【アジアチャンピオンズリーグ グループステージ2節 ガンバ大阪vs全北現代】白黒つけるのは最終節までお預けということで

2021年6月30日

グループHの分水嶺

今季のACL東地区は、新型コロナウイルス対策に伴う出入国制限の関係で、
オーストラリア勢が出場を辞退し、
中国勢も実質3軍のメンバーを送り込んでいるとあって、
実質、日本勢と韓国勢の一騎打ちの構図になっている。

我らがガンバ大阪が所属しているグループHの韓国勢は、
目下、Kリーグ4連覇中の全北現代。

全北現代は今季のKリーグでは苦しんでいるらしいけど、
今季のJ1リーグで15試合を終えて勝ち点14しか取れていない
ガンバほどではないだろう。

ただ、だからといって簡単に引き下がるわけにもいかないので、
挑戦者の気持ちでぶつかっていってほしいものだ。

体を投げ出さないと守れないものがある

この試合のガンバのスターティングメンバーは以下の通り。

先日のタンピネス戦から髙尾と倉田が外れ、
奥野とキム・ヨングォンが入り、布陣を4-4-2から3-4-2-1に変更してきた。

試合開始の笛とともに、勢いよく敵陣に攻め入ったガンバだったけど、
中継カメラが全北現代の監督のキム・サンシクを写している間に、
全北現代のゴールキックからの流れで先制点を献上。

前線にロングボールを送り込んで、
縦への速さとフィジカルで一気にゴールを陥れてしまう、
韓国勢が伝統的に得意とする形で失点をしてしまったね。

さらに、前半17分には邦本にもゴールを決められ、
試合が始まって20分もたたないうちに2点ビハインドを背負うことになってしまった。

ボールから顔を背けながらブロックに行った井手口の足にシュートが当たり、
コースが変わってゴールマウスに吸い込まれるという、
東口泣かせのゴールだったね。

播戸がガンバの試合の解説をすると、
シュートブロックの際にボールから目線を切る動作に対して、
いつも苦言を呈している印象があるのだけど、
いつまで経っても改善していないように見受けられるので、
OBを代表して、一度、万博の練習場に行って直接選手に助言してきてほしいものだ。

足りなかったあと一押し

今季のガンバの得点力を考えると、Kリーグ王者相手に前半で2点ビハインドと言うのは、
どうしてもネガティブに感じてしまうのだけど、
この試合では布陣のミスマッチからか大外の藤春と小野瀬がフリーになる場面が多く、
サイドを起点にチャンスを作れていたので、得点が入りそうな時間帯は多くあった。

そんな得点の気配が結果となって表れたのは前半27分。

宇佐美のパスに抜け出した藤春がダイレクトであげたクロスを、
パトリックが合わせて1点を返すと、その4分後には、
宇佐美のサイドチェンジをファーで矢島が折り返したボールにパトリックが詰め、
あっという間に試合を振り出しに戻してしまった。

この勢いで勝ち越しといきたかったところだったのだけど、
その後は、前の試合から中2日という過密日程や、
現地時間で午後9時開始にも関わらず30度を超える気温の中での試合ということで、
コンディション面で厳しかったのか、強度が低く、
まったりとした試合になってしまったように思う。

このような状況を打破するために、交代選手には頑張って欲しかったのだけど、
黒川、倉田、レアンドロ・ペレイラといずれも試合の流れを変えることが出来ず。

黒川はリーグ戦の川崎との試合で一皮剥けたように思えたのだけど、
松波さんに監督が代わってしばらく試合に出ない間に、
また元に戻ってしまったような感じがするね。

Kリーグで上手くいっていないという試合前の評判通り、
この試合の全北現代は思っていた以上に付け入る隙が多かったので、
勝敗を決めるゴールを決められなかったのは残念ではあるけど、
この試合を終えても得失点差でガンバがグループHの首位にいることを考えると、
勝ち点1は及第点と言ってもいいかもね。

総力戦で乗り切る過密日程

次戦の対戦相手はチェンライ。

油断は禁物だけど、全北現代に比べると少し力は落ちる相手なので、
中2日の連戦が今後も続くことを考えるとメンバーは落としても問題無いだろう。

個人的には、そろそろ山本を起用して欲しいのだけども、
松波さんが監督になってから明らかに序列が下がっているので、
果たしてどうなることやら。

ガンバ大阪22全北現代
‘2 スタニスラフ・イルチェンコ
’17 邦本宜裕
’27 パトリック
’31 パトリック