【明治安田生命J1リーグ10節 FC東京vsガンバ大阪】場所は変わっても東京とのアウェイゲームは鬼門なのか

2022年4月30日

君たちのホームは飛田給であって千駄ヶ谷ではない

今節の我らがガンバ大阪の試合はアウェイでのFC東京戦。

ガンバは、FC東京のホームである魔境・味の素スタジアムが大の苦手なので、
例年であれば「FC東京とのアウェイゲーム」と聞くだけで気が重くなるのだけど、
どういうわけか今季は国立競技場での開催になった。

昨年開催された東京オリンピックのために建て替えられた新しい国立競技場で、
J1リーグの試合が開催されるのはこの試合が初めてとのこと。

ガンバは2021年の元日に天皇杯決勝を新国立で戦っているので、
ガンバがこの場所で試合をすること自体は2回目になるけど、
その試合は0-1で川崎に敗れてタイトルを献上し、
中村憲剛の引退試合に花を添えてしまったという印象しか残っていない。

対するFC東京は、ガンバが川崎に敗れた試合から3日後に、
同じ場所で柏レイソルを降してルヴァンカップのタイトルを獲得しているので、
少なくともガンバよりは新国立に対して良い印象を持っているだろう。

この試合を特別な試合にすべく、無料招待券を配布したり、
限定のユニフォームを作成したり、新宿駅に大きな広告を出したりと、
大々的にPRしているFC東京だけど、
空気を読まないガンバの痛快な勝利に期待したいところだ。

ケチャップの蓋はここで開くのか

雨が降りしきる千駄ヶ谷のピッチに送り出された、
ガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

なんと、どういう風の吹き回しか、
パトリックではなくレアンドロ・ペレイラをスタメンで起用してきた。

片野坂監督は、先日のルヴァンカップのセレッソ戦のどのプレーを見て、
ペレイラをスタメンで起用しようと思ったのだろうか。

まあ、前線からの守備は予想以上に真面目にやっていたけど、
2トップを組んだ坂本との距離感の悪さも相まって、
全くと言っていいほど前線でボールが収まらず、
FC東京に一方的にボールを支配される始末。

ただ、ボールは持てども決定的なチャンスはそれほど無かったあたりに、
直近のリーグ戦3試合連続スコアレスドロー中と、
点が取れていないFC東京のチーム状況が垣間見えたね。

そんな状況で最初に決定的なチャンスが到来したのはガンバ。

前半35分、右サイドからのクロスが逆サイドに流れたボールを藤春が拾うと、
これをマイナスの位置にいた山見にパス。

山見は右足のインフロントでカーブをかけたシュートを放つも、
僅かに枠の右に逸れてしまい、ゴールとはならなかった。

すると、ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、
山見の決定機逸の直後にFC東京がCKを獲得すると、
小川のキックをエンリケ・トレヴィザンがヘディングシュート。

これは一旦クロスバーに弾かれるも、
ペナルティエリア内に転がったボールをアダイウトンに叩き込まれ、
FC東京にとって4試合ぶりの得点となる先制点を献上してしまった。

ガンバの選手は何人も体を投げ出してシュートブロックに行ったけど、
たまたま隙間が出来たところをシュートが抜けて行ってしまったのが不運だったね。

前半のうちに追いつきたいガンバは、
坂本のパスに左サイドを抜け出した藤春がまたしても決定機を演出するも、
レアンドロ・ペレイラがクロスに合わせることが出来ず、
前半は1点ビハインドで折り返し。

まあ、簡単なクロスでは無かったと思うけど、
これを決めて欲しいから高い給料払ってんだとも言えるんだけどね。

敗色濃厚の試合で差した希望の光

スコアを振り出しに戻すべく坂本に代えて中村仁郎を投入したガンバは、
後半開始直後から試合の流れを掴む。

その中で、ダワンがクロスバー直撃のミドルシュートを放つなど、
決定的な場面を作り出したものの、時間が経つにつれて徐々にパスが繋がらなくなり、
前半のような試合展開に戻ってしまった。

すると、後半18分にアダイウトンに代えて投入されたばかりのレアンドロが、
ハーフウェーライン付近からドリブルを開始すると、
追いすがるダワンとスライディングに来た三浦が見事なステップワークで振り切りられ、
ゴラッソを叩き込まれてしまった。

ルヴァンカップ決勝で柏のディフェンスを一網打尽にした時もそうだったけど、
やっぱり機嫌よくプレーしている時のレアンドロは手が付けられないな。

まあ、ガンバサポーターにとっては、2020年シーズンの味スタでのガンバ戦で、
ポストプレーしながらキム・ヨングォンにエルボーをかましたり、
並走する山本にビンタを食らわせるなど、
数々の悪行を働いたイメージしかない選手だけども。

2点ビハインドになったガンバは柳澤に代えてパトリックを投入。

「結局パワープレーかよ」というお約束の展開にげんなりしてしまったのだけど、
この交代で右サイドハーフにポジションを移した中村仁郎が、
輝きを放ち始めたのは全くの予想外だった。

セットプレーのキッカーとして精度の高いキックを見せただけでなく、
FC東京のディフェンスの急所を突くフリーランニングや、
ドリブル突破でのチャンスメイクなど、どれも得点の可能性を感じるものばかりだった。

まだJ1の試合で90分は厳しいのかもしれないけど、
次節は坂本に代えてスタメンで起用しても面白いと思ったね。

中村と同い年であるFC東京の松木玖生は、
もう既に何シーズンもJ1の試合に出場しているかのように周囲に溶け込んでいるけど、
その松木が年代別の日本代表に招集された時に一番印象に残ったのが中村だったとか。

中村仁郎と松木玖生は、今後の日本サッカーの未来を担っていく2人だと思うので、
お互いに切磋琢磨して自分を高めていって欲しいと思うね。

ゴールデンウィークもゼロ行進は許されない

結局、ガンバは最後まで得点を挙げることが出来ず敗戦。

開幕以降、なんだかんだ毎試合得点できていたのに、
ルヴァンカップのセレッソ戦も含めるとこれで公式戦3試合連続無得点か。

せっかくのゴールデンウィークなのに、
ずっと無得点なんて興行的に寒い展開にはしたくないので次節はゴールが見たいね。

そんな次節の試合はホームでの札幌戦。

昨季のホーム札幌戦と言えば、ガンバのクラブ創設30周年記念試合だったのに、
5ゴールもぶちこまれて大敗を喫してしまったので、
その借りを返すような試合に期待したいところだ。

FC東京20ガンバ大阪
’38 アダイウトン
’65 レアンドロ