【明治安田生命J1リーグ11節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌】誰か一森にご馳走してやれ
シュワーボ、オスタニ!
5月1日、元日本代表監督のイビチャ・オシムが逝去した。
思えば今から17年前、
ナビスコカップ決勝でガンバ大阪のクラブ初タイトルへの挑戦を阻んだのが、
当時、ジェフ千葉を率いていたオシムさんだった。
オシムさんが代表監督になってからは、
海外組を重用していたジーコの元で冷遇されていた遠藤保仁をチームの中核に据えただけでなく、
家長昭博、二川孝広、播戸竜二、橋本英郎、山口智と言った、
これまでA代表に縁が無かったガンバの選手たちを大勢招集し、
ガンバのクラブのブランド力向上にも一役買ってくれた。
「オシムさんが長く日本代表を率いてくれていたら、
今頃日本代表はどんなサッカーをしていただろう」と、多くのサッカーファンが想像したように、
オシムさんが率いた日本代表は可能性を感じるサッカーをしていたので、
志半ばで病に倒れられた時はさぞかし無念だっただろうと思う。
監督業を廃業してからも遠くオーストリアの地から日本のことを気にかけてくれていたので、
これからも引き続き天国から日本のサッカーを見守ってくれるだろう。
ガンバ大阪の今節の対戦相手は、
そんなオシムさんの元で長らくコーチを務めたペトロヴィッチ率いる北海道コンサドーレ札幌。
サンフレッチェ広島時代にペトロヴィッチ監督の下でコーチを務めた経験のある片野坂監督も、
間接的にオシムさんの影響を受けている一人と言ってもいいと思うので、
いわばオシムチルドレン同士の対戦という側面も持っている試合である。
故人が日本に残した足跡を感じながら・・・と言いたいところだけど、
前節のFC東京とのアウェイゲームに敗れてJ2降格圏が見えてきたガンバは、
この試合にエモーショナルな部分を乗せている余裕は無い。
ホームで札幌を降して勝点3を上積みし、1つでも上の順位に行きたいところだ。
後半につなげたかったPKストップ
3年ぶりに行動制限の無い大型連休中のパナソニックスタジアム吹田に送り出された、
青黒の11人は以下の通り。
前節のFC東京戦に途中出場して好パフォーマンスを見せた中村仁郎をJ1初スタメンに抜擢。
また、左SBが本職の黒川を右SBで起用してきた。
黒川の右SB起用は、小野瀬がタッチライン際に開いて札幌の選手を外に吊り出して、
中のスペースを黒川に使わせようという意図なのかなと思ったのだけど、
小野瀬は中央のスペースに入っていくし、大外のレーンを黒川が使うわけでも無いし、
結局、何がしたいのかよくわからなかった。
ここ最近の低調なチームパフォーマンスを受けて、
片野坂監督も色々試行錯誤しているのだろうけど、迷走している感は否めないね。
試合の方は、序盤から札幌が立て続けにチャンスを迎えるも、得点を挙げるまでには至らず。
対するガンバは、中村仁郎や小野瀬がミドルシュートを放つ場面はあったものの、
中盤でパスが引っ掛かってカウンターを食らったり、
速攻が出来そうな場面も遅らせられてチャンスにならなかったりと、
攻めあぐねる場面の方が目についたね。
中村仁郎のキックの精度が良かったので、
セットプレーに得点のチャンスを見出したいところだったけど、
反対に、札幌のCKの場面でクォン・ギョンウォンが宮澤を倒してPKを献上してしまう。
キッカーはガブリエル・シャビエルだったので、確実に決めてくるだろうなと思っていたら、
三文芝居のフェイントに一森が引っかからず、左に飛んでこのシュートをストップ。
このシュートが決まってそのままハーフタイムに突入することになっていたら、
チームの士気に影響が出てもおかしくなかったので、
試合の流れを相手に渡さなかったという意味でも大きなプレーだったと思う。
GKの頑張りだけでは勝ち点3には手が届かない
後半に得点を挙げるべく、片野坂監督は、
後半頭からレアンドロ・ペレイラと黒川に代えて山見と柳澤を投入。
攻勢を掛けたいところだったけど、逆に札幌に攻め込まれてしまい、
ガンバは前半にも増してシュートが打てない展開になってしまう。
昨年のオフにガンバがFWを補強しなかった理由って、
山見がある程度戦力として計算出来ると見越しての判断だったと思っているのだけど、
正直なところ、今季のここまでの山見のプレーを見ていて、
期待に応えられているとは言い難いね。
指定強化選手として出場した昨年の日本平での清水戦で、スーパーゴラッソを決めた時は、
来季はガンバにすごいヤツが来るぞと胸が高鳴っただけに、
もう一度あの時のようにサポーターが高揚するプレーを見せて欲しいね。
そんな試合展開を受けて、片野坂監督は、
後半13分に中村仁郎と奥野に代えて、パトリックと齊藤を投入。
すると、パトリックが菅野と1対1になる場面や、
小野瀬のクロスを柳澤が合わせるといった場面を作り出したものの、
いずれも得点に結びつかず。
しかしながら、ガンバが後半に作り出したチャンスは上述の2本と、
試合終了間際のウェリントン・シルバのシュートぐらい。
それ以外の時間帯では札幌のシュートの雨を浴びる展開になったものの、
一森が再三のビッグセーブでゴールを守り切り、勝ち点1を獲得。
最後尾で孤軍奮闘する一森の姿に、かつての東口の姿が重なって、
なんだか申し訳ない気持ちになったのだけど、
次節はこの一森の頑張りが勝ち点3に繋がるように、周囲は奮起して欲しいね。
マスコットを変えている場合なのか?
今季はなんだかんだで毎試合得点できていたはずなのに、
この試合も無得点でリーグ戦3試合連続無得点。
ルヴァンカップのセレッソ戦も含めると4試合連続無得点と、
目も当てられない状況になっているね。
ガンバの新しいクラブマスコットが出来たみたいだけど、
昨年のエンブレム変更然り、もっと他にやることがあるんじゃないだろうか。
次節はホームでACL帰りの神戸との対戦。
ACLではグループステージを突破した神戸だけど、未だにリーグ戦では未勝利。
先月の湘南戦然り、こういう相手に初勝利をプレゼントしてしまうのがガンバの悪癖だけど、
残留争いなんてしたくないのは選手もサポーターも同じ気持ちだと思うので、
連休最後日にスタジアムに詰めかけたサポーターに勝ち点3をプレゼントして欲しいね。
ガンバ大阪0−0北海道コンサドーレ札幌