【天皇杯3回戦 大分トリニータvsガンバ大阪】よし、J1の力を見せつけたな(冷汗)

2022年6月23日

片野坂知宏、三たび古巣と邂逅す

今日は天皇杯の3回戦。

リーグ戦では前節のマリノス戦に敗れ15位に転落。

そんな状況で「賜杯を掴み取れ」なんて余裕のあることは言うつもりはないけど、
まだ6月なのに今季の楽しみが残留争いだけになってしまうのは心淋しいので、
トーナメントを勝ち上がって、少しでも長く我々サポーターに楽しみを残してほしいものである。

そんなガンバ大阪が今季の天皇杯でFC岐阜に続いて対戦するのは大分トリニータ。

昨季まで片野坂監督が6シーズンにわたり率いたチームという縁に注目されたのか、
NHKBSでも中継されたこのカードだけど、
今季はもう既にルヴァンカップで2度対戦しているので、正直なところあまり特別感は無い。

それどころか、カテゴリーが異なるにも関わらず今季3度目の対戦なので、
大分は本当にJ2に降格したのか?
実はまだJ1にいるんじゃないのか?と錯覚してしまいそうになる。

まあ、実際、この試合が終わったら、
J2リーグを戦っている大分とはしばらく対戦することも無いと思うので、
来季、J1のピッチで再会できることを願って、
好ゲームで今季最後の対戦を締め括ってほしいと思う。

どっちがJ1のチーム?

平日の夜に昭和電工ドーム大分のピッチに送り出されたガンバ大阪のスタメンは以下の11人。

直近のマリノス戦でスタメンだったのは山見1人のみで、他の10人は全員入れ替え。

対する大分は直近の栃木戦からスタメン11人全員を入れ替えてきたので、
連携面に不安があるのはお互い様かなと思っていたのだけど、試合が始まってみると、
前線から積極的にプレスをかけて加藤が守るゴールを脅かす大分に対し、
ガンバはハーフウェイラインを超えるのもやっと。

すると、大分のロングボールを見送ってゴールキックにしようとした佐藤が、
宇津元に入れ替わられてペナルティエリアに進入されると、
焦った佐藤が後ろから手をかけて宇津元を倒してしまいPKを献上。

マギーニョを倒してレッドカードを貰った昨季のアウェイ・横浜FC戦から、
何も成長してないんじゃないかと思うような稚拙な対応だったね。

このPKをあろうことか元ガンバ戦士の呉屋に決められてしまい、大分が先制。

キーパーの手が届かないコースへの見事なシュートだったので、
「そんなに上手にPKが蹴れるのに、
浦和と戦った2016年のナビスコカップ決勝の時はなぜ外したんだ」と言いたくなったけども。

1点ビハインドになったガンバは、アンカーにチュ・セジョン、インサイドハーフに倉田と齊藤、
3トップは右から中村、山見、ウエリントン・シルバという並びに変更して、同点の機会を窺う。

倉田が下がってたくさんボールを触るようになったことで、
布陣変更前よりもパスは回るようになったけど、
3トップの中央に入った山見が足元でボールを受けたがるため大分のDFラインが下がらず、
スペースが無い中盤でチャンスを作り出すことが出来ない。

本来であれば上述の倉田の役割をチュ・セジョンにやってもらって、
倉田にはもっと前目でプレーして欲しいのだけど、ビルドアップは出来ないし、
守備では余計なファウルを犯して危険な位置でFKを与えているし、
この韓国人選手は一体何しに試合に出ていたんだろうか。

4年前にはワールドカップに出場していた選手だと言われても俄かには信じがたいんだが。

結局、前半のガンバは大分相手にシュート0本に終わり、
いいところなくハーフタイムを迎えることになってしまった。

やはり困った時は”戦術・パトリック”

1点を追うガンバは、後半頭からウエリントン・シルバに代えてパトリックを投入。

9連戦の2試合目ということを考えると、この試合でパトリックは使いたくなかったのだけど、
この交代が功を奏する。

パトリックが大分のゴールへ向かって走ることで大分のDFラインが下がり、
これまで大分の選手たちがコンパクトに保っていた陣形が間延びすると、
このスペースを生かしてガンバのパス回しにテンポが出て来る。

すると、パトリックが右サイドでロングボールをヘディングで落としたところを、
倉田がダイレクトで逆サイドに振ると、このサイドチェンジを受けた山見が1人で持ち込み、
ループシュートでGK西川の肩口を破って、後半7分にスコアを振り出しに戻すことに成功。

故障明けということを考慮されてか、倉田がベンチに下がった時は不安を覚えたけど、
倉田交代後も試合の主導権を握り続けたガンバ。

後半21分には、セットプレーの流れで左サイドから福岡がクロスをあげると、
ファーサイドで呉屋に競り勝ったパトリックがヘディングで叩き込み、逆転に成功。

その後も、南野や坂本に決定機が訪れるも、これを決め切れず、
試合を決めるゴールはなかなか生まれなかったけど、
後半もアディショナルタイムに入ろうかという時間帯に、
パトリックがカウンターで抜け出してGK西川のファウルを誘い、PKを獲得。

このPKをパトリック自身が決めて勝負あり。

前半の戦いぶりを見た時はどうなることかと思ったけど、
他の会場でJ2勢が次々と番狂わせを起こす中、
J1勢として順当にベスト16に駒を進めることが出来たのは良かったと思う。

札幌土産は白い恋人と勝ち点3希望

ガンバがベスト16で対戦するのは、今季3戦して3敗の鹿島だけど、
まだその試合の話をするのは早いので、今は週末の札幌とのリーグ戦に注力。

シーズン序盤は安定した守備力を発揮していた札幌だけど、
ここに来て大量失点の試合が続いていて、
この日の天皇杯でもJ2の甲府に敗れるなど、明らかに調子が悪そうに見える。

調子が良ければ爆発的な攻撃力を誇るチームだけに、
調子を落としている今のうちに叩いておきたいところだけど、
こういう相手に気前良く勝ち点をプレゼントしてしまうのが、
お人好し・ガンバのいけないところなので、
心を鬼にして札幌から勝ち点3を持ち帰って欲しいと思います。

大分トリニータ1ー3ガンバ大阪
’14 呉屋大翔
’49 山見大登
’56 パトリック
’89 パトリック