【明治安田生命J1リーグ7節 ガンバ大阪vs浦和レッズ】彼方を立てれば此方が立たず

2020年11月1日

ナショナルダービーと呼ぶには寂しすぎる

かつてはガンバホームでの浦和戦と言えば、チケットの入手が困難な人気カードで、
年に1度のこの試合のチケットを取るために、
わざわざガンバのファンクラブに入っている浦和サポーターもいると言われたほどだ。

しかし、ガンバのホームスタジアムが、
万博記念競技場からパナソニックスタジアム吹田に変わり、収容人数が増えたとは言え、
空席が目立つスタジアムでこのカードが開催されるのは、どこか寂寥感を感じる。

このカードが満員のパナソニックスタジアムで開催されるためには、
ホームチームの成績が上がることが必要不可欠。

失点が多く、チーム状態の上がらない状況ではあるけれども、
前半早々に数的不利を強いられながらも引き分けに持ち込んだ直近のリーグ杯のように、
粘り強い戦いができれば、
きっと浮上のきっかけとなる勝ち点3は掴めるはずと思っていた。

お互いの良さを消しあう戦い

土曜日に開催された横浜と名古屋の対戦は、1-1のドローではあったけど、
お互いの持ち味である攻撃力でぶつかり合った激しい試合だった。

打って変わってこの試合は、お互いの良さを消しあう展開。

リーグ戦6試合で15失点と拙守が目立つガンバは、後ろに重心を置き、
攻撃はアデミウソンとファンウィジョの2人で完結させるような慎重な戦い方。

対する浦和は、ここ最近は4バックで戦う試合が多かったけど、
この試合では3バックに変更。

ガンバボール時には両サイドが下がって5バック気味になり、
マウリシオがファンウィジョを厳しくマークし、
攻撃の起点を作らせないなどタイトな守りを敷いてきたね。

機能不全を静観した宮本恒靖

そんな状況でも突破口をとなりそうだったのが、
ガンバのストロングポイントである倉田と藤春の左サイドだったのだけど、
前半終了間際に藤春が肩を負傷し米倉と交代。

米倉も攻撃的なサイドバックだけど、小野瀬との縦関係でプレーする機会が少ないからか、
この2人の連携で右サイドを崩すような場面は無し。

米倉投入に伴い、左サイドにポジションを移したオジェソクは、
もともと攻撃力には難のある選手なので、
結果的にガンバのサイド攻撃は藤春の交代とともに死んでしまった。

ただそんな状態にも関わらず後半36分に今野に代えて髙江を投入するまで、
宮本監督は特に手を打たずに静観していたのはなぜなのだろう。

無失点で来ていたからチームのバランスを崩したくなかったのだろうけど、
個人的には、倉田と中村の交代のタイミングを早めて、
サイドから仕掛ける回数を増やしても良かったんじゃないかな。

左SBが守備力の高いオジェソクだったので、中村としては、
藤春と組むよりは守備のことを気にせずに仕掛けることが出来たと思うしね。

見苦しく見えた抗議

試合終了間際までスコアレスで来て、ドローという決着も見え始めた時間帯。

セットプレーのこぼれ球を、ペナルティエリア外にいたエヴェルトンが豪快に叩き込み、
決勝点となる先制点が浦和に入った。

東口をはじめとしたガンバのDF陣は、
興梠のポジションがGKのブラインドになっていたんじゃないかと抗議していたけど、
それはちょっと無理があるんじゃないかな。

と言うのも、エヴェルトンのシュートは三浦の股下を抜けてきているので、
その時点で既に東口から見てブラインドになっているし、
興梠も流れの中からあそこのポジションにいただけで、
エヴェルトンがシュートを打つタイミングで、
東口の前にポジションを移したようには見えなかったからね。

もし飯田主審に抗議するのであれば、
ファンウィジョがペナルティエリア内で槙野に倒されたのにも関わらず、
PKを取ってもらえなかった場面の方かと思う。

次節こそホーム初勝利を

次節の対戦相手の大分は昇格組ながらここまで5勝を挙げて3位につけるなど、
手強い相手であることは間違いないけど、選手にもプライドがあるのなら、
ホームで醜態を晒し続けるのは次節で終わりにしよう。

ミッドウィークにリーグ杯を数的不利の状態で戦った影響からか、
この試合では後半に疲れが見えたところもあったけど、
次節は中5日空くのでそこできっちりと仕切り直して欲しいね。

ガンバ大阪01浦和レッズ
’87 エヴェルトン