのは、
後半39分のレアンドロ・ペレイラの同点ゴール。

菅沼との交代で投入された時は正直何も期待してなかったのだけど、
矢島のシュートのこぼれ球を見事に沈め、試合を振り出しに戻してみせた。

あの抑えの利いたシュートを見る限り、
非凡なものを持っているのは間違いないのだけど、
このレアンドロ・ペレイラという選手は、
どういう風に起用すれば持ち味を発揮できるのだろうか。

ガンバでは最前線以外のポジションで出場することはほぼ無いけど、
広島時代はドウグラス・ヴィエイラの少し後ろの1.5列目で起用されていたので、
もしかしたらパトリックの少し後ろのシャドーの位置で、
前向きでプレーさせた方がいいのかもしれないね。

このレアンドロ・ペレイラの同点ゴールで押せ押せムードになったガンバは、
逆転を狙って立て続けに大分ゴールに迫るも、
勝ち越しゴールを奪うまでには至らず、
このままタイムアップかと思われた後半アディショナルタイム4分。

キム・ヨングォンが前線に放り込んだボールをパトリックが落とすと、
その先に待ち構えていたのは我らが青黒のエース、背番号39・宇佐美貴史。

ハーフバウンドのボールを見事にゴールネットに叩き込み、
土壇場でガンバに勝ち点3をもたらしてみせた。

レアンドロ・ペレイラといい、宇佐美といい、
ここ最近がっかりさせられることが多かった選手たちが歓喜をもたらすのだから、
本当にサッカーは理屈では説明できないスポーツだ。

何度も手の平を返す準備は出来ているので、
これからゴールを量産して今までの鬱憤を晴らして欲しいね。

ホーム3連戦を終えて北の大地へ向かう

この勝利でガンバは勝ち点20とし、徳島と柏を得失点差でかわして15位に浮上。

なんか、元ガンバの長沢と呉屋が絶好のシュートチャンスを外して、
ガンバの勝利をアシストしてくれた感もあるけど
ひとまず降格圏を抜け出したのはポジティブに考えたいと思う。

この大分戦が終わってようやくウズベキスタン帰国後の隔離期間が空け、
久しぶりに自宅に帰れるようなので、家族と過ごす時間でリフレッシュして、
次戦のアウェイ札幌戦に備えて欲しいね。

ガンバ大阪21大分トリニータ
’60 エンリケ・トレヴィザン
’84 レアンドロ・ペレイラ
’90+4 宇佐美貴史